報告者: |
大澤 美保(関東協会公認レフリー) |
開催日: |
2009年3月27日 |
開催会場: |
Hong Kong Football Club ( Cup Final のみ Hong Kong Stadium) |
参加レフリー
(順不同): |
女子
Michell Colgrave( AUS), Roberta Barnett(AUS), Rachel Boyland( Switzerland), Miho Osawa(JPN)
男子
Franzwa Roux (SA), Liu Hao(CHN), Leo Chuan (HK), Melvin Byres(HK), Harry Mason (Singapore), Amorn Sukangpong ( Thai), Tony Wong(HK), Wu Zhihong (CHN), Alex Zhang (HK), Russ Harding( HK),
Head Rf Manager : Carlson Lih |
参加国
および地域: |
中国、日本、香港、パプアニューギニー、タイ、オーストラリア、AGRFU、シンガポール、チュニジア、グアム |
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●総括
Cable&Wirelessがスポンサーとなって開催する女子セブンス大会としては歴史を持つ大会で、今年で11回目を迎える。今年は、Seven’s World Cup大会が開催された影響を受け、参加チームにも変化があっただけでなく、開催日がわずか「1日」というスケジュールの変更も余儀なくされた。
ここ数年、本大会は、香港スタジアムに近いSo Kon Po Recreation Ground(男子7‘s大会の練習グラウンドとしても使用)で開催されていたが、最初の開催地であるHong Kong Football Clubに会場を戻し、早朝8:00からCup Final18:42開始までの長丁場の1Day大会となった。
第1回World Cup Sevensで優勝を勝ち取ったオーストラリアの出場はあったが、New Zealand、USA、CANADAなど顔なじみの欧米の参加がなく、一方で、日本を含むHK、シンガポールなどのアジア圏チームが、次の各国代表チームを狙う若い世代層のチーム参加が目立つ大会にもなってきている。さらに、パプアニューギニア、チュニジア、グアム、と初参加のチーム参戦で新しいセブンス時代の波を感じさせる大会となった。結果としても、チュニジア4位、パプアニューギニア5位と、試合を重ねるごとに成長を見せた初参加チームの健闘が光った大会でもあった。近年台頭してきたカザフスタンは、来年開催される15人制女子World Cupへの初参戦に100%注力しているらしく、本大会への参加を見合わせている。
本大会は、「女子の大会」の色が濃く、スタッフもほとんどが女性。地元香港のラグビークラブからの協力により、ボールガールも全て女の子。レフリーも、過去には最多で6名ぐらい参加できた時期もあったが、参加国の変化に伴い、このところ女子レフリー参加が減少していることも見逃せない事実。World Cup Sevens女子のCup Finalを吹いたHKのガブリエル・リーは、男子Hong Kong Sevensに参加のため本大会に参加していないことも残念である。
参加した男子レフリーのほとんどが男子Hong Kong Sevens大会との兼任。男子大会は、27日午後からDay1が開催されたため、開催直前まで女子大会の協力をしていただいたことになる。プール予選の順位決定以降のFinalの5戦は、男子2名、女子4名のレフリーで担当を決定された。優勝候補であるAUSから2名のレフリーが参加していたこともあり、18:42開始Hong Kong Stadium での、World Cup優勝のオーストラリア対World Cupプレート優勝の中国、のCup Finalの担当がまい込み、貴重な経験をさせていただいた。
Hong Kong Football Clubからのバス移動中に雨で濡れたジャージに再び着替え、Stadiumの前に到着したのが、18:25。大渋滞の中、強引にレフリーだけスタジアム前での降車を許可してもらい、荷物検査を素通りで、地下通路を猛ダッシュ。コミュニケーション用とTV用のヘッドフォン装置を装着後、両チームのキャプテンと握手してトスして‥‥18:40には入場門スタンバイ。
幸い雨も上がっていたが、天然芝のピッチはかなり滑りやすく、日中の人工芝での試合とはかなり違う。ピッチに出る時間もなかったので、大きな誤算。もちろん、両チームとも思わぬところでのスリップで立ち上がりは一進一退。予選からシールディングとも見える際どいプレーが目立つ中国だったので、なんとかプリベントして笛を減らしたいと思っていたが、シールディングさせるスキもないほどの素早い捲り上げを見せたAUSの1対1の強さが笛を吹く暇も与えなかった。前半7対7。Finalに相応しいゲーム。
後半は、前半から際立ったAUSの強さと上手さが中国の若い選手をジワジワと圧倒し、24対7、AUSの勝利で14分の幕を閉じた。2007年大会で、初めてHong Kong StadiumにインゴールTJとしてピッチに立ってから2年。日本の女子レフリーとしては、初めての国際試合大会Cup Final担当の名誉だと推測します。これも、このところ続けてご配慮いただいた海外経験によるところが大きく、関係各位には深くお礼申し上げると共に、今後の国内ラグビー普及への何がしかのお役に立てれば幸いに思います。