レビュー:日本代表「リポビタンDツアー2017」トンガ代表戦

新DFシステム機能しフィジカルなトンガに快勝
アタックでも5トライを奪いフランス戦へ弾み

「リポビタンDツアー2017」フランス滞在中の日本代表が18日(日本時間19日)、同国南西部のトゥールーズでトンガ代表とのテストマッチを戦い、39—6で勝利。開始3分のWTBレメキ ロマノラヴァの先制トライを皮切りに計5トライを奪う一方、トンガ代表を2PGのみの6点に抑える好守も見せ、25日(日本時間26日)に控えるフランス代表戦(パリ郊外ナンテール)に向けて弾みをつけた。

11年RWC以降4連敗中だったトンガに39-6で快勝した日本代表。攻守に手応えを感じてフランス戦に臨む
photo by Kenji Demura

過去の対戦では16回戦って7勝9敗。2011年ラグビーワールドカップ以降は4連敗中だったトンガ代表との一戦。
日本は立ち上がりから主導権を握った。
前半2分に右タッチライン際をFLリーチ マイケルキャプテンが快走。相手DFをなぎ倒しながらトンガゴールになだれ込んだ。
このプレーではトライは認められなかったものの、直後のラインアウトからモールで攻めた後、FWが崩した内側のスペースをWTBレメキが駆け抜けて先制(SO田村優のゴール成功)。
この後、トンガが2本、日本が1本のPGをそれぞれ決めて10—6で迎えた同29分には、今度はFWがそのままモールを押し切ってNO8アマナキ・レレイ・マフィがトライを挙げ(SO田村ゴール成功)、同32分には再びトンガDFを置き去りにするような快走を見せたFLリーチキャプテンが余裕を持ってトンガゴールを駆け抜けてチーム3本目のトライ奪取(SO田村ゴール成功)。
さらに、同38分にSO田村がPGを加えて27—6と大きくリードして前半を折り返した。

「フィジカルの強さでは世界トップクラス」
ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチがそう評価するトンガに対して、しっかり前に出るディフェンスで出足を止め、背後に蹴り込むキックで大男たちを後ろに下げて、しっかりプレッシャーをかけていく。

「大きく、フィジカルなトンガチームに対して、選手たちはアタックでもディフェンスでもいい仕事をした」(同HC)

後半に入っても攻守に日本のいいところばかりが目立つ展開は基本的には変わらず、19分に再びWTBレメキが「チームの動きが凄く良かった。ずっと順目、順目と行って、トンガ代表のディフェンスがなくなったから、最後にインサイドに入っていくだけで良かった」という組織的なアタックを仕留めるかたちでゴールポスト付近にダイブして加点(SO田村ゴール成功)。
34分には、今秋の日本代表戦では初登場だったWTB福岡堅樹が、こちらはジョセフHC体制では初めて日本代表ジャージーに袖を通すかっこうとなった途中出場のWTB藤田慶和からパスをもらい、左サイドを一気に加速。この日、チームとして5本目となるトライを決めて有終の美を飾り、39—6で快勝した。

攻めてはWTBレメキの2本など計5トライを奪い、守ってはトンガにトライを与えなかった
photo by Kenji Demura

「ひとりひとりのタックルが良くなっている。
ディフェンスでの連携と理解も」(リーチ主将)

ジョン・プラムツリーディフェンスコーチが加わり、新しいディフェンスシステムを構築中の日本代表だが、フランス遠征前の2試合(対世界選抜=10月28日、対オーストラリア代表=11月4日)で計17トライを奪われたのが、トンガ戦はノートライに抑えるなど、守りで大きな進歩を見せたことは間違いないだろう。
「一人ひとりのタックルがよくなってきている。連携と理解。こういうディフェンスをしようという理解もよくなった」
そう新しいディフェンスシステムへの手応えを語るのはFLリーチキャプテン。
トンガ代表をノートライに抑えたのは、17回目の対戦にして初めてのことだ。
もちろん、リーチキャプテン自身が「まだ完璧じゃない」と認める通り、タックルミスがあったり、トンガに自陣深く攻め込まれるシーンも1度や2度ではなかった。
それでも、フィジカルに勝る大男たちに決死のタックルを決めて、トライラインを超えさせなかった。

「準備してきたことを出せた。ノートライに抑えたいという気持ちが、抜かれても必死に帰って、抑えきることにつながった。自分たちがやってきたことを信じてノートライに抑えられたのは収穫」
この日プレーしたBKメンバーでは最多キャッパー(53キャップ)のCTB立川理道が語った手応えは、おそらくチーム全員が感じたものでもあるだろう。

「50点」
試合後の記者会見で「選手たちを誇りに思う」と讃えたジョセフHCだが、パフォーマンスに対する点数はやや辛口なものになった。
もちろん、それはRWCで結果が残せるかどうかを基準につけられた点数だろう。
「まだ赤ちゃんの状態。少しずつ良くなっているが、ラグビーワールドカップで勝つためのディフェンスまでには行っていない。誰も満足していないし、まだ成長できる」(リーチキャプテン)

1週間後、過去3度のRWCで準優勝を果たしているフランス代表とパリ郊外にできた新スタジアムで対戦する日本代表。

トンガ代表戦で手応えをつかんだ新ディフェンスシステムをさらに進化させ、アタック面でも「チャンスで外が空いている時にブレイクダウンでしっかりボールを出せたらもっとトライを取れていた。フランス代表戦に向けてはブレイクダウンの精度を上げていきたい」(FB松島幸太朗)といった課題を修正して、世界トップ8へチャレンジする。

text by Kenji Demura

フィジカルなトンガ代表の突破を止めるCTB立川。前に出るディフェンスでノートライに抑えた
photo by Kenji Demura

今年最後のテストマッチ、世界トップ8への挑戦となるフランス代表戦に向けて大きな手応えをつかんだ
photo by Kenji Demura

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