関西代表が、大阪花園ラグビー場に九州代表を迎え、伝統の三地域対抗戦が今年も開催された。 曇り空のもと、九州代表のキックオフで試合が始まった。開始早々九州が関西ゴール前まで攻めるもノットリリース・ザ・ボールの反則、九州の意気込みを感じさせる滑り出しであった。スクラムは双方互角、ラインアウトは九州が有利な展開であったが、前半の9分にラインアウトの中心、堀田選手が負傷退場し、ラインアウトの核が抜けたのが今後どのように影響するか、興味が持たれた。前半は九州代表が良くボールを支配、展開し、13分、21分、33分と連続トライし、波に乗るように見えた。ところが、ここから関西が反撃、37分、40分と九州の反則からクイックで展開し、連続トライで後半へつないだ。(前半関西14-19九州) 後半に入って関西のメンバー変更が奏功し、開始5分でバックスの展開からトライを上げて同点、ゴールも決まって逆転した。15分にも後半出場のタプオシがタックルを振りほどいて力強いトライ、ゴールも決まって、28-19とした。後半に入って両チームとも足が止まりがちになったが、ノーサイド直前の40分に九州がモールから意地のトライ。あと4点と迫ったが、ここでノーサイド。両代表とも後半のフィットネスに課題を残したが、次回関東代表との試合につながる貴重な試合であった。 写真提供/長谷川昭男 関西代表 28-24 九州代表(2月18日) ◎九州代表 ○篠原太郎監督「個々の当たりが強い関西代表に対し、爆発するような当たりで対抗するよう指示した。前半の入りは良かったが、前半30分過ぎから2トライを献上し、リズムが狂った。次戦(vs関東代表)は今日の反省点を生かし、もっとアグレッシブに行きたい」 ○沼田一樹主将「前半の最初はいいラグビーができたが、個々のスタミナ不足から、後半は思うようにフィットネスが続かなかった。関東代表戦は"いいラグビー"を継続できるようにしたい」 ――HO蔵(憲治)がいい動きだったが、篠原監督の印象は? ○篠原監督 「良くリーダーシップを発揮してくれたと思う。ボール獲得の戦陣を切って、積極的に動いていた」 ――九州ラグビー界は、最近活気づいていると感じるが。 ○篠原監督 「今回の代表は、昨日集まったばかりだが、皆、個々のポテンシャルは優れている。関東・関西のレベルの高いプレーヤーとこうしたゲームを体感することで、さらにレベルが上がっていくと確信している。今日は日本選手権の前座ゲームという格好だが、本来は日本代表のレベルアップを図るものであり、協会へは分相当の取扱をお願いしたい」 ――今大会(三地域対抗)のモチベーションをいかに持っていくのか。 ○篠原監督 「本来は日本代表への第一ステップ(選考試合)のはずだが、日本代表スコッドは既に発表されている」 ○沼田主将 「ゲーム前、誰が観ているか判らないのだから、自分たちの持てる力を発揮しようと確認した。高いモチベーションを保っていたと思う」 ◎関西代表 ○中田章浩監督 「2日間の練習しかなかったが、しっかりコミュニケーションをとってくれた。今日は開始直後にバタバタしたが、最後は良く繋がったと思う」 ○高森雅和主将「個人的には出来が悪かったが、雨天にもかかわらず足を運んで、応援してくださったファンの方々に感謝する。日本選手権の前座ゲームとはいえ、有料ゲームでもあり、"ぬるい"プレーはしないよう確認しあった。関東代表戦へ向けてさらに熟成したプレーをお観せしたい」 ――(高森主将に)本来はこの後のゲーム(日本選手権準決勝)に出るべきプレーヤーと思うが、モチベーションは保てたか? ○高森主将 「今日も、朝から子供たちが我々の横で、一所懸命ラグビーをプレーし、サントリーやトヨタの控え選手が熱心に指導している姿をみると、いい加減なプレーはできないと気を引き締めた。個々には、一月前にシーズンを終えた者もいれば、近鉄やホンダのように、先週までゲームが続いた者もあり、コンディション調整も難しいが」 ――高森主将自身は、いかに調整したか? ○高森主将 「オフの期間、ウェイトトレーニングと走り込みに終始している。チーム(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)に拘束されない分、自覚を持って一懸命練習している」