5月29日(土) TOSHIBAスーパーパワーズカップ2004決勝戦が、いよいよ明日に迫りました。本日の日本代表は、秩父宮ラグビー場で最終調整を行いました。 萩本監督が「ロシア戦で見せたディフェンスは、最低限必要な事。カナダ戦はより低いタックルを見せて欲しい」と語るように、ディフェンスの確認に時間を費やしました。その後、ラインの確認・ラインアウトの確認を行い終了しました。 選手全員が自信に満ち溢れ、戦う準備は万全です。箕内キャプテンを中心にチームとしてまとまりを見せる萩本ジャパン。 99年パシフィックリム以来の国際大会優勝を目指し、明日カナダ代表と対戦します。是非、秩父宮ラグビー場に足をお運びいただき、歓喜の瞬間を共に味わいましょう。2004年5月30日14:00キックオフ! ◎萩本監督 「箕内キャプテンが言うように勝ちにこだわりたい。ロシア戦を経て、FWのフォロー、追い上げが見えて来たのでディフェンスに加えて精度を上げていきたい。ディフェンスに関しては、ロシア戦が最低限やならくてはならない事。カナダは若いチームなので、低いディフェンスで混乱させ、チームの攻め方に迷いを生じさせたい。 とにかく、取れる点は積み重ねていく。何度も言うようだが、勝ちにこだわりたい」 ◎箕内キャプテン 「ロシア戦以上のパフォーマンスを発揮し、優勝を勝ち取りたい。 初先発の森田に関しては、彼の長所を生かせるように、出ているメンバーが足りない部分をサポートして行ければいい。思い切ったプレーをして欲しい。 カナダチームのラインアウトは、高いので一番高いところで勝負するのではなく、谷の部分(ずれ)を見つけていきたい。 短い期間で選手個々のパフォーマンスは100%にはならないが、自分達がやることはわかっていると思うので、ベストを尽くして欲しい」 (2004.5.29) 明日の攻守の鍵を握るHB団(池田・森田)、そして見守る萩本監督 ディフェンスの確認をする日本代表 リラックスした表情で決勝戦を迎える箕内キャプテンと大畑バイスキャプテン 会見に臨む萩本監督(左)と箕内キャプテン 5月28日(金) 27日のロシア戦で、低く激しいタックルをし続け、初勝利を手にした萩本ジャパン。 一夜明けた28日、午前中試合に出場した選手は昨日の疲れを癒すためのプールリカバリー、それ以外の選手はウェイトトレーニングを行いました。午後は、フリー。各々、つかの間の休息となりました。 また、28日午後には、30日に行われる決勝戦 対カナダ代表戦のメンバーが発表。ロシア戦のメンバーを軸に選出されましたが、SOに初キャップ・森田選手が名を連ねました。夜のミーティングは、前日の反省やカナダ戦への対策などを中心になされました。中2日という厳しい日程ですが選手達の視線は、次を見据えています。29日、秩父宮で最後の調整を行い、決勝戦に臨みます。 カナダ戦まで後2日。TOSHIBAスーパーパワーズカップ2004優勝まで後1勝! ◎萩本監督 「選手選考に関しては、昨日のロシア戦を主体に考えています。ただし、勝ったということで思い切って選手を使いたいと思い、森田選手を起用しました。森田選手の起用に関しては、ややDFに難はあるものの、それ以外のアタックの部分(ゲームを作り出す動き、キックの飛距離)に関して高い能力(センス)がある。高い位置でのラインを動かす能力に関しては、伊藤(宏)のほうが上だが、カナダのように前に出てくるDFをしてくるようなチームには、森田のような深く立って仕掛けるプレーが生きてくるかもしれない。彼の成長のためにもどこかで使わなくてはならないし、この試合で精神的なものを引き出せられる。とにかく、彼を信頼している。 カナダチームに関しては、オーソドックスなパワーラグビーをするチーム。DFに関しては、きちんと揃って前に出てくる。統率が取れている。我々は、昨日のようなDFをし続け、欲を言えばさらに下に突き刺さっていきたいと思う。相手が嫌がるタックルをし続けることで、若いカナダのゲームプランが変わってくる。やはり、DFから崩していきたい」 ◎森田選手 「メンバーに選ばれてかなり嬉しいです。自分の課題であるDFも下に行くのを心掛けていければ、やれると思う。ただ、試合でできなければ意味がないので、しっかりやっていきたい。自分の良い部分を生かしたい。(ロシア戦をみる限りでは日本は)自陣にいる時間が長いので、自分の持ち味であるキックを使って敵陣にいる時間が長くなるようゲームを組み立てていきたいと思います。不安というより、楽しみです」 (2004.5.29) 初キャップとなる森田選手(右) 5月25日(火) 様々なシチュエーションを想定した練習が行われた 5日目を迎えた日本代表スコッド合宿。前日までのぐずぐずとした天気から一転、目の覚めるような好天に恵まれました。 前日までの激しい練習もあり、午前中を休養にあてた日本代表。昼食は、リフレッシュのため、そしてよりチームとしてまとまるために選手・スタッフ全員で外食を取りました。 辰巳の森海浜公園ラグビー練習場での練習もこの日が最後となりました。練習前には、ロシア戦のメンバーも発表され、選手達のモチベーションも上がってきました。練習では、セットプレーや試合を想定した地域・シチュエーションでのプレーを確認しました。練習終了後も選手各々が個人練習を繰り返す等、調整に余念がありません。 選手たちの集中力も増し、ロシア戦に向け臨戦体制に入りました。いよいよ後2日。 ◎萩本監督 「DFに関して、前に出られる、タックルに入れるメンバーを選出した。アタックに関しては、最初の10分で前に押し上げれれば、JAPANに流れを引き寄せられる。 ロシア代表ということで、LOにボリュームが欲しい所ではあるが、"重み"だけを考えると横の幅の動きが制限されてしまう。大野選手の起用に関しては、まだまだ荒削りだが、高い運動能力を評価した。将来を考えてこう言った試合で経験を積ませることも必要」 (2004.5.26) 辰巳で最後の練習を行う日本代表 低いスクラムがセットプレーの安定を生む ラインアウトの練習を繰り返すFW陣 5月24日(月) 4日目を迎えた日本代表スコッド合宿。この日は、会場をサントリーサンゴリアスのグラウンド「サントリー府中スポーツセンター」に移し、サントリーサンゴリアスとの合同練習を実施しました。 練習前には、時雨のような強い雨が降り出し、雨に打たれながらの練習開始となりました。ウォーミングアップの後は吹田フィットネス&コンディショニングコーチによるフィットネストレーニング。タックルフィットネス、コンタクトフィットネスを実施しました。連日厳しい練習を続ける日本代表ですが、チーム間のコミュニケーションも良くなり、きつい中でも良く声が出るようになってきました。 続く、サントリーサンゴリアスとの合同練習では、試合を想定した地域・シチュエーションでのアタック・ディフェンスとなりました。タックルの場面やラインアウト、ボールの争奪のところでせめぎ合う激しい攻防となりました。 合宿初日以来、ディフェンスに重点をおいて取り組んで来た日本代表チームは、前へのプレッシャーをかけ続け成果を見せました。FWのポイントへのアプローチもだいぶ選手達に浸透してきたようです。 いよいよ、メンバー発表。ロシア代表戦まで残り3日。 ◎萩本監督 「ロシア戦まで残りわずかとなってきたが、ここに来て今まで取り組んできたことができてきた。タックルも下に入れるようになってきたし、前に出られるようにもなってきた。キックオフからあのDFをして行きたい。 アタック面に関しては、FWがポイントに行っているが行き過ぎている感じ。ただ、今までできていなかったことなので、癖をつける為にも多少人数がかかってもボール争奪のところで仕事をして欲しい。これができてくると走りながら自分が必要なところが判断できるようになり、スピード感が出てくる。 徐々に仕上がってきているので、最後の調整をして行きたい」 (2004.5.25) アタックディフェンスの前にはフィットネスを行った サントリーとのアタックディフェンス 試合を想定した激しい攻防となった 5月23日(日) 3日目を迎えた日本代表スコッド合宿。昨日ほどでは無いものの、相変わらずどんよりとした天候の中での練習となりました。この日の練習も、一昨日、昨日に引き続き厳しいものとなりました。やはり、意識するのは、ディフェンスとボディーコントロール。日本代表が世界と戦っていくためには避けては通れない道です。選手達が言うように徐々に一つのチームとして固まりつつある日本代表。練習での遠慮も無くなり、いっそう激しい練習が繰り返されました。 午後に行われた前日同様3対2のタックル練習では、大原サポートコーチの元、「低いタックル」「タックルに入ったら倒しきる」ということをターゲットに取り組みました。元木選手が「きつい事をやっているとチームに愛着が湧いてくる」と言うように選手同士のコミュニケーションに不安はなくなりました。 「しんどい練習は今日で最後、明日サントリーとの合同練習をはさみ、試合に向け調整していきます」と萩本監督。ロシア代表戦まで残り4日。 また、本日新たに宮本安正選手(三洋電機ワイルドナイツ)が加わりました。宮本選手は、日本A代表としてNZ遠征にも参加しました。 ◎この日合流した宮本選手 「日本代表合宿への参加は、本当に嬉しい。海外で合宿をしたということもあるかもしれないが、日本A代表の雰囲気と日本代表の雰囲気はだいぶ違う。この機会を無駄にせず、自分のプレーを心掛けてアピールしていきたい。馴染みは薄いですが、頑張ります」 (2004.5.23) 連日フルコンタクトの激しい練習が続く 低く、必ず倒すタックルで世界に挑む 選手達を見守るコーチ陣 この日合流した宮本選手(右)と同チームの山本貢選手 5月22日(土) 「TOSHIBAスーパーパワーズカップ2004」に向けた日本代表スコッド合宿の2日目を迎えました。今日は、小雨降るあいにくの天候となりました。雨の影響で気温も低く、肌寒さを感じる中でしたが、骨軋む激しい練習が行われました。 午前の練習では、ウォーミングアップの後にコンビネーションでライン攻撃の確認を。そして、その後は、BKはサインプレーの確認、FWは一対一のタックル練習が行われました。午後は、タックルとボディーコントロールを意識した練習に終始しました。タックルでは、常にゴールラインを守り、前に出て仕留める低いタックル、ダブルタックルを意識するものと、ライン攻撃の中でのディフェンス練習と続けざまに行われました。箕内キャプテンや元木選手の低く、激しいタックルが、チーム全体に行き渡り、骨惜しみしない世界を意識した練習となりました。 徐々に、日本代表も一つのチームとして固まりつつあり、向山選手は、「選手同士の遠慮も無くなり、チームの雰囲気は良くなってきました」と語ります。また、本日からフェリティリキ・マウ選手が加わり、いい刺激になっています。明日、対戦国が来日。ロシア代表戦まで残り5日。 ◎萩本監督 「きつい練習を続けていることで選手に疲れが出てきてはいると思うが、タックルやボディーコントロールに関しては、ラグビーをやる上で避けては通れない道。試合ではやらなければならない時が必ず来る。練習を重ねる中で段々と低いタックルができてきているので、しっかり意識付けて行きたい」 ◎本日から参加しているマウ選手 「日本代表合宿への参加の話を聞いたときには、本当に嬉しかった。移動の疲れはあるが、しっかりとアピールしていきたい。チームに貢献できるよう頑張りますので、楽しみにしていてください」 (2004.5.22) コンビネーションチェックも入念に行われた 骨の軋むような激しいタックル練習が繰り返された 22日から合流したフェリティリキ・マウ選手 サポートコーチとして参加した大原コーチ 5月21日(金) 「TOSHIBAスーパーパワーズカップ2004」に向けた日本代表スコッド合宿が、辰巳の森海浜公園ラグビー練習場で21日よりスタートしました。日韓戦終了後の萩本監督から出た「次の合宿はしんどい思いをしてもらう」とのコメント通り、初日から厳しいメニューとなりました。 この日のメニューは、フィットネス→コンタクト→フィットネスという流れ。中でも、コンタクト練習を挟んで繰り返されたフィットネストレーニングは選手たちにとって非常に厳しかった様子。グラウンドには、タイムを計る桜庭コーチと吹田フィットネス&コンディショニングコーチの声が響き渡りました。このトレーニングで気を吐いていたのは、この日FW組で参加した大野選手(東芝府中ブレイブルーパス)、BKでは池田選手(三洋電機ワイルドナイツ)です。両者とも苦しそうな表情を見せながらも常に設定タイムを上回る記録で走りきりました。 フィットネスの間には、休む間もなくコンタクトトレーニングが行われ、日韓戦での課題として挙げられたボディーコントロールやコンタクトの際のポジションニング等、激しく、時にはむやみにボールを落としたり、課題ができてない場合は繰り返し行われるなど、非常に熱のこもったものとなりました。 また、今回の合宿から箕内拓郎キャプテンが合流しました。「フィットネス的にはまだまだ」と言いながらも、存在感は抜群。チームに、新たな風を吹き込みました。闘将が戻った日本代表の次のターゲットはロシア代表です。 ◎萩本監督 「この合宿はDFにポイントをおいて取り組みます。今回対戦する相手には、しっかりとしたDFとボディコントロールが重要。コンタクトの際も、行ったきりではなく、コントロールできる所で我慢するのが大切なこと。この期間でしっかり準備して行きたい。 (箕内キャプテンが合流した事について)今回、箕内が入ったことでチームに一本芯が通ったと思う。存在感を示してくれた」 ◎箕内キャプテン 「(自分自身の体調について)100%ではないが、徐々に作っていきたい。チームに関しては、まず一つになることが大切。しっかりとしたコミュニケーションを取っていきたい。今回の試合に関しては、コンタクトプレーの所が非常に大切になる。日本人相手では通用しているプレーが通用しなくなるので、世界を意識して練習をしていきたいと思う」 練習前の選手たち 厳しい表情で選手たちに指示する萩本監督 初日はきついフィットネストレーニングが行われた(左から向山、伊藤宏明、元木) 萩本監督も絶大な信頼を置く箕内キャプテン