明治大学 9-11 筑波大学 【2回戦/2011年12月25日(日) at 愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場】 散らついていた雪も止み突き刺すような冷たい風が吹く中、大学選手権ベスト4の座をかけ筑波のキックオフで開始された。風上が明治、風下が筑波であった。まず明治が流れをつかんだ。強力FWがスクラムやラインアウトで圧力をかける。筑波FWはたまらずペナルティを繰り返す。明治は敵陣ゴール前でペナルティを獲得するとSO染山茂範が確実にPGを決め3点を先取する。 一方、風下の筑波は自陣ゴール前からも積極的にBK展開する。WTB彦坂匡克がタッチライン際を力強く走り抜ける。左右に大きく展開し前進すると24分にはHO彦坂圭克がラインアウトから左隅にトライをあげ筑波が逆転する。その後しばらく硬直した展開になるが、風上の明治は2本のPGを追加し9-5と確実に点差を広げた。前半終了間際に筑波もPGを1本返し、前半終了して9-8と明治がリードした。 後半は明治のキックオフで開始された。風上の筑波は裏へのキックを効果的に活用しエリアマネジメントに徹し、常に明治陣でゲームを行うことを考えていた。筑波は何度もゴール前まで攻め込むがハンドリングエラーが多くトライが取れない。明治も低く鋭いタックルで突破を許さない。 後半25分に筑波がPGを成功させ9-11と逆転した。その後も風下の明治はなかなか自陣を脱することが出来ない。振り返ると後半に明治が筑波陣に入ったのは2-3回であった。それだけ筑波がエリアマネジメントにこだわり優位に試合を進めた。残り時間がわずかになり明治は自陣から展開し逆転トライを目指すが痛恨のペナルティをしてしまいノーサイドの笛が鳴る。筑波が接戦を制し、初の大学選手権ベスト4に進んだ。(植村元統・山下 岳) 明治大学の吉田監督(右)と溝口キャプテン 明治大学 ○吉田義人監督 「精一杯戦いました。前半トライされたのが全てです」 ○溝口裕哉キャプテン 「今までやってきた事が出せませんでした。筑波大学の方が上でした」 ──後半風下で自陣にくぎ付けで、敵陣に行けなかったことについてはどう考えていますか? ○吉田監督 「風が強かったので、ハイパントを使いました。センターの溝口、西村のタックル力と上背を生かしてボールをキープしたかったのですが、筑波大学の正確なキャッチにやられました。また、ワンパス通ればというところでミスが起き、ボールを継続できませんでした。大学選手権を勝ち抜くには、一つのミスに厳しくならなければいけないと思います」 筑波大学の古川監督(右)と中川ゲームキャプテン 筑波大学 ○古川拓生監督 「始めから攻める姿勢がみられました。トータルで気持ちが相手を上回りました」 ○中川克信ゲームキャプテン 「絶対に勝つという思い一つでやりきりました。絶対に勝つというこの思いで、ゲームに出ている15人だけではなく、全部員が一つの方向を向いています。キャプテンの村上がピッチに帰ってくるまで、勝ち続けるという思いです。BチームやCチームも自分たちの試合で体を張っていて、しっかりと送り出してくれました」 ──イージーなパスミスで攻めきれない場面もありましたが、評価はどうですか。 ○古川監督 「ボールを動かすということは11月から取り組んできました。まだ未完成ですが、大学選手権という大舞台でできたことは収穫です」 ──対抗戦ではできなかった敵陣でプレーするということについて、今日の試合はどうでしたか。 ○中川ゲームキャプテン 「対抗戦で出た課題がペナルティをなくすということでした。前半は多かったのですが、後半は意識して減らせることができました。それが勝因だと思います」