日本代表メンバー | 現地レポート‥‥1 | 現地レポート‥‥2 ■DAY29:2011年9月28日(水)オークランド ワールドカップNZ大会総括記者会見(左から、ジョン・カーワン ヘッドコーチ、矢部達三団長、太田治GM) カナダ戦から一夜明け、ラグビー日本代表はネイピアの地を発ち、午後オークランドへ空路にて移動しました。夕方5時から、チームホテル内でワールドカップNZ大会総括記者会見が行われました。 日本代表からは、矢部達三団長(日本ラグビーフットボール協会 専務理事)、太田治ゼネラルマネージャー、ジョン・カーワン ヘッドコーチが出席しました。 ◎矢部達三団長 「この4年間、(ワールドカップがはじまる前までは)日本ラグビーは1歩ずつ進歩していると思いました。しかし、世界の標準は高く、このワールドカップでは1勝もできず、日本国民の皆さんに申し訳なく思います。多くのミスも見られ、日本のラグビーは、2019年ワールドカップ自国開催成功に向けて、これから出直し、建て直しを図ります。日本代表がトップティア(上位国)と競え合えるように、この大会での課題をひとつ、ひとつ改善する努力をしたいと思います」 ◎太田治GM 「日本代表は、この4年間で成長しました。ワールドカップでは、結果勝つことはできませんでしたが、ランキング11位であるカナダ代表と引き分けたことは、レベルが同等であったということだと思います。カーワンHCには、まずは(ワールドカップを終えて)お疲れ様と言いたいです。この4年間代表チームを引き上げ、ジャパンスタイルを確立、上位チームとも競うことができ、世界に示すことができました。結果は残念ですが、トップチームの仲間入りに向け、レベルアップしていると実感しています。今後も代表強化に精進していきたいです」 ◎ジョン・カーワンHC ジョン・カーワン ヘッドコーチ 「カナダ戦は、十分に勝てる試合内容でした。過去4年間を振り返って、日本ラグビーは大きく成長しました。最善を尽くして、今年PNC(IRBパシフィック・ネーションズカップ)では初優勝しました。勝つことでチームも自信を持って戦うことを得ました。 残念ながら結果は伴いませんでしたが、ワールドカップを通して、ジャパンスタイルを示したことで、世界中のラグビー関係者から素晴らしいゲームであったと称賛の言葉をいただきました。 一方で、このレベルでの些細なミスは致命傷となります。フランス戦では、相手の隙をついてトライを狙いましたが、こだわりすぎた結果、プレッシャーのなかでの判断から持ち味が出し切れませんでした。トンガ戦では、ラックで負け、ターンオーバーの数、こちらの簡単なミスから相手にソフトトライを与えてしまいました。カナダ戦では、敵陣でもっとプレッシャーをかけ、追加点を加える必要がありました。 キックオフは、それほど悪くありませんでした。1対1の空中戦も競り合うことができました。立ち上がりは、問題を解決することができず、ジャパンの流れをつくることができず、相手にトライを許してしまう場面が多く見られました。重要な局面での判断(違った展開)が勝敗を分けたように思います。代表チームの成長とともに、期待値も高くなります。勝たなければならないというプレッシャーも大きかったように思います。 最後に、(この4年間) あたたかく応援していただいたファンの皆さん、報道関係者の皆さん、多くの取材をいただき、またたくさん報道していただきありがとうございました。最後に代表メンバーには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。我々が目指すやりたいラグビーを理解し、方向性を確立し、ジャパンスタイルを完成させてくれました。また選手の気持ちが試合にあらわれていたと思います。よくやってくれました。この代表チームを指揮できたことを嬉しく思います」 ■DAY28:2011年9月27日(火)ネーピア こんにちは。 目標の2勝は達成できませんでしたが、最後にジャックの日記を読んで、選手・スタッフ・家族・そしてファンの皆様の気持ちが一つになればいいなと思いながら書かせてもらいました。 今僕達が思っている事は、「目標の2勝ができず本当に申し訳ないです。」という気持ちと「僕達の戦う姿を見て下さった皆さんに、元気や勇気を届けられたのだろうか?」ということです。 結果からすれば、0勝3敗1引き分けと目標も達成できずに負け越してしまいました。 当然この結果に満足のいかないファンの方もおられると思います。 本当にすみませんでした。 ラグビーというスポーツで勝ち負けはもちろん大切な事です。 これはどんなスポーツにも言える事だと思います。 しかし(言い訳のようになりますが)ラグビーには、1つ1つのプレーで見ている人達に感動を伝えられるという素晴らしい魅力があります。 2勝という目標は達成できませんでしたが、僕達のプレーで感動して下さった方が1人でもいるのなら、僕達のもう一つの目標は達成できたのではないかなと思います。 このワールドカップを通して、ラグビーの魅力や世界の素晴らしさ、人のつながり、感謝の気持ちなど、他にも数えきれないくらいたくさんの事を学ばせてもらいました。 今回学んだ事を日本に持ち帰ってたくさんの人に伝えたいと思います。 僕達は、プレーヤーとしても人間としても大きく成長できたこのワールドカップを一生忘れる事はないでしょう。 胸を張って日本に帰り、日々精進して日本ラグビーのレベルアップのために頑張ると共に、次世代のキッズラガーマン達の育成、ラグビー人気の向上のために全力を尽くしたいと思います。 家族・友人・ファンの皆様へ 最後になりましたが、長い間応援していただき本当にありがとうございました。 皆様の応援は本当に僕達の力になりました。 2011年ワールドカップJKジャパンは解散してしまいますが、これからも選手一人一人、そして各チーム、そして次なる日本代表の応援をよろしくお願いします。 本当にありがとうございました。 P.S お父さん、お母さん、本当にありがとうございました。 ■DAY27:2011年9月26日(月)ネーピア ■DAY26:2011年9月25日(日)ネーピア 今日のネーピアは、晴れ。とても清々しい朝を迎えました。本日、NZ時間午前10時(日本時間午前6時*サマータイムのため、NZとの時差は-4時間)より、カナダ戦出場メンバー発表記者会見を行いました。日本代表チームより、太田ゼネラルマネージャー、ジョン・カーワン ヘッドコーチ、菊谷キャプテン、田中選手、堀江選手、遠藤選手が出席しました。冒頭、太田ゼネラルマネージャーより出場メンバーが発表された後、質疑応答および囲み取材を行いました。 ◎ジョン・カーワンヘッドコーチ 「ビッグゲームで、非常に楽しみにしています。カナダ戦出場メンバーは、けが人を考慮したベストな布陣です。カナダ代表も手強いチームのひとつ。80分間フィジカル面での競いあいとなりますが、完成されたジャパンスタイルで、今までやってきたひとつひとつを確実に遂行したいと思います」 ──藤田選手(先発出場予定)について 「藤田は、ワールドカップ期間中、成長している選手のひとりです。先発出場の藤田には特に、スクラムワークを期待しています。またリザーブ出場の畠山にはフィールドワークを期待しています。両選手とも、良いパフォーマンスのなかで、持ち味を出して欲しいです」 ──小野澤選手について 「ウィングは、小野澤、遠藤、宇薄3人が健全なポジション争いのなかで切磋琢磨しています。小野澤はアタックも良いですし、カバーもよくできています。リーダーシップもあり、若手選手に的確なアドバイスを伝え、チームの士気を高めてくれる存在です」 ◎菊谷 崇キャプテン 「4月からやってきた、このメンバーで戦う最後の試合となります。昨日の練習において、出場メンバー、ノンメンバーを含め、気持ちよく練習を終えることが出来ました。カナダ戦は、出場できない選手の分まで、One Team、チーム一丸となって勝利を勝ち取りたいです」 ◎田中 史朗選手 「気落ちしていても仕方がないので、上を向いてやることをしっかりやるだけです。最終戦(カナダ戦)では自分たちの持っている日本スタイルを貫くだけです」 ◎堀江 翔太選手 「80分間死ぬ気でやろうと思います」 ◎遠藤 幸佑選手 「ワールドカップ最後の試合となります。80分間自分の持っている全ての力を出し切りたいと思います」 ■DAY25:2011年9月24日(土)ネーピア 今日のネーピアは晴天でした。本格的なチーム練習は今日で最後となりました。チームホテルでしっかりゲームプランを確認後、練習会場であるネーピア・シティローバーズで約2時間を費やして、トンガ戦で課題となったラックドリルや激しいコンタクトの練習を行いました。その後、FW・BKに分かれたユニット練習では、ひとつひとつのセットプレーやサインプレーを確実に遂行していました。チーム全体のアタック・ディフェンスでは、参加選手全員が気合の入った鋭い動きを見せていました。 練習の最後には、選手、スタッフ全員が円陣を組んで、「4月から代表チームでやってきたことを全て出し切り、最後の試合は、胸を張って笑顔で締めくくりましょう」という菊谷選手の言葉で、最後のチーム練習を終えました。あらためて、チームがひとつになった瞬間でした。全ては勝利のために。 ■DAY23:2011年9月22日(木)ファンガレイ~ネーピア トンガ戦から一夜明けたラグビー日本代表は、午前中ファンガレイの地を発ち、空路チャーター便で、最終戦の地であるネーピアへ移動。空港には、地元の方々、日本人会の方々、留学生など空港の施設を埋め尽くすぐらいの人びとが集まり、代表チーム一行をあたたかく迎えいれてくれました。 地元女子高校生によるマオリ舞踊と歓迎の歌の後、チームを代表して、菊谷キャプテンがマオリ語であいさつ。その後、日本語で歓迎に対する御礼、そして、なによりネーピアの地で気持ちを引き締めて、残りの練習に集中し、悔いがない状態でゲームに挑みたい! と意気込みを語りました。最後に、堀江選手による三味線での演奏をリードに、チーム全員で「上を向いて歩こう」を合唱し、会場は大いに盛り上がりました。 その後、ホテルへ移動。プールリカバリーを行い、昨夜の試合の疲れを取るため、各自コンディションを整えていました。