大学選手権・2回戦 マッチ&会見リポート(慶應義塾 33-24 法政)

慶応義塾大学 33-24 法政大学
【2回戦／2009年12月27日(日) at 東京・秩父宮ラグビー場】

慶應、法政に競り勝ち準決勝へ
晴天で迎えた2回戦。秩父宮での第一試合、慶應のキックオフで試合開始。
両チーム共に積極的な展開ラグビーで試合が進んだ。
前半6分、慶應が敵陣22m左ラインアウトより速攻で右オープン展開、13番落合の縦から、15番小林に繋ぎ慶應先制のトライ(10番ゴール成功 7-0)。12分には法政も2次攻撃のラックから速い球出しで左オープン展開し、15番渡辺が左隅にトライで同点(10番ゴール成功 7-7)。26分、慶應は敵陣22m左タッチ際へのハイパント、キックを受けた法政フルバックにウイング11番三木が好タックル、ボールを足で引っ掛け13番落合がトライ(ゴール成功 14-7)。36分にも法政ゴール前へのキックを前へのプレッシャーからフルバックのミスを誘い慶応11番三木がトライ(ゴール成功 21-7)。
このまま慶應ペースに持ち込まれるかと思いきや、この後のキックオフ、38分法政15番渡辺が慶應タックルを振り払うトライで法政も意地を見せ前半終了(21-14)。

後半に入ってからも双方積極的にオープン攻撃を展開、4分慶應は連続攻撃からゴール寸前のラックから9番の早い球出しに13番落合がサイドを突きトライ(26-14)。また9分には今度は法政が左ゴール前ラインアウトからモールを押し込んでのトライ、18分のペナルティーキックで追い上げる(26-24)。
この後、法政は連続攻撃を仕掛け、何度もゴール寸前まで攻め込むが、慶應はディフェンスに集中しゴールラインを死守する。

最後に試合を決定づけたのは、このゲームで活躍の目立った慶應11番の三木。28分にハーフウェイラインより素晴らしい走りを見せトライ、ゴールも成功し(33-24)法政の追い上げを引き離し、正月2日の国立競技場へ駒を進めた。
両チームともに各々の持ち味を出し、ボールの動かしも速く展開ラグビーの面白みを見せてくれた好ゲームだった。慶應はこの後、強力FWのチームとの対戦となるがチャレンジングな戦いぶりを期待したい。(高野 敬一郎)

	法政大学の駒井監督(右)と文字キャプテン

法政大学

○駒井孝行監督
「慶應さんと戦うにあたり、セットプレーとブレイクダウンを中心に、自分たちのやってきたことをしっかり出そうと準備してきました。前半、慶應さんはもっとキックをするかと思っていましたが、我々もミスが少しあったかと思います。今日は反則も多く、ロールアウェイの解釈も違っていましたが、全体的に選手は良くやったと思います。今日の試合に向けての、特に4年生の意思統一が素晴らしかったです」

──キックへの対応がうまくいかなかったが？
「キック攻撃への対策はしてきましたが、こういう大舞台であがってしまった部分があったかと思います。やはり慶應さんのプレッシャーが強かったのが大部分で、風の影響ではないです」

○文字隆也キャプテン
「もう、出し尽くしたので、後悔はありません。以上です」

──キックの調子は？
「別にコンディションのせいではなく、ほんのちょっとの違いのところで、緊張などはなかったのですが、まあ、人間なので良い時と悪い時があるということです。『頭は冷静に気持ちは熱く』を合言葉にしてきて、全員が前面にそれを出してくれたので、悔いはありません」

	慶應義塾大学の林監督(右)と松本キャプテン

慶應義塾大学

○林雅人監督
「若干、声が変わっていますが、戦況からこうなりました。強い法政さんに勝って次に進めるのが何よりで、嬉しく思っています」

──キックが思ったより少なかったが？
「対抗戦の終わりの2試合で、キックの使い方が良くなくて、少し自陣からボール持ってキックとランを使おうと練習してきました。それに付け加えると、もっと勇気を持って攻撃し、守れば良いと思っています。法政さんは展開の速いチームですので、ブレイクダウンにどれだけの人数を割こうか、二人でチャレンジして、若干オーバーラップされて前へ出られなければステイして、横に流れようとしました」

──試合を通じて、重要だと感じたトライは？
「ハイパントを上げて、キャッチされたところから、三木のタックルでボールを獲得し、そこから蹴ったのをチェイスしたトライです。ああいう、彼の前へ行く強さ‥‥三木って凄いですね！」

──けが人の状態は？
「竹本は多分戻ってこられるだろうと思います」

──準決勝へ向けて？
「とにかく、自分たちのラグビーをしつかりやることです。相手がどこでも、慶應のアタックを、良い状態で自信を持って回すことです。肉体的にも精神的にも準備していきたいと思います」

○松本大輝キャプテン
「国立に進めることができたことが凄く嬉しいです。ＦＷがいかれたこととキックオフのミスがなければ、もっと良い試合ができたと思いますので、次の試合に向けてしっかり準備していきたいと思います」

──法政の戦いぶりは？
「法政さんは早稲田さんよりボールを動かしてきました。もう少し敵陣でラグビーができれば良かったのですが、凄い法政さんの強みを感じました」

──キックオフの処理がもたついたが？
「メンバーが変わっても大丈夫なように練習してきましたが、観客の多い試合で前が取るのか後ろの選手が取るのかコールが聞こえず、トライに結びついてしまいました。文字君にも良いところにキックされました。試合を通して、しっかりキャッチしてポイントをつくれれば良かったと思います」