日本協会 普及育成委員会 二谷保夫
日時 平成21年9月19日(土)午後0時45分 開会
9月20日(日)午後1時 閉会
会場 日本青年館(東京・青山)
参加者 全国普及育成委員会委員長 47名

2016年夏季オリンピックにて新たに採用される種目の推薦が「7人制ラグビー」に決まり、また、2019年には日本でラグビーのワールドカップが開催されることが決定された。
今後、日本のラグビー界は大きく変貌していくことが予測され、ワールドカップ開催に向けて、あるいは、その後の日本ラグビーの方向性について早急に決定する必要がある。
このよう背景のもと、今回、全国普及育成委員会委員長研修会が開催された。

9月19日(土)──第1日目
和田副会長挨拶
和田副会長挨拶

冒頭、和田文男日本協会副会長から、オリンピックあるいはワールドカップに向けて、普及、育成がとても重要であり、このために日本協会としても各地域の支援を積極的に進めていく。各都道府県の普及育成委員会も協力願いたいとの挨拶があった。

(1) 研修 1 「日本ラグビーフットボール協会普及育成委員会 方向性と施策」
講師 武田守久 日本協会普及育成委員会委員長
日本協会として、普及育成の対象として幼児、小中学生に限定した一貫した指導体制の確立を図っていく。また、若年層、指導者へ3-SIDE(on side,no side,for the side)あるいは3-F(Fight,Fair Play,Friendship)の精神を継承していく、さらには、2009~2010年度の活動方針等の説明があった。

武田委員長挨拶開会式 武田氏講義
武田委員長挨拶開会式 武田氏講義
(2) 研修 2 「日本の将来を支える選手たちを正しく導くためにー若年者層の育成を題材にしてー」
上野氏講義

講師 上野裕一氏(日本協会 競技力向上委員会 委員長)

小原崇志氏(日本協会 競技力向上委員会コーチ部門 副部門長)
岩渕健輔氏(日本協会 ハイパフォーマンスマネジャー)
香川あかね氏(日本協会 普及育成担当事務局)
日本協会普及育成委員会では、2009-2010ミニラグビー競技規則の改定に伴い前文を大幅に改正しミニラグビーの理念を明文化した。前文では、ミニラグビーに求めるものは、子供たちがラグビーを楽しむことであり、ラグビーが好きになることである。さらには、ラグビーを通して健やかに成長することであり、ひいては、明日の社会を担う人材とし成長していくことであるとしている。この理念を実現するためには大人の(指導者、レフリー、保護者)役割は大きく、指導者等の望むべき姿について明記している。
この研修はこの前文の理念に沿った内容で構成されており、上野講師の講義を基に、受講者一人ひとりが考え、グループ討議、発表という形式で進められた。途中、香川氏(日本協会 普及育成担当事務局)による「イングランド協会の『普及育成』について」の報告や、岩渕氏(日本協会 ハイパフォーマンスマネジャー)による日本協会の「長期育成強化プログラム」についての講義をはさみながら行われた。
最後に、普及育成委員会委員長として、今後所属地域においてどのように普及育成活動を展開していくかとの課題が出され、グループ討議、発表をして終了した。
(3) 研修 3 トップリーグの試合(リコー対NEC)を秩父宮ラグビーで観戦
9月20日(日)──第2日目
(4) 研修 4 「ミニ・ジュニアラグビーにおける安全対策」
講師 山田睦雄氏(日本協会 安全対策委員会)
山田氏講義

具体的な事例を基に対処方法についての講義があり、事故発生時、退院後の対応等、指導者として留意すべきことの指導があった。特に、今日の地球環境、生活環境は指導者の幼・少年期の状況とは大きく異なっている。子供たちを指導する際には、この点を十分に配慮したうえで安全対策をすることが重要であるとの指摘があった。

(5) 研修 5 「タグラグビー普及プロジェクト解説」
講師 鈴木秀人(日本協会 普及育成委員会 学校指導部門長)
鈴木氏講義

鈴木講師からは、「プロジェクトについての共通理解形成」と「各県での今後の展開に向けてのお願い」の二つについての講義であった。
「プロジェクトについての共通理解形成」では、今までの取り組み、実績から今後の目標について、「各県での今後の展開に向けてのお願い」では、各県において教育現場への働きかけと県主催の研修会の早期実現についての要請があった。

(6) 事例報告(九州、関東、関西協会)
三原氏報告

九州協会 三原一樹(日本協会 普及育成委員会 タグラグビー九州エリア担当)

飯原氏報告

関東協会 飯原雅和(日本協会 普及育成委員会 総務部門長)

長手氏報告

関西協会 長手信行(日本協会 普及育成委員会 タグラグビー関西エリア担当)

三原、飯原、長手氏による各協会でのタグラグビーの取り組み及び実例紹介
(7) 各県現状報告と今後の展開
ワークショップ風景

三地域協会の報告を受けて、各グループ(6G)に分かれて、各地域におけるタグの取り組み状況と今後の展開について討議、発表

総括
1泊2日という短い期間での研修であったが、ミニラグビー、タグラグビー、安全対策と内容の濃い研修であった。
今回の研修の趣旨は、受講生が情報(知識)を得ることが目的ではなく、各自がそれぞれの所属協会に戻り、研修や情報交換で得た情報(知識)を基に普及育成委員長として具体的に行動(実行)してもらうための情報(知識)を提供することである。従って、今後、所属協会において受講者が中心となり、研修で得た知識を基に各自が創意工夫のうえ、研修で得た内容を実施することが重要である。このためには都道府県協会、三地域協会、日本協会が一体となって取り組むことが必要である。
これからは以前にも増して普及育成が重要となってくる。本研修に参加された受講者の活躍を期待するとともに、ラグビーの普及育成に尽力されることを願うものである。

武田委員長閉会挨拶
武田委員長閉会挨拶