平成22年10月9日~11日に行われた第11回九州ブロックジュニアラグビーフットボール大会(熊本・熊本市総合運動公園ラグビー場)と併催された九州地区ジュニアラグビーインストラクター研修会において、九州協会中学生委員会委員、各県中学生委員会委員長、ジュニアラグビーインストラクター、各県選抜チーム指導者約30名を対象に、「中学生指導者講習会」(10月10日14:30~17:00 KKウィングスタジアム会議室)が、開催されました。 中竹コーチングディレクター 現在、日本協会普及・競技力向上委員会コーチ部門と中学生部門では、U15世代選手の指導を行っている指導者に対し、「一貫指導」と「日本スタイル」を広く周知していくことを推進しており、今回の「中学生指導者講習会」もその一貫として開催されました。 中竹竜二日本協会コーチングディレクター(CD)が、講義を行いました。 はじめに、「良い指導者・良い選手・良い練習・良い試合とは?」について、受講者が話し合い、「いい」についてのイメージを出し合いました。中竹CDより、「いい指導のサイクル」について、下記のような説明がありました。 明確な目標に基づいた計画がある。 しっかりとした準備がある。 (練習メニューは、選手に公開する) (練習メニューと振り返りのための準備を行う) 様々な工夫がある。 適切な振り返りと改善 また、「日本ラグビーにおける中学生ラグビーの重要性」について、受講者で意見交換を行いました。「柔軟な年代なので、スキルを教えるのに適している」「3年間しかない」「能力のある選手の流出を防ぐ必要がある」「フルラグビーにつなげていく必要がある」「フォーマットをしていく時期(真っ白なところから、ラグビーというスポーツの土壌をつくる)」「筋力の発展時、知識を身につけやすい時期」などの意見が出ました。 中竹CDより、10~12歳は、ゴールデンエイジで、スポーツの持つ固有の技術を短時間で覚えられる時期、13~15歳は、「持久力」、「粘り強さ」を鍛えられる時期かつ、急に背が伸びることにより、心・体が不安定になるため、個別対応が必要となる時期であるとの指摘がありました。 また選手の育成は、「家造り」のイメージ(「広い土地に、大きく頑丈な家を建てる」)に似ている部分があり、中学生世代は、家造りのための「広い土地」を獲得する時期にあたるとの話がありました。 その後、「トップリーグから見た中学生ラグビー」、「日本スタイルと一貫指導体制の構築」、「日本ラグビーの強みと弱み」「日本スタイルの構築・日本スタイルの骨子」について話がありました。 ジョン・カーワン日本代表監督からの大学、高校ラグビーへの要望事項として、「ストレングス アンド コンディショニング」「メンタルの重要性」「タイトなゲーム機会の創出」「4Hの具体化」「指導者交流」が挙げられたこと、U20代表の元木監督からは、「真っ向勝負・逃げない」(前に出るDF、低いタックル、すばやいセービング)、「チームとしての自律・自主性・積極性の必要性」が挙げられたとの話がありました。 また、練習の効率化のための項目として、下記12項目が挙げられました。 目的の明確度 優先順位の明確度(MAX3) 時間の制約とコーチングゴールのバランス 選手の参加率 コーチの参加率 コーチの役割分担(ホスト、アシスト) 実践具合 選手のフィードバックの具体性 選手の成功率 選手の成長率 グッドイメージ・バッドイメージの明確化 選手の本気度合い その後、本講習会に先立ち受講者を対象に行った「指導者調査」の結果(PDF)も発表され、九州内だけでも各県の選抜チーム間で、練習内容の割合に違いがあることがわかりました。今後、練習内容の割合(スキル練習、ユニット練習、ウォームアップなど)については、各年代に適した割合を、提示していくことも検討されているとの説明がありました。 最後に、中竹CDより、「コーチは、自分ができなかったことを他人にやらせること⇒自分を越えていくこと⇒ラグビー経験値は無関係⇒チャレンジしていくことが大切」という話があり、受講者の方々を勇気づけていました。 受講者の皆さん