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レポート:第5回ラグビー・エンパワメント・プロジェクト

次世代のリーダーを育成する「ラグビー・エンパワメント・プロジェクト」の講義も、クライマックスを迎えました。11月19日に行われた第5回のテーマは「世界を広げる」。アジアのラグビー関係者3人にオンラインでインタビューを行いました。いわば、これまでの講義の総決算。10月に行われた第4回の講義ではフィリピンの同世代の選手たちにインタビューしましたが、その経験を活かし、参加者はさらに成長した姿を見せました。

インタビュー対象者はフィリピンラグビー協会評議員のRose Mae Lanticseさん、インドネシアラグビー協会副会長でアジアラグビー女子アドバイザリーコミッティ議長代理のKarina Soerjanatamihardjaさん、シンガポール在住でワールドラグビーのアジア担当を務めるRidzal Saatさんの3人。事前に希望を募り、インタビューしたい相手ごとに3つのグループに分かれました。経歴を調べ、英語で質問を作成。本番の2週間前には模擬インタビューを実施し、英会話講師の長井三紀さんに英文をチェックしてもらい、インタビューする際の基本も教えてもらいました。

 

 

いよいよ当日。最初にグループ内での進行役を決め、質問の順番を決定。「とりあえず沈黙にならないように、誰かが話すようにしよう」。グループからは、そんな声も聞こえました。「めっちゃ緊張してます」という参加者たちでしたが、三紀さんに「大丈夫、enjoy!」と背中を押してもらい、インタビュータイムに突入。前回のインタビューでは、声が小さかったり早口になった場面もありましたが、本番でははっきりとした口調でインタビューを行いました。

質問の内容は三者三様。フィリピンで子供たちにラグビーを教えているRoseさんには、教える際に気をつけていることや、これまでに教えた人数。実際にラグビーをプレーしていたKarinaさんには、リーダーとしてどうあるべきか、困難をどう乗り越えたか、同じ選手としての問いが続きました。シンガポールに住んでいるRidzalさんには、日本ラグビーの発展をどう見たか、シンガポールのスポーツ事情などの質問が出ました。終了後は、グループ内でレビュー。インタビューの際に把握しきれなかった内容を、聞き取れた周りの仲間が教えあう様子も見られました。

インタビューを終了しての感想は、ほぼ共通。「世界のラグビー関係者に話を聞くことは、めったにない機会なので、とてもいい経験になりました」。そして、先月のインタビューからの成長も実感。「前回よりも自分から積極的に質問も出来たし、話せたので少しは成長できたと感じました」。手ごたえと共に、次への課題も見つかりました。「もっとプラクティカルイングリッシュに触れる機会を意識的に増やしたい」。

参加者の質問に誠意をこめて答えてくれた3人でしたが、彼らの話した内容も、心に刻まれたようです。「ラグビーを普及させることと、ラグビーの良さを教育に繋げたいとREPに参加したので、フィリピンで実践しているRoseさんに聞けてよかったです」「Karinaさんの“リーダーに必要な能力は、新しくリーダーになりたいと思えるように影響を与えること”という言葉が一番印象に残っています」。ラグビーの魅力について答えてくれたRidzalさんには「自分の今の思いと聞きたいことをしっかり聞けてよかった」。

今回のインタビューはグループの共同作業として時間をかけて進められました。インタビュー後の振り返りでも「グループの仲間と協力して、わからないところも教えあって30分間会話を切らさずに楽しくインタビューすることができた」。準備を重ねて仲間と得た経験は、もう一つの大きな収穫です。

英語でアジアのラグビー関係者にインタビューするという、これまでで一番大きなチャレンジを乗り越えた参加者たち。次回は12月18日、8月の第1回以来、実際に全員で顔を合わせてのまとめと修了式です。

(森本 優子)