朝日大学に勝利し準々決勝に進んだ関東大学リーグ戦1部3位の流通経済大学を迎え撃つのは、前人未踏の大学選手権9連覇を狙う関東大学対抗戦Aグループ1位の帝京大学。帝京大は選手権初戦となる。対抗戦後の約一ヶ月で選手権に向けチームを仕上げてきたはずだ。流通経済大学はその壁を破ることができるのだろうか。

流通経済大のキックオフがダイレクトタッチになり、最初のスクラムで流通経済大はコラプシングの反則。タッチキックで敵陣に侵入した帝京大は、連続攻撃をしかけ、逆目アタックからディフェンスライン背後のスペースへのキックでトライチャンスとなるがゴールライン上でノックオン。しかし流通経済大学はスクラムをターンオーバーされ自陣を脱出できない。帝京大はペナルティから再び得たラインアウトのモールを押し込み、スペースのできたブラインドサイドへSH小畑とWTB竹山が見逃さず最初のトライ(6分)。竹山自らゴールも決め7-0とした。さらに14分、帝京大は自陣深くのラックからでたボールをCTB本郷が力強く突破。中央付近で捕まるがペナルティからタップキックで攻めCTB岡田がラインブレイク。FB尾崎-WTB竹山へとパスが渡りトライ。ゴール成功(14-0)

対する流通経済大学は17分、帝京大学のノックオンから得たチャンスをフォワードで前進、最後はSO中川が鋭いステップでインゴールに飛び込みすぐに、差を縮める。FB桑江ゴール成功(14-7)。25分、帝京大はラインアウトからのフォワード連続攻撃からLO今村がトライ(21―7)を奪いすぐに差を広げる。29分、流通経済大学は敵陣でのラックをターンオーバー、残り5mまで迫り、最後はディフェンスの間に走り込んだPR鹿児島がトライ。ゴール成功(21-14)。流通経済大は、なかなか敵陣でアタックする機会を手にできないが、ゴール前での決定力の高さを感じさせた。33分、中央付近での攻防、流通経済大学は激しいタックルを続け前進させない。しつこく止め続けるが、そこで帝京大は左へ大きく展開し、WTB竹山が3つ目のトライ(33分)。ゴール成功(28-14)。流通経済大は少ない敵陣でのチャンスをトライに結び付け、ファーストタックル、セカンドタックルともによく決まっていた。一方で帝京大は流れに乗り切れないにも関わらず、外のスペースではゲインを重ね、相手の隙を見逃さないアタックによりリードして前半を終えた。

後半が始まり最初に得点したのも帝京大。42分、アドバンテージがある状況でボールを大外へキックパス、WTB木村がキャッチしたボールをCTB岡田-FL申と小刻みにパスをつなぎ、最後はCTB本郷がトライ。ゴール成功(35-14)。徐々に帝京のフォワード攻撃がゲインラインを越え始め、SO北村は、プレッシャーの薄いところへボールを的確に振り分け、自らも突破を図ることで、ディフェンスに的を絞らせない。49分、WTB竹山、54分にもWTB木村がインゴールでボールを押さえ47-14。

63分、さらに帝京は攻め続けるが、二対一の状況でのパスを流通経済大WTB山上がインターセプトしそのままトライ(47-19)。ディフェンスが続いた状況でスコアをしたことにより、流れを取り戻したい流通経済大だが、そうはさせないのが王者帝京大。グランドを広くつかい数的優位を作りWTB木村が大きくゲイン、最後は逆サイドへ大きく展開しNO.8吉田がタッチライン際を駆け抜けトライ(67分)。WTB竹山ゴール成功(54-19)

その後も敵陣でプレーを続けた帝京大は、68分WTB竹山、79分にはFB尾崎がゴールラインを駆け抜け最終スコアは68-19で試合終了となった。

今シーズンの終了となった流通経済大、大西主将が試合後に語るように80分間自らのテーマを遂行し続けることができなかった。帝京大は前回の公式戦から間が空いた影響か、「前半は流通経済大の気迫に負けていた」と堀越主将。後半はテンポアップしたが、岩出監督、堀越主将ともにまだまだ満足していない様子。年明け2日の準決勝の相手は、過去2年決勝の舞台で戦った東海大学に決まった。フォワード勝負になると話す堀越主将が、準決勝までに、どのようにフォワードそしてチームをまとめ上げてくるか楽しみだ。(中村琢)