■早稲田大学

山下大悟監督

「シーズンが終わってしまったということで、非常に悔しいです。今季対抗戦の反省や東海大学を分析した結果、前半我慢で後半勝負というプランを持っていた。前半の点差は想定内であったが、後半、21対18と迫った直後にトライを取られてしまったことが大きかった。シーズンを通して4年生が良く踏ん張ってくれた。今日も前半に流れを変えてくれたのは中野巌でした。4年生にはお疲れ様と言いたい」

―東海大学をどのように分析したのか

「東海大学の強みは中盤でのモールと、そこから相手陣に入ってからのラインアウトモールです。9番、10番を見てもわかるようにディフェンス主体のチームです。自陣で無理に回して取られるのが嫌なので、ロングキックについては加藤がハイボールに強いので、後々のところにコンテストキックを上げるようにしたし、裏にキックを上げるようにした。
その点はうまくいったとは思うが、加藤が言っているように、外国人選手の一発の突破を許し、二人目がボールを殺すことができずオフロードパスをつながれ、トライを取られている。そこが悔やまれる」

―難しいかもしれないが、シーズンを振り返り、来期、どの点を強化すべきと思うか

「ベースの力は確実についている。対抗戦でもほとんどの試合でブレイクダウンでは勝っていた。アタック、ディフェンスでのブレイクダウンは良くなっている。今の段階で言うとすれば、チームとしてゲームをコントロールすることを春先からしっかりやる必要がある。精度と少し時間が足らなかった。でもベースは確実に上がってきている」

○加藤広人キャプテン

「要所要所で外国人選手を止められなかった。自分たちが取らなければいけないところで東海大学に取られたのがすべてだった。シーズンは終わったが、これから後輩には頑張ってほしい」

―後半の後半、攻め込んでのゴール前で、ペナルティからスクラムを選択し、トライを取りに行ったが取りきれなかった、その要因は

「スクラムについては最初にヒットすれば負ける感触はなかった。トライを取りたいという思いでスクラムを選択した。アタックについては、ゴール前できつい場面でフォワードの選手が走り込むことができなかった」

―前半はテンポも良かったし、後半の入りも良かったと感じたが、後半の中盤から走れないように見えた。後半に疲れが出たのか

「自分は感じなかったが、攻め込んでもミスで終わってしまい、取りきれないこともあってメンタル的に厳しい状況があった。しっかり取りきることが必要だと思う」

■東海大学

木村季由監督

「大学選手権ということでワクワクして臨んだ。また、相手が早稲田大学ということで、いい意味の緊張感がチームにはあった。ただし、相手の対策を考えるだけでなく、自分たちの強みを認識した上で、大学選手権で力を出し切って次に向かっていくということで準備してきた。ゲームの中でポジション的なチャレンジもしたが、一人ひとり、仕事をすべき者がきちんと仕事をして役割を果たしてくれた。今日の反省点をしっかり振り返り、一週間、次の試合に向けて準備をしていきたい」

―ポジションチェンジやセンターのアウトサイド、インサイド、ハーフタイムでの交替などの意図は

「今日はフォワードのリザーブを6名にした。また山菅はどこでもできる選手で、もとはセンターだが今年からスクラムハーフにした。ディフェンスで持ち味を発揮している。前半はタイトなゲームの中でしっかり仕事をしていた。フランカーの深見が前半で傷んだので早めにテビタに替えたが、概ね予定どおりに選手を入れ替えた。インサイド、アウトサイドについては、持ち味を生かせるこの組み合わせが良いと感じている」

―監督から見て、今日のチームの出来は何点か

「キャプテンが50点と言っているので、キャプテンの言う通りです。良いところも出ているが、自分達の形でゲームを運ぶことができている時間を考えるとまだまだで、期待値も込め50点です。」

―天理大学の印象は

「天理大学とは毎年、夏の合宿で試合をしており、お互いに切磋琢磨している中で選手権に向けて積み重ねているものがある。手の内を知っている部分もあるが、相手は関西のチャンピオンなのでチャレンジャーの気持ちで向かっていきたい。セットピースの安定感と機動力、チームとしての意思統一された動きは警戒すべきところだ。したがって天理大学の土俵で戦わないような試合運びをしたい」

―昨年はリーグ優勝したが、今年は二位。優勝を逃したことや一試合多いことでのデメリットもあると思うが、逆に、トーナメントを勝ち抜いていくで、昨年とは違って得られるものはあるか

「状況をネガティブにはとらえていない。強がりではなく、今シーズンはこのメンバーでの練習やゲームの中でトレーニングをする時間が限られていた。分かってはいたが、学生の成長具合を見ていると時間が足らないところがあった。二位になったことは悔しいが、今の東海大学にとっては一試合多くできること、厳しい相手と試合を重ねていくことは、しっかり力を積み重ねていく上で大事なことだと考えている。」

―今期、強化で変えたことと、今年のチームの特徴は。

「ベースは変わらず、今までやってきたことの積み上げである。いちばん難しい判断力については、全員が同じ状況判断をすることができるか、考えていることを動いている中でどこまで完成度を上げて実行できるかが課題である。ゲームの中で共通の状況判断をしていくことが、今シーズンの最大のテーマである。これは一戦一戦積み上げていくことに尽きる」

野口竜司キャプテン

「準備はしてきたし、今日それを体現する場を与えられたので、どう表現するかを一人ひとりが考えて行動しようと、試合前に話をした。それが試合中にいい流れに持ってくることができた要因だと思う。早稲田大学が相手ということで大きくボールを動かす中でディフェンスが開き、その間を切られるシーンが多かったり、ゲインを切られた後のオフサイドが多くなったりしたことは良くなかった。次に向けて修正して、しっかりしたディフェンスができるようにしていきたい」

―随所で良いプレイがあり、流れを引き寄せたというのは具体的にどのようなプレイか

「ディフェンスの上がりの部分や、プレッシャーをかけ続け、我慢できたことが良かった。プレッシャーをかけ続けたことで、後半には相手のミスが増えた。自分達のやりたいことができていたことは、次に生かせると思う」

―チームの出来としては何点か。

「ミスやペナルティが多かったのでまだまだ50点位だと思う。このあたりの精度をもっと上げていきたい」

―天理大学の印象は。今日、試合ができたことについてはどうか。

「天理大学はセットプレーが強みで、自分たちと同じだと思う。そこがキーになってくる。切れのあるアタックをしてくるのでゲインラインの攻防が重要になる。そこで勝っていきたい。今日、試合ができたことで、試合から離れていた中でもチームとして成長したことを実感できた。足らないところも感じたが、ここで一試合できたことは大きいと思う」