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JRFUについて
2011年レフリング指針
日本ラグビーフットボール協会
審判委員会委員長 岸川 剛之

日頃、審判委員会活動にご尽力戴いている3地域・都道府県協会レフリー委員会に所属されているレフリー、レフリーコーチ他の皆様方に深く御礼を申し上げます。
また、3月11日に発生しました東日本大地震において、被災された方々に対して、お見舞い申し上げます。
沢山のラグビー試合が東北の地で開催されますように、今後の被災地の復興に対して、審判委員会が一丸となって微力ながら支援して参りたいと思います。

2010年度審判委員会活動は、「2019年ラグビーワールドカップ日本開催」に向けてのスタートの年として、“底辺拡大”、“トップレフリー、女子レフリー及び国際レフリーの育成”を重点に活動を推進して参りました。
また、IRBより、Bernds RDC(Referee Deveropment Consultant)を迎えて、審判委員会活動についてレビュー及びアドバイスを戴き、方針の見直し・修正を行いました。
審判委員会としては、2011年度もレフリー普及・育成を最重点課題として、底辺拡大から国際レフリー育成のために目標を明確にして、具体的施策を計画すると共に実行のために組織力を整備・強化して、活動を推進して参ります。
3地域協会、各都道府県協会におかれましては、レフリーの発掘、育成に更なるご支援を賜るようお願い申し上げます。
なお、今シーズンの活動方針及び2011年レフリング指針については、7月3日の全国レフリー委員長会議にて周知徹底を図り、以下の各指針項目を再度ご確認戴き、レフリー活動へ展開して戴きたいと思います。

1.活動方針 : 活動スローガン “Evolution (進化)”

“Growth(成長)”から更なる進化を遂げることを目的に“Evolution(進化)を本年度の活動スローガンとする。短期的な目標達成はもとより、中・長期の視野に立った目標達成のために更なるチャレンジをもって進化し続ける組織作りを実行する。
レフリーの認識度を高めるために、日本協会公認レフリーは、協会関係者、チーム関係者からの信頼を得ると共に、全国レフリーの模範となるハイパフォーマンスのレフリングを展開する。また、審判委員会は、組織を活性化させ、レフリーの指導・育成の最大限のサポートをするように、委員会スタッフが一体となって運営を行なうこととする。
そして、関東、関西及び九州の三地域及び全国都道府県との連携を強化して、レフリーの発掘、育成を積極的に推進して、優秀なレフリーを継続して輩出する育成システム及びプログラムを構築していく。
具体的な活動方針を以下に示す。

l .底辺拡大

(1)レフリーの認識度を高める。

 「試合は、レフリーが居ないと始まらない」、「質の高いレフリングは、良いプレーを創造させる」等のレフリーの存在や役割の重要性を自覚して、プレーヤー、指導者及び観客から尊敬されるレフリーを育成する。
また、レフリーの認識度を高め、レフリーを希望する人が一人でも多く増えるように積極的なPR活動を推進して行く。

(2) レフリーの普及・育成

IRBトレーニングプログラムに基づき、レベルにあったトレーニングを行い、レフリーの早期育成を推進する。特に、アカデミーや3地域若手有望レフリーには、地域交流や全国大会研修会等でレベル向上の機会を積極的に提供する。
また、アカデミーレフリーに関しては、国際レフリーへの育成を目標とし、語学研修等必要な知識習得を行うものとする。
3地域及び都道府県協会は、レフリー発掘のための認定講習会(C級、B級)を充実させ、レフリーの育成を推進し、日本協会、3地域及び都道府県が連係して活動を進めていく。
また、3地域における女子レフリーの指導育成体制を構築して、女子レフリーの普及・育成を積極的に推進する。
若い世代のレフリー発掘・育成のために、学生レフリーを育成していくことも必要である。

(3)レフリーコーチの育成

レフリーの普及・育成のためには、レフリーコーチのサポートは必須であり、レフリーレベルに合わせたレフリーコーチの指導・育成を強化する。特に、3地域、都道府県の経験の浅いレフリーの指導・育成は、重要であり、レフリーコーチの体制を構築してその活動を拡大展開して戴きたい。
審判委員会は、3地域及び全国都道府県単位のレフリーコーチを積極的にサポートしていく。

◆レフリーコーチ育成方針
a.ラグビーの理解(競技規則と戦術の理解)
b.レフリーとのコミュニケーション能力の開発
c.観察力・コーチングポイントの発見
d.プランニングとフォローアップの実践

(4)情報の伝達

テクニカル部会の活動をスピードアップさせて、マニュアル・研修会教材の整備を図り、3地域及び全国都道府県協会に研修会資料の情報を提供する。
また、映像データをレフリー及びレフリーコーチに提供すると共に、ルール部会による競技規則やルーリングに関する情報伝達を早めていく。

ll .2011年の基本方針

  1. “Keep Clean Rugby”のためのレフリングの実践
    まず、安全性を重要視したレフリングの実践Rugby Readyを踏襲して、安全なレフリングに努める。特に高校生以下のスクラムの組ませ方に十分注意するとともに、重症事故につながるような姿勢でのプレーについては、競技主催者や指導者と一体となって厳しく対応していく。これは、ラグビー競技を発展させるためには安全性の確保は絶対条件であり、今後も安全性を最優先したレフリングに努めていく。
        また、ラグビーの質の低下となる不正なプレーや危険なプレーについては、毅然とした態度で対応する。

  2. 尊敬されるレフリーの育成
    ラグビー競技におけるレフリーの資質は、ゲームにおけるジャッジだけでなく、コミュニケーションスキル や日常における態度、言動など多方面にわたっていることである。トップレフリーとして、レフリングスキルと共にレフリーの資質の向上を様々な研修を通して研鑽していく。

  3. 国際レフリー育成プログラムのステップアップ
    IRBパネルレフリー育成のために、レフリー個人の能力・適正を精査して、個別のチャレンジプログラムをを基に、海外派遣・研修のプログラムを継続的に実施する。
    また、次のステップで、北半球・南半球もしくはティア1、ティア2グループのレフリー交流システムを構築していく。
    NZ協会のレフリー育成プログラムのレフリー派遣を継続して行うと共に、若手レフリーの海外研修プログラムの新たな計画・実行する。また、IRB,ARFU指名試合に積極的にレフリーを派遣して、国際レフリーの輩出のステップアップを図る。
    また、香港協会、UAE協会とのレフリー交流の他にNZ ワイカト協会との交流を含めて、国際交流を継続して実施する。

「2011年レフリング指針」を下記の通りとしました。レフリー関係者はもちろんのこと、チーム関係者にも是非一読願い、レフリーを含むマッチオフシャルとチーム関係者が協力し合いながら、魅力あるラグビーが展開されることをお願いします。

2.2011年レフリング指針( 2010年重点項目を継続して実行する。)

1.基本方針  

安全性、公正及び一貫性を持ったレフリングで、ダイナミックかつ継続性のあるラグビーを創出し、チーム、プレーヤー及び観客に最高の感動を与える。

2.具体的目標

  1. 安全性を最優先したレフリング(カテゴリーに応じて)
  2. 不正・不当なプレーに対して厳格かつ一貫性のあるレフリング
  3. クリアーなブレイクダウンの判定とコントロール
  4. プレーの継続性を見極めて、不要なアドバンテージや影響ある反則を放置しない。
  5. プレーの流れを阻害しない効果的なコミュニケーションの実行
  6. アシスタントレフリーとの連係によるチームオブスリーの機能発揮

3.具体的レフリングスキル

(1)セットプレー

  1. レフリーコールによるスクラムコントロールの強化
    • レフリーが発する4段階のコールにより、静止した状態で、安全・公平なエンゲージメントをコントロールする。レフリーは、CTPE(クラウチ、タッチ、ポーズ、エンゲージ)の動作を確認してコールする。
        このコールは、試合を通して、できる限り一定であるようにコールすること。
    • スクラムフォーム(バインド、アングル等)を終了までしっかりと確認する。
    • FL,NO8のバインドはスクラム終了まで、ロックプレーヤーとバインドされていることを確認する。
    • スクラム周辺のオフサイド、オブストラクション等の確認をチームオブスリーで実践する。
    • 正しいボールの投入により、イコールコンディションでのボールコンテストを実施する。

  2. ラインアウトの整理及びギャップ確認
    • ラインアウトに参加する人数を整理し、1mギャップ等正しいライウンアウトのフォームを良く確認する。
    • レシーバーの位置及びボール投入の反対側ポジションニング等を良く確認する。
    • 速やかなボール投入をマネージメントする。
    • ラインアウトからモールに移行する前のコンテストを確認して、オブストラクションプレーへの見極めを的確に行う。
    • ジャンパー及びサポートプレーヤーへのチャージ等危険なプレーを良く確認する。
    • ラインアウト解消前の離脱(15mラインを超えたプレー等)を的確に確認する。
    • ラインアウトからのモールの形成の有無、ラインアウトからの意図的な離脱等状況を適切に判断して、公平・公正なコンテストが行われるようにコントロールする。

(2)ブレイクダウン

  1. タックルの成立及び立っているプレーヤーかどうかの見極めを的確に行う。
  2. 15条6項(C)に該当するタックルに関わった立ったままでボールキャリア及びボールを掴んでいるプレーヤー(アシストタックラー)が、ボールもしくはボールキャリアを放すことを確認する。(精度アップ)
    そのために、的確なポジショニングを維持する。
  3. プレーの継続を妨げるプレー(シーリングオフやノットロールアウェイ)の適切な判定及びコントロールを行う。
  4. タックル後の最初のボール獲得及びラック形成後のボール争奪の継続の見極めを的確に行う。
  5. 効果的なプリベントコールにより、プレーヤーとのコミュニケーションを的確に行う。

(3)オフサイドのコントロール

以下のフェーズにおけるオフサイドを確認してコントロールする。

  1. キックにおけるオフサイド
  2. ラック・モールにおけるオフサイド位置からの参加及びオフサイド位置からのディフェンス

(4)不正なプレー

  1. ファウルプレー(ゴール前のインテンショナル含む)に対しては毅然として対応する。
  2. タックル部位を確認し、一貫した基準で適用する。
  3. 安全性を最優先したゲームコントロールを行う。
  4. アシスタントレフリーによるレフリーサポート強化(レフリー、AR間の基準統一と連係強化)

(5)その他(競技規則の正しい適用)

  1. モールの成立と解消、モール離脱のオフサイドの確認を確実に行う。
  2. キックのクイックスロー成立と投入位置の確認を確実に行う。
  3. 防御機会を阻害する前方にいるプレーヤーのオブストラクションを的確に確認する。
  4. タックル成立後の立ったままのプレーヤーのタックルへの参加

(6)ゲーム全体を通じて

  1. 試合を通して一貫したレフリングを実践する。
  2. 必要最小限のコミュニケーションスキルによりダイナミックで継続性のあるゲームを創出する。
  3. チームオブスリーの機能強化を図り、マッチオフシャル全員によるゲームマネジメントを行う。
  4. 正しい位置からのリスタートとキックの確認。

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