競技規則につきまして、ワールドラグビーよりこのほど、下記の通り世界的試験実施ルールに関する通達が出されました。日本協会でもこれを受け、ここに通知いたします。
関係者各位へ周知徹底いただけますようよろしく願い申し上げます。
ワールドラグビー世界的試験実施ルールに関する通達
ワールドラグビーは、2016年11月16日に行われた特別・中間理事会において、次ページに記す世界的試験実施ルールを承認した。ワールドラグビーのメンバー協会は、南半球では2017年1月1日より、北半球では2017年7月1日より、また、6月のテストマッチウィンドウにおいて、実施すること。
参考資料: ワールドラグビーウェブサイトリンク
- ●競技規則2017年版(PDF版) http://laws.worldrugby.org/index.php?&language=JA
世界的試験実施ルール
(南半球では1月1日、北半球では7月1日より施行)
第3条 プレーヤーの人数 – チーム
3.6 (アンコンテストスクラム)
以下の条文を追加:
(h) 退場、一時的退出、または、負傷によるアンコンテストスクラムは、両チーム8名ずつで行われなければならない。
根拠: チームがアンコンテストスクラムを利用しないようにするため。
第5条 時間
5.7(e)に以下の条文を追加:
時間が経過した後、ペナルティキックを直接蹴り出した場合、レフリーはボールの投入(スローイン)を認め、次にボールがデッドになるまでプレーは続行する。
根拠:チームが試合終了間際に反則をしないようにするため。
第8条 アドバンテージ
8.1(a)に以下の条文を追加:
同じチームによる複数の反則が生じた場合、レフリーは、反則をしなかった側のキャプテンに最も有利なペナルティの地点を選ばせることができる。
根拠:すでにアドバンテージが適用されている状況で違反が繰り返されないようにし、反則を繰り返した側ではないチームに報いるため。
第9条 得点方法
9.A.1 (得点の種類)
ペナルティトライ: 相手側の不正なプレーがなかったならば、ほぼ間違いなくトライが得られたものと認められた場合は、ペナルティトライが与えられる。コンバージョンは行わない。 得点: 7点
根拠: チームが競技規則に反してトライを妨ぐことがないようにし、かつ、コンバージョンをなくして時計の時間を節約するため。
第19条 タッチおよびラインアウト
117ページの定義に、以下を追加:
●ボールを支配しようとしているプレーヤーは、ボールを保持しているとみなされる。
根拠: これは、実際にはすでに適用されていることを競技規則で条文化したものである。ボールを「ファンブルしている」時、または、している状態は、ボールを保持していることになり、再びキャッチすると同時にタッチに出ればタッチであるとみなされる、ということを意味する。この条文追加により、マッチオフィシャルが判断をしやすくなる。
117ページの8つ目の定義を変更:
●プレーヤーが競技区域から跳び上がり、タッチ、または、タッチインゴールに着地する前に、ボールを競技区域へ跳ね返した(または、そのプレーヤーがボールを捕り競技区域へ投げ戻した)場合は、ボールがタッチ上の立平面に到達してもしなくても、プレーは続行する。 根拠: 競技規則を簡略化し、ボールがプレーされている時間を増やすため。
117ページの定義に、以下を追加:
●ボールキャリアがタッチ上の立方面に到達したが先にタッチに出ることなく競技区域にボールを戻した場合、プレーは続行する。
根拠: 競技規則を簡略化し、ボールがプレーされている時間を増やすため。
117ページの6つ目の定義に以下を追加:
●このとき、ボールがキャッチされたときにタッチ上の立方面を通り過ぎている場合、ボールをキャッチしたプレーヤーはボールをタッチに出したとはみなされない。ボールがキャッチされた、または、拾い上げられたときにタッチ上の立方面を通り過ぎていない場合、ボールが動いていても止まっていても、ボールをキャッチしたプレーヤーはボールをタッチに出したとみなされる。
根拠: 競技規則を簡略化し、ボールがプレーされている時間を増やすため。
第3条の改正については15人制のみについてだが、その他の試験実施ルールはすべて15人制と7人制に平等に適用される。
さらに、7人制のみにおける競技規則の変更として、以下の試験実施ルールが承認された:
- ●決勝戦は、各ハーフ7分を超えてはならない (プレーヤーウェルフェアのため – 負傷の数の多さが決勝戦の後半に偏っていることを示す証拠がある。1分間あたりの負傷数をみると、決勝戦の後半が、前半、および、各ハーフ7分で行う通常の7人制の試合と比べて多い)。
- ●レフリービデオリファーラル (RVR)をフィールド上のレフリーに手渡して、TMO判断を行うことができる – スクリーンを見てコールを行うのがしばしば困難であることから)。RVRのプロトコルは変更しない。TMO は、大会レフリーの予備要員の一人が務める。
- ●試合再開のキックは、ペナルティキック、または、ドロップゴールが行われ成功もしくはデッドとなってから30秒以内に行われなければならない。
- ●両チームとも、レフリーがボールの投入位置を示してから15秒以内にラインアウトを形成しなくてはならない。
- ●両チームとも、レフリーがスクラムのマークを示してから15秒以内にスクラムが形成できる状態になっていなければならない。
- ●ペナルティキック、または、フリーキックは、与えられてから30秒以内に蹴られなければならない。