駒場WMM 14-27 六甲ファイティングブル 【準決勝/2012年1月8日(日) at 埼玉・県営熊谷ラグビー場】 国立競技場で行われた大学選手権決勝と同時刻に始まった準決勝第2試合は、前々回大会の決勝と同じカードとなった。 前半風上を取った六甲は10番・由良のキックと重量FWで序盤から敵陣で有利に試合を運ぶ。一方の駒場も、この日は大型司令塔・黒岩を起用。FW陣もサイズが小さいながらも低く鋭いタックルで対抗する。 前半8分、六甲の左中間ラックから出たボールは13番・タウモエピアウ弟へ。相手防御をずらして逆目に回し、15番・加島から14番・内山に渡ってトライ。ゴールも決まって六甲が7点を先制した。 29分駒場ゴール前ラインアウト。こぼれ球を拾った六甲5番・打出が大きく前進、6番・鎌田、7番・タウモエピアウ兄のサポートも良く、最後は再びボールを手にした打出が右隅になだれ込んだ。(ゴールも決まり14-0)。 このまま六甲有利に試合が運ぶかに見えたが、六甲を徹底的に研究してきた駒場はラインアウトで再三ミスを誘うなど、六甲を翻ろうする。ブレイクダウンでも意思統一された二の手、三の手が早く、六甲はなかなか連続攻撃を仕掛けることができない。 我慢に我慢を重ねた前半ロスタイム。ついに駒場にチャンスがやって来る。六甲のタッチキックミスを見逃さず粘り強い連続攻撃。ついに13番・内山竜輔がポスト真下に飛び込み、ゴールも決まって14-7で前半を折り返した。 強烈な風下に立った後半、六甲は最初の5分に集中力を発揮。8番・板垣が右中間にトライを上げ、逆襲を仕掛ける駒場にプレッシャーをかける。 六甲は1回戦の北海道バーバリアンズ戦で、反則を「19」も取られた反省から、局地戦でもしっかりと修正してきた。スクラムでもプレッシャーをかけ続け、FWでも近場で勝負し続けるなど、駒場に有効なキックを使わせない。 駒場も13番・内山の突破力、15番・斉藤の走力と個人技で再三ゲインラインを突破するが、もう一歩のところでのミスが目立った。それでも34分には15番・斉藤のトライ&ゴールで8点差まで迫ったが、最後は37分、六甲14番・内山がこの日2つ目のトライを上げて試合を決めた。 試合後のファンクションで、駒場・山崎純主将は「もっと攻めて展開しようと思ってましたが、六甲さんの経験とプレッシャーにやられてしまった。最後は(自分達の)気持ちが切れてしまった面もありました」とコメント。六甲・鎌田主将も「駒場さんは本当にウチの弱いところを果敢に攻めて来た。何度も激しいターンオーバーに苦戦しました。決勝に向けて本当にいい経験になった」と語り、マン・オブ・ザ・マッチには、六甲・内山、駒場・斉藤がそれぞれ選ばれ、互いの激闘を称えあった。 駒場WMM・水上茂コーチは「また(六甲14番)内山君に走られちゃったなあ」と苦笑しながらも、「年々、クラブチームのレベルが上がっていることを実感しました。激しいタックル、ブレイクダウンの攻防など非常にいい試合だったと思います」と振り返った。 2大会ぶりの決勝進出を決めた六甲ファイティングブル。 29日、秩父宮ラグビー場での決勝戦は、神奈川タマリバとの東西横綱対決となる。