大学ベスト4を懸け、秩父宮で早大v東海大 江戸川陸上では筑波大v明大、流経大v慶大 27日、第51回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会セカンドステージ第3戦、計8試合が行われる。 すでに、6連覇を目指す帝京大学(プールA=関東対抗戦A1位)の同ファイナルステージ準決勝進出が決定。 4強入りへ残り3枠をめぐる最終決戦の結果はどうなるのか。熱き戦いが繰り広げられることになる。 text by Kenji Demura まずは、第2戦終了時点での各プールの順位および各チームの勝ち点を整理しておこう。 <プールA> 1. 帝京大学(15) 2. 法政大学(8) 3. 天理大学(6) 4. 朝日大学(0) <プールB> 1. 流通経済大学(14) 2. 慶応義塾大学(12) 3. 京都産業大学(2) 4. 中央大学(0) <プールC> 1. 筑波大学(12) 2. 明治大学(12) 3. 関西学院大学(3) 4. 大東文化大学(2) <プールD> 1. 東海大学(14) 2. 早稲田大学(13) 3. 同志社大学(2) 4. 立命館大学(0) ()内は勝ち点 プールA以外はいずれも1位と2位のチームがここまで2連勝。 それぞれ関東勢同士の直接対決でベスト4を争うことになる。 慶大としてはU20代表経験も持つPR吉田貴を中心としたスクラムでボールキープできるかもポイントになる photo by RJP Kenji Demura 流通経済大学─慶應義塾大学(14:00 江戸川陸上競技場=プールB) 関東リーグ戦1部で2連覇を果たした流通経済大と関東対抗戦A2位の慶應義塾大との対戦。 共に前に出るタックルが特徴の好守のチームだが、大学選手権に入ってからの2試合で1トライずつしか奪われていない流通経済大に対して、慶應義塾大は前節の京都産業大戦で3トライを献上するなど、ややディフェンス面で不安を見せた。 それでも、流通経済大の内山達二GM兼監督は「慶應さんは魂のタックルのチーム」と、タイガー軍団伝統の激しい守りを警戒する。 強固なセットプレーも流通経済大の安定した戦いぶりのベースになっていることもあり、「セットプレーでの課題が残った」(FL木原健裕キャプテン)という慶應義塾大がスクラム、ラインアウトで互角に戦えるかもポイントになりそうだ。 慶應義塾大が勝てば2年連続、流通経済大が勝てば史上初の準決勝進出となる。 大学選手権に入ってから苦しい戦いが続く明大。丹羽監督は筑波大戦に向けて「BKを作り直す」 photo by RJP Kenji Demura 明治大学─筑波大学(12:00 江戸川陸上競技場=プールC) 関東対抗戦Aグループ同士の対戦。 同3位の明治大は4年ぶり、同5位の筑波大は4年連続の大学ベスト4をかけての直接対決となる。 早大BK陣に翻弄された早明戦以降、戦い方が安定しない明治大。前節の大東文化大戦でも、5トライを奪われる拙守ぶりで紫紺ファンをヒヤヒヤさせた(41─29)。 「(大東文化大戦では)BKがことごとくミス。明治のBKとしてもう一度作り直したい」丹羽政彦監督は、主にBK陣の修正をポイントに挙げる。 一方の筑波大は第2戦では関西王者の関西学院大から9トライを奪う圧勝ぶり(60─12)。 「接点でしっかりしていたし、ディフェンスも締まっていた。アタックでも精度の高いプレーをしてくれた」と、古川拓生監督も認める好調ぶりを維持して大一番に臨む。 司令塔SO田村煕が3試合ぶりに復帰する明治大に対して、筑波大はシーズン後半復帰していた大黒柱SO山沢拓也が再びメンバーから外れた影響がどう出るか。日本代表WTB福岡堅樹は先発出場する。 今季の関東対抗戦Aグループでは41─21で明治大が快勝しているが、3ヶ月以上前の対戦であり、あまり参考にならないかもしれない。 3年連続4強を目指す早大にとっては同大戦を欠場したCTB小倉のゲームメイクぶりも注目される photo by RJP Kenji Demura 早稲田大学─東海大学(11:40 東京・秩父宮ラグビー場=プールD) 3年連続のベスト4を目指す早稲田大は第2戦で同志社大に追いつめられた。 後半38分に飛び出した同志社大FL田淵慎理のトライで1点差に追い上げられ、直後のゴールが決まれば逆転負けに直面する苦しい展開となったが、辛うじて18─17で逃げ切った。 「セットプレーが不安定。不用意なペナルティーが多い」 後藤禎和監督は苦戦の原因をそんなふうに分析。強力セットプレーを誇る東海大に対して、FW陣がしっかり抵抗できるかが一番の修正ポイントになりそうだ。 同志社大戦を欠場した司令塔・小倉順平副将はCTBとして復帰。早明戦で見せたような、一歩後ろからのゲームメイクで東海大ディフェンス翻弄を狙う。 東海大としては、自信を持つスクラムやモールで優位に立ち、自分たちのペースで試合を進めたいところ。 「FWのプレッシャーとBKの前に出る部分が少し出てきた」 木村季由監督もシーズン終盤に入ってのチームの成長には手応えを感じている様子。大学選手権に入り、2トライしか取られていない好守を早大相手にも続けられるかもポイントになる。 大学選手権に入り安定した戦いぶりを見せる東海大。強力FW陣が早大にプレッシャーをかけたい photo by RJP Kenji Demura 尚、ベスト4入りがかかる直接対決以外の対戦は以下のとおり。 それぞれ1年間の総決算として見逃せない戦いとなる。 帝京大学─法政大学(14:00 東京・秩父宮=グループA) 天理大学─朝日大学(12:00 愛知・瑞穂=グループA) 同志社大学─立命館大学(14:00 愛知・瑞穂=グループD) 京都産業大学─中央大学(12:00 大阪・金鳥スタ=グループB) 関西学院大学─大東文化大学(14:00 大阪・金鳥スタ=グループC)