2012年3月10日から11日まで2日間で行われた「2012 TRUE GRIT GUAM RUGBY INTERNATIONAL TOURNAMENT」のレフリーとして派遣されましたので、活動報告いたします。
・3月9日(金)
成田出発。使用機材の遅れで、20:55予定の離陸が遅れ、21:20頃の出発となった。座席は満席。グアムには翌日10日の2:00に着。ホテルの車で空港より宿泊先のホテルへ。もう試合当日であるが、フロントにはなにもメッセージがなく、不安を覚えつつも3時に就寝。
・3月10日(土)
朝07:30に起床し、朝食を摂りにロビー階の食堂へ。ここで香港協会から派遣された2人のレフリーと会うことができ、8:30にホテルからグラウンドへ出発することを知る。
会場へは車で15分ほどの「ウエッティンゲル ラグビーフィールド」である。グアム北部のデデド地区にある。サーフェイスはバッファローグラスとバミューダグラスの混播の芝でやや凸凹がある。メインスタンドが鉄骨で組まれており、バックスタンドは土手でその上にテントが張られており、チームおのおのが使用する。メインからバックにかけて約1.5mの高低差があり、傾いていて、いかにも手作りといった情緒がある。ただ広さに関しては正規の規模であるように感じられた。
レフリーは香港からMurray SARGANT氏、Brian WONG氏、地元グアムからAaron FERGUS氏、Ross MORRISON氏、そして谷口の5名である。
大会における試合は、男子は10人制で各10分ハーフ、ボウル、プレートの決勝は12分ハーフ、カップの決勝は15分ハーフである。女子は7人制で7分ハーフ、決勝は10分ハーフである。
初日の男子はA,B二つのプールに5チームずつ振り分けられ、総当たりのうち3試合を行い、翌日は残り1試合を実施したうえで、その結果によりボウル、プレート、カップ各トーナメントが行われる。女子は5チームが参加し、初日に3試合、翌日に1試合を行い、その結果の1,2位で決勝、3,4位で順位決定戦を行う。
谷口はKURUMI●対OLD SOAKS○、SBD●対OLD SOAKS○、ZENKAI●対GUAHAN○、BABARS○対ZENKAI●の男子10人制を4試合担当した。グラウンドはグアム特有の赤い鉄分の多い土ボコリが立つが、走りやすい。気温は摂氏32-34度くらいであり、試合中はかなり暑いが日陰で休めば汗はひいていくような状態であった。スクラムは5人で組み、各チームキックやサインプレーを交え、ワンサイドの試合もあったが、おおむね熱戦が繰り広げられた。第二試合で香港のMurray氏がふくらはぎを肉離れしてリタイヤしてしまったのは残念だった。
ホテルに帰ってからは小さなプールにてリカバリースイム並びにストレッチを行った。
・3月11日(日)
朝08:30ホテル発。男子予選プールの残り1試合、PARA TODU○対KURUMI●を担当したのち、プールA4位とプールB3位の順位決定戦、同A2位対B1位、ボウル決勝、女子決勝の5試合を担当して大会のレフリーを終えた。大会終了後はグラウンドにおいてフェアウェルパーティーと表彰式が行われた。
[感想]
総じて大会のレベルは低くなく、それぞれがディシプリンを持ったチームであった。チームはグアム、ミクロネシア諸島から参加し、とくにサモアから来たチームはフィジカルを前面に押し出してきた。日本からも男子ではKURUMI(くるみ)とZENKAI(全快ビアーズ)、女子ではLITTLE BLACKS(大会優勝ならびにMVPも獲得)が参加し、大会を盛り上げていた。
また、大会二日目は「東日本大震災」の1周年であったため、谷口から大会本部へ「サイレント・タイム(黙祷)」の実施を打診したところ、快諾を得、さらには息子二人が大会に参加していることもあり、グアム島のガバナーであるEddie CALVO氏が地震発生時刻近くから挨拶し、黙祷を実施してくれた。実施中はグラウンドが徐々に静かになり、鳥の鳴き声以外は聞こえない厳粛な空気に満たされ、多くの被災者並びに犠牲者にそれぞれが思いをめぐらせた。
試合数も多く、気温が高いため、水分や塩分の摂取、アップ、リカバリーなど個人によって管理することが必要とされ、こういった経験を過去にIRBセブンズなどで経験してきた谷口にとっては、なにやら懐かしい思いにとらわれた。若手レフリーにとってもいい経験の場になると思います。
[今後のために]
今後は大会にアセッサーもぜひ派遣していただきたい(結局もう一人の香港レフリーが勝手にレフリーの割り振りを決めてしまった)。そうすればさらに緊張感を持って試合に臨めると思います。
また、移動においては深夜現地着でその日の朝にはゲーム、帰国便も大会翌日の朝07:00発のため、04:30にはホテルをチェックアウトせねばならず、レフリーのパフォーマンスにも影響するため、次回派遣の際は飛行機の出発時間において交渉の余地があるのではと感じた(もっと楽な時間帯に数本のフライトがある)。
[最後に]
このような機会を作ってくれました日本協会、審判委員会に感謝するとともに、大会運営に携わったグアム協会には厚く御礼申し上げます。