■準決勝(1月12日)

タマリバクラブ 29-8 北海道バーバリアンズラグビーフットボールクラブ

第16回 全国クラブラグビーフットボール大会 第16回 全国クラブラグビーフットボール大会 第16回 全国クラブラグビーフットボール大会

一昨年の全国大会決勝と同じ顔合わせとなったクラブラグビー界宿命のライバル。関西の雄 六甲クラブを下して勝ち上がってきた北海道バーバリアンズと現在のクラブ界をリードするタマリバクラブの戦いはタマリバのキックオフで始まった。

序盤の流れをつかんだのはバーバリアンズ。ファーストスクラムよりPRマンガンのプレッシャーで優位に進める。さらに、密集戦でもFLマクドナルドが持ち前の執拗な絡みを見せ、ターンオーバーを連発。タマリバゴール前に迫り、フェイズを重ねるが、タマリバも懸命のディフェンスでゴールラインだけは譲らない。

お互い細かなミスもあり、決定的なゲインを奪えずに膠着状態に陥っていたが、前半25分、ラックからのこぼれた球をタマリバLO北瀬が果敢にセービングし、ターンオーバー。そこからPR石川が抜け出し、ポール左側にトライ。(7-0)

バーバリアンズも体格を活かした密集プレイの重圧で攻め込み、29分SO笹田が正面左のペナルティゴールを成功させ、7-3と点差を詰める。その後もバーバリアンズのリズムで試合は継続。前半終了前にはタマリバ陣内22mの内側でFKを得てスクラム選択、右に展開しWTB福山がライン際を疾走、ゴール前に迫るも届かず追加点を重ねられない。
逆に前半終了直前、タマリバが22m中央のラックより、右に展開し、WTB中村が右隅にトライ。難しい角度を本日のキッカーSH石橋が決め、前半を14-3で折り返す。

後半立ち上がり2分、タッチキックで深くバーバリアンズ陣内に攻め込んだタマリバはキックカウンターより若きトライゲッターWTB大松が3人かわし、トライ。(19-3)
後半早々先手を取ったものの、その後はバーバリアンズのじっくりとした攻守に巻き込まれ、タマリバは攻めきれず、試合はスローペースに。
25分バーバリアンズゴール前ラックよりタマリバSH首藤が判断よく走りこんだFB飛野にショートパス。飛野はタックルをひきずりながら右側に倒れこみトライをあげ、得点差を広げる。(24-3)

流れを変えたいバーバリアンズ。力のあるSO笹田のキックで反撃に転じ、タマリバ陣内に攻め込み、得たペナルティからはSH北村が素早い速攻をしかける。31分、G前スクラムでタマリバがアーリーエンゲージのFK。バーバリアンズNO.8佐伯が素早いタップキックより飛び込み、一矢を報いるも、反撃すでに遅く。

終了間際にもSO笹田のビッグゲインから反撃を試みるが、最後には逆にタマリバBKラインの展開から右に切り返したラインに残っていたLO桑江-NO.8棚橋にまわり、右隅に飛び込んでノーサイドとなった。(29-8)

前田レフリーより指摘のあった通り、相互にペナルティの多い試合であったことは両軍ともに今後の課題としたいが、好敵手同士、プライドのぶつかりあった熱いゲームが繰り広げられた。
タマリバは日本選手権へのチケットをかけて、2/1に秩父宮で今季三度、駒場WMMと戦うこととなる。(萬井 淳)

駒場WMM 25-5 三鷹オールカマーズ

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1月12日(月)熊谷ラグビー場Aグラウンドにて、第16回全国クラブラグビー大会準決勝が行われた。対戦カードは駒場WMM(駒場)vs 三鷹オールカマーズ(三鷹)。関東代表、東京都同士の戦いとなった。
同カードは、東日本トップクラブリーグにて11月3日に直接対決をしており、その時の結果は接戦の末に20-23で三鷹が勝利を納めている。両チームとも前日僅差の勝利で、準決勝に勝ち上がってきた。

三鷹のキックオフで、試合開始。
ボール保持割合は五分五分であるものの、駒場陣での戦いが繰り広げられた。前半19分、今一歩攻めきれなかった三鷹がLOよりラックをつくり、SH皆良田勝からSO堀川達郎→WTB南館寿憲へと左に大きくパスを回す。そのままWTB南館寿憲がゴール左端にトライをし、三鷹が先制点を取った。しかしその後、駒場の執拗なディフェンスの前に、三鷹はなかなかトライを続けることができない。
前半31分、駒場のスクラムよりNO8岡本夏樹がボールを持ち出しLO大塚昴につなぐと、LO大塚昴がそのまま力強くゴール左端にトライ。
ようやく駒場に点が入り、5-5の同点となった。
依然として駒場陣での試合が続く中、ハーフェイライン上での三鷹スクラムより駒場がボールを奪うと、駒場のバックスが右に大きく素早く展開した。

グラウンド右でラックができた後、SH佐藤光将→SO森山秀一→WTB林周一郎→CTB真鍋祐嗣→CTB堂原穣治と今度は左に大きく展開し、CTB堂原穣治が回り込んでゴール中央にトライ。WTB林周一郎がGKを決め、12-5となったところで、前半が終了した。

雪が降りそうな曇天の中、迎えた後半。
開始早々、駒場のCTB林周一郎がPGを決めた。後半は駒場がグラウンドを広く使い、攻める場面が多く見られた。17分には駒場のモールからNO8岡本夏樹がボールを持ち出しWTB林周一郎に渡すと、そこからパスをもらったFL山崎真二郎がゴール右端にトライ。続けて27分、駒場陣での三鷹LOを駒場のHO酒井歩がキャッチ。バックスにボールが渡ると素早く左に展開し、三鷹陣10m付近でWTB亀岡信二にパスが渡る。亀岡はそのまま独走しトライ。点差は25-5と広がった。

このまま黙って試合終了を迎える三鷹ではないが、駒場の執念のディフェンスにより、とうとうゴールを割ることはできなかった。結果、25-5にて駒場の勝利。駒場が2月1日に行われる秩父宮での決勝戦に駒を進めることとなった。(馬屋原 由紀)

尚、この試合のマン・オブ・ザ・マッチには、以下の2名が選ばれた。
駒場:PR鈴木靖人
三鷹:SH皆良田勝

 

■一回戦(1月11日)

タマリバクラブ 50-0 不滅のウルトラマン・ラグビーフットボール・クラブ

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赤城おろしの吹き付ける快晴の熊谷、大会六連覇を目指すタマリバと21世紀枠で全国へとコマを進めてきた不滅のウルトラマンクラブがぶつかった。

出足はがっちりイーブン。ウルトラマンクラブは立ち上がりの悪いタマリバ陣へ攻め込み、ゴール前でペナルティを獲得。FWでの攻撃を選択するが、取りきれず。

自陣で守勢に回っていたタマリバだがスクラムからWTB高木が大きくゲインして出来たウルトラマン陣22mのラックよりSO竹山-CTB羽田とまわして中央にトライ。ゴールも成功して7-0と先制する。

ウルトラマンクラブはセットプレーを確実に制し、出足のよいFW3列のディフェンスで前に出続ける。タマリバは先制トライを取ったものの、その後も自陣での勝負を強いられることとなる。

試合が再度動いたのは26分。ウルトラマンFB伊藤のキックをキャッチしてタマリバのカウンター攻撃、中央ラックより左に展開しCTB高村からのパスは乱れたもののWTB高木が上手くキャッチ。10mラインより3人をかわし、最後はタックルを受けながら体を伸ばしてトライ。(12-0)
33分にはウルトラマンゴール前右側で出来たラックから、タマリバSH鈴木からHO中村、LO鎌倉と細かくつなぎトライ。17-0と点差を広げに入る。
37分にはウルトラマンのカウンター攻撃から出来た中央付近でのラックをタマリバがターンオーバー。PR石川からのパスを受けたCTB羽田が40mを走り切りポスト真下にトライ。試合の方向性を決定づける。(24-0)

前半のロスタイムでウルトラマンは再度タマリバゴール前まで迫る。試合を通して熟練の動きを見せていたSO竹尾からのキックパスなど多様な攻撃を見せるが、タマリバゴールラインを陥れることができないままハーフタイムを迎える。

後半、風上にまわったウルトラマンはキックを多用し、流れを変えようと試みるが、タマリバはSH鈴木にかわったSH首藤がBKラインのテンポを上げる。
4分に3本目のトライをCTB羽田がポスト下にトライをあげれば、16分にはWTB高木が自陣10mより独走。2本目のトライをあげ、試合を決定する。 (G成功 38-0)

ウルトラマンも後半終了間際、怒涛のラッシュでタマリバゴール前まで攻め込むが、一矢を報いることできず。逆にタマリバは交代出場のPR栗原が2本トライを獲得して、50-0でノーサイドとなった。

マンオブザマッチはウルトラマンよりは様々な攻撃の起点として活躍したCTB吉良が、タマリバよりは年末に大分に転勤したSH首藤が"熱烈歓迎"の意もこめて受賞した。

タマリバクラブは2回戦、東日本の好敵手、北海道バーバリアンズと激突することとなる。(萬井 淳)

六甲クラブSEAHAWKS 13-47 北海道バーバリアンズラグビーフットボールクラブ

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15回出場の六甲クラブと10回出場の北海道バーバリアンズ。8度目の対戦は1回戦屈指の好カードとなった。接戦と思われたが意外な結果となり、7トライを奪ったバーバリアンズが準決勝に駒を進めた。

前半10分、六甲の猛攻をしのいだバーバリアンズは、六甲陣15メートルラインアウトからラックを形成。9番北村から10番笹田に渡り、六甲防御をあっさり抜け出し先制のトライを奪った。

昨年の同カードではセットプレーに苦しんだバーバリアンズだが、今季からPRにスティーブン・マンガンが加入したことによりスクラムが安定。相変わらず最後までボールを追いかけ続けるプレーを身上とする7番ポール・マクドナルドが密集戦でも活躍。終始安定したボールをBKに供給した。そして何と言っても今季、東日本トップクラブリーグで「台風」となった12番オーガスト・コリンズ。ケタ違いの破壊力でピッチを暴れまくった。六甲ディフェンスを2、3人引きずりながら前進、余裕を持って快足WTB平塚にボールが渡る場面が何度も見られた。

六甲は立ち上がりにバーバリアンズゴール前まで攻め込んだが、痛恨のペナルティでトライを奪えず波に乗れなかった。また、前半終了間際、シンビンによりバーバリアンズNO8佐伯が一時退場したものの、人数的優位を利用できず、逆に後半4分、8分とコリンズの突破からバーバリアンズに連続トライを奪われ、万事休すだった。それでもHBを入れ替えて、後半25分、35分と意地のトライを見せた。

マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれたバーバリアンズのゲームキャプテン・笹田。「今日はプラン通りのゲームができた。六甲さんに昨年のリベンジができてうれしい」と笑顔でコメント。本来はFBだが、この日は司令塔として安定したキック、コンバージョンを決めた。

六甲主将・伊藤宏は「この一戦にかけるバーバリアンズのすべてに完敗でした。僕らの魂をしっかりと預けますので、絶対タマリバに勝ってください」とエールを送った。昨年度の主力メンバーから転勤などで離脱者が続出。BKに不安を残したままの大会入りだった。早急にチームを建て直し、過去9回決勝の舞台に上がっている関西の名門復活を望みたい。(高鷲 浩介)

駒場WMM 21-18 帆柱クラブ

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1月11日(日)。熊谷ラグビー場Bグランドにて、第16回全国クラグラグビー大会 1回戦「駒場WMM(関東2位) vs 帆柱クラブ(九州1位)」が行われた。全国大会初出場の駒場WMMに対し、3年連続出場の帆柱クラブ。冷たい強風が吹く中、試合は駒場WMMのSO森山秀一のキックオフで開始した。

開始から駒場WMMは帆柱陣にて攻めるものの、なかなかゴールを割ることができない。逆に先制点を決めたのは帆柱クラブNO8紀昌宏だった。ゴールライン前でのスクラムよりボールを持ち出してそのままゴール中央にトライ。FB大賀仁章がGKを決めて、前半6分「0-7」となった。

そのまま帆柱クラブが波に乗るかと思われたが、次にトライを決めたのは駒場WMMだった。前半16分、今度は駒場WMMのスクラムより、NO8山崎純が持ち出し、SH佐藤新につなぐ。その後SO森山秀一→FB林周一郎と左に展開し、FB林周一郎が回り込んで中央にトライ。そのままゴールも決め、「7-7」同点となった。
前半20分、今度は駒場WMMのペナルティーより帆柱クラブFB大賀仁章がPGを決め「7-10」。
その後は互いに攻めきれず、点数の動かない長い時間が続いた。そのまま前半終了を迎えるかと思われた前半38分、ゴールライン前中央での帆柱クラブのペナルティーより駒場WMMがクイックリスタートをする。SH佐藤新→SO森山秀一→LO大塚昴と左につなぎ、LO大塚昴がそのまま飛び込んでトライを決めた。FB林周一郎がGKを決め、「14-10」で前半終了。

迎えた後半。
開始1分、駒場陣10m付近での駒場のペナルティーよりPGを狙う帆柱クラブFB大賀仁章。キックされたボールはきれいな弧を描きポールの間を通った。ここで「14-13」と、その差1点となる。
更に前半6分、駒場WMMが攻めているところを帆柱クラブがラックからボールを奪い、ラックの連続攻撃をしながら攻める。最後はSH柴田隆太→CTB藤井洋光→FO泉谷昌一→WTB阿部展裕と左に展開し、主将でもあるWTB阿部展裕がゴール左端に逆転のトライを決めた。ゴールキック不成功により「14-18」。
ここで点差を広げたい帆柱クラブ。1本のトライを取り、逆転をしたい駒場WMM。
帆柱クラブ陣でのプレーが続くが、均衡は破られない。

しかし、試合終了間際、ゴールライン前帆柱クラブのペナルティーよりクイックリスタートをした駒場WMMのCTB堂原穣治がそのままゴール中央にトライ。FB林周一郎がゴールキックも決め、「21-18」と逆転を果たした。そのままロスタイム3分を守りきった駒場WMMが準決勝に進めることとなった。紙一重で勝利を掴んだ駒場WMMは、課題を多く残した試合となった。
一方、ファンクションでは帆柱クラブ主将より「我々の想いも背負いながら、次も勝ってほしい」との言葉が贈られた。(馬屋原由紀)

尚、マン・オブ・ザ・マッチは以下の通り。
駒場WMM:FL 田中一圭
帆柱クラブ:WTB 下田武

三鷹オールカマーズ 25-25 名古屋クラブ

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1月11日(日)熊谷ラグビー場Bグラウンドにて、第16回全国クラブラグビー大会1回戦が行われた。対戦カードは三鷹オールカマーズ(関東4)(以下、三鷹)VS名古屋クラブ(関西1)(以下、名古屋)。

名古屋のキックオフで、試合開始。開始早々3分・先制は名古屋、PR上垣内が体格を生かしてトライ。GK×(0-5)
先制トライを奪った名古屋がこのままペースを掴むかと思われたが、前半15分・三鷹、連続攻撃から最後はSO堀川が個人技で上手く相手裏に抜け出しトライ。自らゴールも決めて(7-5)三鷹逆転。
続けて、前半23分・三鷹CTB井上が1対1で強さをみせトライ。ゴール成功(14-5)
前半28分・名古屋陣内でのPKを三鷹ショット選択。SO堀川が確実に決めて(17-5)
その後、お互いチャンスを生かせずにいた前半35・38分と三鷹が自陣にて連続してペナルティ。
名古屋ショット選択。SH豊原が連続して決めて(17-8・17-11)
前半ロスタイム44分・三鷹も名古屋陣内でのペナルティをショット選択するが、SO堀川PG×。
前半終了。(17-11)

後半、三鷹のキックオフで試合開始。
開始早々2分・三鷹、またもや前半に続き自陣にてペナルティを犯してしまう。
名古屋ショット選択。SH豊原PG成功(17-14)
名古屋が前半終了間際からの3連続PG成功で3点差に迫った後半7分・三鷹FL加島がトライ、ゴール×(22-14)
を奪うものの、直後の後半8分・またもや三鷹が自陣にてペナルティ。
名古屋ショット選択。SH豊原PG成功(22-17)
三鷹、突き放そうとするも、自陣でのペナルティを名古屋SH豊原に確実にショットを決められて、流れを掴めずにいた後半20分・またもや三鷹、自陣でペナルティを犯してしまう。
名古屋ショット選択。SH豊原PG成功。(22-20)
名古屋、SH豊原の右足で確実に得点を重ね迎えた後半25分・連続攻撃からWTB中山が走りきりトライ。ゴール×(22-25)逆転成功。
後半32分・名古屋CTB遠藤、危険なプレーでシンビン。
名古屋、1名少ないことを感じさせないほどのディフェンスで攻める三鷹を果敢に止めていたが、試合終了間際の後半39分・自陣にて痛恨のぺナルティ。
三鷹ショット選択。SO堀川PG成功。(25-25)
ロスタイム、名古屋が果敢に攻めるも三鷹の執念のディフェンスによりノーサイド。
結果、(25-25)の同点だが、トライ数により三鷹が準決勝進出。