オックスフォード・ケンブリッジ大学 19-25 全慶應義塾大学 オックスフォード・ケンブリッジ大学 19-25 全慶應義塾大学

 

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マッチリポート
オックスフォード・ケンブリッジ大学 19-25 全慶應義塾大学

(2009年3月28日 at神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)

花冷えのする横浜ニッパツ球技場。50年振りのオックスブリッジ2009ツアー第2戦は、オール慶應義塾大が相手。22日に逝去された青井達也氏(1959年、オックスブリッジVSオール慶應の主将、キャップ6)の追悼記念試合でもあった。

開始早々、オール慶應はPGを失敗。11分PGを決め、オール慶應3-0とまずはリード。オックスブリッジはキックで前進し、高さを生かした攻撃。一方、オール慶應は終始スクラムでプレッシャーをかけ、相手の動きを封じ、低いタックルで相手の出足を止めていた。25分、相手ゴール前のPKでスクラムを選択し、左に回しモール後、NO.8竹本がトライ。しかし、オックスブリッジは36分、ラインアウトから左に展開し、NO.13バーネットがトライ。その後もオックスブリッジの執拗なラックサイド攻撃が続いたが、それを凌ぎ、前半は8-5でオール慶應リード。


後半4分、オール慶應は相手ゴール前10M付近のスクラムから左に展開しNO.11栗原がトライ、24分にはSH岡が相手防御を抜け出し、ラックからNO.13増田につなぎトライでその差を広げた。その後、お互い負けられない白熱した1戦、ブレイクダウンでのコンテストが激しくなった。オックスブリッジは29分にラック連取からNO.15マホーニーがトライ。34分にはキックをチェイスしたNO.14モリスが50m以上走り、ゴールに飛び込み18-19となり大いに球技場を沸かした。最後に試合を決めたのは37分、ラインアウトから展開し、鮮やかなサインプレーで防御を突破したNO.22出雲。25-19でオール慶應の勝利となり、NO.6野澤(2001年度卒)の現役引退試合にも花を添えることができた。

一方敗れたとはいえ最後までラグビールーツ国の意地を見せ、激しい当たりを繰り返したオックスブリッジだが、ライアウトの精度を欠き、スクラムでターンオーバーされるなど最後まで修正できなかった。そのことよりもオール慶應のスクラム力、タックル力、集中力が金星的にゲームを制したと言えよう。1勝1敗でジャパンツアーを終了したが、いつの日かオックスブリッジの再来日が楽しみである。(長井 勉)

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会見リポート
◎オックスフォード・ケンブリッジ大学
○スティーヴ・ヒル アシスタントコーチ
「今日はとてもタフなゲームだったと同時にとても記憶に残るゲームだった。前半は辛い状態であったがどうにかしのいで、後半4分にトライが決まり、徐々に良くなっていった」

○ピーター・クラーク キャプテン
「今日は勝てなかったので正直がっかりしています」
──来日して一週間の準備期間がありましたが、何か想定外のことがありましたか?
○ヒル アシスタントコーチ
「今日の相手はとても強いチームだった。特にバックスがとても強かった」
──一この週間どのような準備しましたか?
○クラーク キャプテン
「頑張ろうという気持ちで燃えていました。しかし今日の全慶應義塾大学はそれをしのぐチームだった」

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◎全慶應義塾大学
○林雅人 監督
「フィジカルが強いチームと試合ができてよかった。セットプレーが多くとれたのが勝因だと思います。スクラム、ラインアウトから最後に川本と出雲がトライするというパターンはずっと1年間やり続けたサインプレーで、それがこの試合に出せたという事が胸にジンと来るものを感じさせてくれました。11番の選手は噂は聞いていましたが、あんなに速いとは思いませんでした」

○栗原徹 キャプテン
「こういう素晴らしい試合ができる機会を与えてもらえて大変感謝しています。慶應という重みを感じながらしっかりしたプレーができればいいという気持ちで臨みました」

○野澤武史 選手
「練習前のミーティングで雅さん(監督)からの『対抗戦ではないけれど真剣にやろう。やるんだったら絶対勝とう』という言葉でチームの雰囲気が変わりました。あらためて本気でやることの大切さを認識しました。現役の学生たちにも、これでいい影響があればと思います」

──初のオックスブリッジを打倒したという称号を手に入れましたが、実際、世代の違う選手が慶應のジャージを来て試合をした感想はいかがですか?
○野澤 選手

「低いタックルを実践するという慶應のDNAが試合中に蘇って来た感じがしました。チームとしては、試合をやりながらまとまってくるという感じで、伝統の力というものを強く感じました」

──お二人は卒業後、慶應のジャージで試合に出たことはありますか?
○栗原 キャプテン

「3回あります」

○野澤 選手

「僕は初めてです」

──お二人とも足の状態が万全ではない中での試合でしたが?
○栗原 キャプテン

「伝統の重さというものがあるので、はずかしくないプレーをすることだけを考えていました。いいプレーというのは一生懸命やることなので、万全ではなくても一所懸命頑張る姿を学生に見せたいと思いました」

──再逆転トライが決まる前にこの2人(栗原・野澤選手。この試合、交替は自由)を投入しようとしていましたが、トライ後の交代になった理由は?
○林 監督
「後半も残り3分なので2人を入れようと考えていたのですが、たまたまそのようなタイミングになってしまいました。あの状況は、残り時間が少なく精神力の勝負になるので、この2人にその辺りのことを若い選手に伝えてもらえたらと思ってました」

──5月2日にNZU戦がありますが、また同じ様なチーム構成で臨むのですか?
○林 監督
「同じような現役とOBの合同チームを考えています。今回呼ぶことができなかった東芝に所属するOBにも打診をしています。現役10人にトップで活躍する12~13人のOBを呼べればと思います」