HSBCセブンズワールドシリーズに参加しましたので、以下ご報告いたします。
●はじめに
セブンズ競技がオリンピック公式種目となり、各国がさらなる強化をしている中、セブンズワールドシリーズにアポイントを頂きました。アポイントにあたり日本協会及び審判委員会には多大なサポートを頂いたことと察します。
私の中でIRB主催のHSBCセブンズワールドシリーズは目標達成のために通過しなければならない必須の大会であり、アポイントに対し嬉しく思います。また今後のステップアップに大きな意味を持つシビアな大会になることも覚悟しました。
以下、大会を振り返り、ご報告いたします。
【大会名】 |
IRB HSBC SEVENS WORLD SERIES Las Vegas2012 |
【大会会場】 |
Las Vegas / USA |
【派遣期間】 |
平成24年2月6日(月)- 平成24年2月15日(水) |
【大会日程】 |
2/6 |
Japan出国 - Las Vegas到着 |
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2/7 |
AM:USAコーチからレフリーに対してプレゼン |
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PM:IRB Protocol Meeting |
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2/8 |
AM:Training Match (SAMOA vs WALES) |
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PM:One on One Meeting |
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2/9 |
AM:One on One Meeting |
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PM:AR・IGJ Meeting、Visit Ground、Tournament ceremony |
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2/10 |
Day 1 |
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2/11 |
Day 2 |
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2/12 |
Day 3 |
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2/13 |
USA出国 |
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2/15 |
入国 / 福岡着 |
【担当試合】
HSBCワールドセブンズ Las Vegas
Day1:SOUTH AFRICA vs URUGUAY、FIJI vs UNITED STATES
Day2:SCOTLAND vs BRAZIL、AUSTRALIA vs BRAZIL
Day3:FRANCE vs BRAZIL
以上5試合
【大会参加レフリー】
IRBワールドセブンズ Las Vegas
Rasta Rasivhenge(RSA)、Federico Anselmi(ARG)、James Bolabiu(FIJ)、
Anthony Moyes(AUS)、Tui Komiti(SAM)、Luke Pearce(ENG)、
Mathew O’Brien(AUS)、麻生 彰久(JPN)以上8名
【大会名】 |
IRB HSBC SEVENS WORLD SERIES Hong Kong2012 |
【大会会場】 |
Hong Kong |
【派遣期間】 |
平成24年3月 19日(月)- 平成24年3月26日(月) |
【大会日程】 |
3/19 |
Japan出国 - Hong Kong到着 |
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3/20 |
AM:NZ大会レビュー |
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PM:IRB Protocol Meeting |
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3/21 |
AM:Coaches Meeting |
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PM:One on One Meeting |
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3/22 |
AM:AR・IGJ Meeting ,Warm up game(Hong Kong vs NZ) |
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PM:Visit Ground |
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3/23 |
Match Day 1 |
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3/24 |
Match Day 2 |
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3/25 |
Match Day 3 |
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3/26 |
Hong Kong出国-東京着 |
【担当試合】
IRB HSBC SEVENS WORLD SERIES Hong Kong2012
Day1:CANADA vs PHILLIPINES
Day2:RUSSIA vs GUYANA / URUGUAY vs CHINA
Day3:GUYANA vs CHINA / SCOTLAND vs UNITED STATES
以上5試合
【大会参加レフリー】
Rasta Rasivhenge(RSA)、Federico Anselmi(ARG)、Anthony Moyes(AUS)
Luke Pearce(ENG)、Mathew O’Brien(AUS)、Alex Ruiz(FRA)、George Clancy(IRFU)
Jason Jaftha(RSA)、James McPhail(NZRU)、麻生 彰久(JPN)以上10名
●総括
2年前にアデレード、香港ラウンドに参加させていただいた経験があり、雰囲気としてはある程度予想していました。
参加したレフリーは24歳-35歳と年齢に幅があります。2年前よりも若いレフリーが増えたように思います。
大会期間中は、前日のパフォーマンス次第で割り当てが決定されるとてもシビアなレフリー間競争があり、ひとつでも上の試合に割り当てられるようにと一戦に賭ける仲間レフリーたちの姿をみてとても刺激を受けました。私も何とか若いレフリーの中で競争をしなければと準備をしゲームに臨みました。
セブンズでは分刻みで試合が進行され、1日に2試合を担当するとあって時間管理及びコンディションにはとても気を遣いました。以前の経験から自分なりのルーティーンを作り試合に臨みました
さて、レフリングに関してはブレイクダウンの明確なジャッジに焦点が当てられました。それはセブンズの醍醐味であるボールが良く動くということ、しかもスピーディーに動くゲームを創造するためのものでした。タックラー、タックルされたプレーヤー、アライビングプレーヤーの義務行為を厳しく判定するよう意志統一されました。醍醐味を喪失させるようなプレーに関してはカードの適用もあり、そしてまたデンジャラスタックル、トリッピングなどファウルプレーについても厳しい判定が求められました。
私の場合シーズン真っただ中で、15人制のジャッジから7人制のジャッジへのマインドコントロールに少し苦労しました。影響度を考慮しないといけない中で、セブンズではほんの少しのタイミングでボールの動きをスローにさせるということ。従ってプリベントを与えるのではなく笛で基準を明確にしていくということでした。従ってプリベントはさほど多くなく反則に対しては早いジャッジを行いました。しかし、求められるレベルまで少し時間を要したと感じています。一戦一戦レビューを繰り返し、徐々に試合に慣れマッチしてきたのではないかと思います。
自分の試合のない時のスカウティングも試合に生きたように感じます。会場にいるだけで本当にたくさんの気づきがあります。運営、観客、選手、仲間レフリーの行動の一つひとつとっても、とても参考になりました。
精神的にも肉体的にもハードな大会でしたが、これがすべて私の財産になっていくものだと思います。次に必ずいかす、その決意で日々のステップアップを信じ取り組んできました。今後も、日本、スコットランド、イングランドとラウンドは続きます。今回の経験を生かし、万全な準備をし、結果につなげたいと思います。
終わりになりましたが、遠征をサポートくださいました日本ラグビー協会ならびに、審判委員会担当者、またホストユニオン関係者に厚くお礼申しあげます。
また、所属先、コカ・コーラウエスト株式会社の理解のもと大会へ参加することが出来ましたこと、この場を借りまして心から感謝いたします。
下記にセブンズシリーズでの課題を記載します。
次のラウンドへ向け、取り組みを強化したいと思います。
【今後の課題】
-ブレイクダウンでの判定(明確な判断・判断のスピード・影響力)
-ゲーム理解力(スピード・ボールリサイクル)
-プレー中のコミュニケーション(英語力)