12月18日(土)

16時30分キックオフで行われた韓国との決勝戦は10対28で韓国に敗戦し、2連覇の目標は達成できませんでした。

試合は今までの会場とは違い、バスで40分ほどかけて移動をし、「拓東体育館」という大きなスタジアムで行いました。JAPANボールのキックオフで始まった決勝戦。先制したのは韓国チームでした。開始早々から韓国ペースで試合が展開。開始3分にJAPANは自陣22m付近でペナルティを犯し、PGを決められ、先制点を許してしまいました。その後、JAPANもペースをつかみ、敵陣に攻め込み、2回PGを狙いましたが、2回ともゴールを反れ、得点することができませんでした。

しかし、その後もJAPANのペースで試合が進み、敵陣ゴール前5mでのマイボールラインアウトのチャンスを得ました。ここからモールを形成し、ドライビングモールでトライを狙いましたが、相手の反則もあり、なかなか前進することができませ。JAPANチームはBK展開に切り替え、攻撃を仕掛けましたが、ロングパスしたボールを韓国のCTBがインターセプトし、一気に80mを独走され、トライを奪われてしまいました。前半はチャンスを生かすことができず、0対10で終了しました。

後半は韓国チームのキックオフからスタートしました。そのキックオフのボールをJAPANはファンブルしてしまい、韓国にボールを奪われてしまいました。その後、韓国はしつこくフォワードラッシュを繰り返してきますが、JAPANのフォワード陣もロータックルで相手の前進を阻止していました。しかし自陣22m中央で痛恨のペナルティを犯してしまいました。そのPGが成功し、0対13と後半も先制されます。その後も後半16分にPGを成功され、0対16とリードを広げられてしまいました。

後半18分にJAPANはフォワードとバックスが一体となった連続攻撃で、敵陣に攻め込み、最後はWTBの朝見選手がトライをとり、5点を返しました。その後もJAPANは果敢にアタックを繰り返しますが、20分、26分と相手にターンオーバーされ、トライを許してしまい、5対28とリードを広げられてしまいました。JAPANは最後まで勝負をあきらめず、攻撃を続けインジュアリータイムに朝見選手がステップで相手を振り切り、意地のトライをとり、10対28としたところでノーサイド。

JAPANは試合を通して、意図した戦い方をすることができず、敗戦してしまいました。しかし選手はノーサイドの笛がなるまで勝負を捨てずに本当によく戦ってくれました。応援してくださった皆様には、2連覇の報告ができず申し訳ございませんでした。

選手達は約2週間程生活を共にし、しっかりと一つの「チーム」にまとまりました。帰国後彼らはまたそれぞれのチームへ戻りますが、この「チーム」として、負けて得たこと、勝って得たこと、練習で得たこと、そしてそれ以外の生活で得たことなど、ここで培った様々なことを自分の財産としてこれからのラグビー人生に生かしてくれればと思っております。戻れば花園がひかえている選手もいます。彼らの花園での活躍も楽しみです。そして、もっと長いスパンで彼らの活躍をスタッフ一同楽しみにしています。

12月17日(金)

午前中に決勝戦の対戦相手である韓国チームの対策ミーティング。松村テクニカルコーチが韓国チームの戦い方をわかりやすくビデオに編集しプレゼンテーションを行いました。選手はみんな真剣な顔つきでメモをとりながらビデオを見ていました。石塚監督からは「まずは、目の前にいる相手との勝負に勝つことが大前提」とのお話があり、今まで練習をしてきた、タックルで韓国チームに圧倒することを確認しました。午後からの練習は約1時間の短時間で集中した練習を行いました。選手達は一つ一つの練習を真剣に丁寧に行っていました。

今回の遠征で欠かすことができない存在であるリエゾン(世話役)の「王隠林さん」の紹介をいたします。王さんは雲南大学4年生で日本語を学んでいます。今回は大会のボランティアで参加してくれています。過去にはJASや日本の実業団の陸上チームが合宿に来た際の通訳を経験しており、日本語は日常生活以上の会話ができます。ここ中国では、英語はほとんど通じないので、王さんの存在がなければチームはまったくといっていいほど機能しません。王さんは非常にまじめでチームのリクエストに100%答えてくれます。食事の調整やバスの手配、試合会場でのマネージメント、買い物のサポートなどフル回転で頑張ってくれています。責任感が非常に強く、「日本チームのことはすべて私の責任」と感じてくれており、今や信頼できるチームの一員です。

12月16日(木)

準決勝の中国戦は26対10でJAPANが勝利しました。

相手の中国はこの試合に勝てば3月に行われるU19ワールドカップの切符を手に入れることができるとあって、試合前のウォームアップから気合が入っていました。JAPANもそれに負けないくらい気合の入ったウォームアップでキックオフを向かえました。

JAPANは第2戦目の課題であった精度の高い継続プレーを連続し、ボールを支配していきました。開始2分敵陣22mのラインアウトからモールドライブをかけ、ショートラックからプロップ土井選手が押し込んでファーストトライを奪いました。

その後もJAPANペースで試合が進み、またしてもラインアウトモールを押し込んでフランカー森山選手がトライを決め、10対0としました。前半24分、27分とスタンドオフ高橋選手が敵陣22m中央のペナルティーゴールを慎重に決め、16対0としました。しかし、中国もサイズを生かしたフォワード陣の縦とバックス陣の正確なキックでJAPAN陣内に何度も攻め込んできました。前半終了間際では中国に連続攻撃をゆるし、今大会初めてのトライを奪われてしまい、16対7の11点差リードで前半を終了しました。

後半2分には敵陣10m付近からバックスとフォワードが連続攻撃を仕掛け、最後はウィングの中園選手が左中間にトライを奪いました。しかし、中国は強い精神力と激しいタックルでJAPANのアタックを阻止してきました。JAPANの選手たちにも、やや焦りが見られ、自陣22m中央でペナルティを犯してしまい、中国にペナルティーゴールを決められ21対10と11点差まで追い上げられました。

中国のペースになりかけた時、その流れを断ち切ってくれたのが今大会のトライゲッターである中園選手でした。相手のロングキックをフルバック宮本選手がキャッチし、中園選手にロングパス、そこから約40mを華麗なステップで相手を抜き去り右隅にトライを決めました。このトライでJAPANもペースを取り戻すことができました。

その後、中国の激しい攻撃をJAPANは個人のタックルと組織防御でしのぎ、得点を許しませんでした。今大会のホームチームである中国チームは激しく、基本に忠実なとてもいいチームでした。ここ数年で劇的に強化されていることを痛感しました。

決勝の相手は準決勝でスリランカに48対9で勝利した、宿敵・韓国となりました。韓国チームもサイズの大きな選手がいる相手です。18日の決勝に向けて最高の準備をしたいと思います。最後まですべての局面で油断をせず、2連覇をしたいと思います。応援よろしくお願いいたします。

12月15日(水)

16日の中国代表戦に備え、午前9時30分から練習を開始しました。JAPANの練習会場と隣り合わせに宿敵韓国代表が練習をしていました。過去のアジア大会決勝戦の相手はすべて韓国でした。昨年は韓国を破り、アジアチャンピオンになりました。必然的に韓国を意識してしまいますが、準決勝の対戦相手は「中国」です。練習開始前には石塚監督から「まずは中国戦を意識した練習をしよう。一つ一つのプレーを丁寧に行い、腹から声を出して練習していこう」との言葉から練習が開始されました。

練習内容は昨日のシンガポール戦の課題の修正を中心に組み立てられました。シンガポール戦のハンドリングエラーは『18回』ありました。その『18回』のエラーを修正すべく、継続プレーのドリルが松村コーチの指導のもと行われました。その後、ユニットに分かれ、ディフェンスの確認が行われ、チームラン終了となりました。短時間の練習でしたが、全員が集中した練習をすることができました。

午後は、気分転換のために、昆明市内にショッピングに出かけました。ここでちょっと中国の交通事情を紹介します。道路は3車線で形成されており、右側通行です。日本と大きく異なるところは「車、自転車、バイク、馬車、人」が道路に入り乱れているところです。横断歩道でないところでも平気で横切る人がいたと思えば、走行中の車の脇1m以内に自転車が走っていたり、マイペースに馬車が走っていたりと日本では考えられない状態です。なお、信号無視は当たり前のように行われています。バスやタクシーの運転も非常に粗く、急ブレーキ、パッシング、クラクションが当たり前のようです。事故が起こらないのがとても不思議なくらいです。

ショッピングは昆明市内の中心部で行いました。昆明の市街地は人でごったがえしており、とても賑やかなところでした。選手は日本で応援してくれている関係者の皆様へのおみやげ探しに大忙しでした。短い時間でしたが、いい気分転換ができたと思います。

夕食後は心機一転、中国戦に向けてのミーティングが行われました。中国の戦い方を松村コーチがビデオを用いて説明しました。中国はとてもサイズがあり、激しいタックルが特徴的なチームです。しかも、相手はホームで、3月に行われるU19世界選手権大会の切符をかけた一戦です。決して、油断して勝てる相手ではないことを再度全員で確認しました。しかし、JAPANがベストを尽くせば決して負ける相手ではありません。1、2戦の課題を修正し、中国に圧勝したいと思います。

12月14日(火)

第2戦目のU19シンガポール代表との一戦は57対3で勝利し、2勝目を挙げました。

しかし、内容は決して良いものではありませんでした。開始早々から、JAPANは何度もチャンスをつかみながら、ハンドリングミスを連発してしまい、なかなかペースに乗ることができませんでした。

ファーストトライは開始6分、ハーフウェイライン付近のラックからバックスへ展開、最後はトライゲッターの中園選手につなぎ、トライをとりました。その後も自らのミスとレフリングに戸惑い、なかなかペースに乗ることができず、トライを取るべきところで取りきれませんでした。前半は12分と29分にバックス展開でトライをとり、21対0で終了。

ハーフタイムでは、石塚監督より、「雑なプレーをやめ、丁寧にボールを継続していこう」との指示がありました。しかし、後半においてもレフリングに対応しきれず、ペナルティーを連発してしまい、後半4分、相手にペナルティーゴールを決められてしまいました。その後はJAPANも丁寧なプレーを心掛けるようになり、ペースをつかみ出しました。後半の11分、23分、30分にはフォワードがモールを押し込み、トライを重ねました。点差は開いた試合でしたが、課題を多く出した試合でした。2戦目になり、コンビネーションが合ってきた部分は多くありましたが、接点での継続プレーの課題が明確になりました。

試合終了後は次の対戦相手となる「中国 vs 台湾」の試合を全員で観にいきました。結果は中国が31対5で圧勝しました。中国は今回ホスト国ということもあり、かなり強化しているようです。大型のフォワードと俊足のバックスを揃え、決して油断して勝てる相手ではないということを全員が確信しました。明日の貴重な練習時間をつかって課題を修正し、中国戦につなげていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします。

12月13日(月)

午前9時30分から練習開始。内容は昨日のタイ戦の課題修正がメインです。石塚監督の「集中力を切らさずに1時間30分の練習をやりきろう」との言葉で練習を開始しました。選手はこれにこたえ、最初のウォーミングアップから集中していました。ユニット練習の前に第2戦目のメンバーが発表されました。最後に行われたチームランでは、初戦でみられたフォワードとバックスの連携ミスもなくなり、とても集中力の高く精度の高い練習ができたと思います。

宿泊施設である昆明トレーニングセンターの紹介をさせて頂きます。広大な敷地内にサッカー・ラグビーグラウンドが10面以上あります。その他、ボウリング場、ビリヤード場、室内テニスコート、卓球台ならびにトレーニングジムなどがあります。選手・スタッフの部屋もかなり豪華なつくりになっています。初戦が終了するまでは、試合に集中すること、環境に適応することなどが優先のため、これらの施設を自由時間に使用することを禁止していましたが、今日から決勝の3日前までの使用許可が石塚監督より出ました。午後はさっそく、リフレッシュのためボウリングをする選手たちもみられ、自由時間を楽しんでいました。

夕食前に、前日からチームに合流した松村テクニカルコーチから第1戦目の分析ビデオのミーティングがありました。いくつかの課題を編集したビデオをみながら、わかりやすい説明がされ、選手みんな真剣な顔つきでみていました。

夕食後には、第2戦目に向けたミーティングが行われ、戦い方の統一がされました。特に「ディフェンスで前に出ていくこと」が強調され、JAPANらしい、相手の膝下に刺さるロータックルを決めることを確認しました。

12月12日(日) 遠征3日目 初戦

いよいよ初戦。対戦相手はタイです。キックを中心に脚の速いバックスを走らせてくるのが特徴です。

キックオフは10時30分。その時間から逆算し、試合までのタイムスケジュールが組まれました。ウォーミングアップは9時30分からスタート。初戦ということもあり、選手達はやや緊張気味にみえましたが、アップが始まるといつも通り大きな声でコミュニケーションをとり、気迫のあるアップができました。

10時30分にJAPANのキックオフでゲームがスタートしました。開始早々はJAPANの選手達の動きにやや硬さがみられましたが、開始4分に相手キックをWTB中園選手がカウンターアタックをしかけ、約40mを走りきり先制のトライをとりました。FB宮本選手のコンバージョンが成功し、7対0となりました。その後、11分にバックスとフォワードが一体となって継続し、最後は中園選手が左隅におさえてトライ。コンバージョンは不成功で12対0となりました。このままJAPANのペースで試合が進むかと思いましたが、JAPANのイージーミスやレフリングにやや戸惑い、余計な反則を繰り返し、タイにペナルティーゴールを決められ、12対3となりました。

そのまま前半20分までタイのペースで試合が進みましたが、敵陣10m付近のモールからバックスでワイドに展開し、WTBの朝見選手がトライ。右隅からの難しい位置のコンバージョンを宮本選手が決め、19対3とリードを広げました。その後、タイチームのキックでピンチになる場面もありましたが、JAPANのフォワード陣の頑張りでピンチを打破することができました。両チームともに1ペナルティーゴールを決め、前半は22対6で終了しました。

後半、JAPANはメンバーを4人代えてスタート。後半8分にJAPANが今まで練習で取り組んできた「立ったままの継続プレー」でボールを継続し、最後はキャプテン猿田選手がトライをとりました。ここから前半にみられた選手達の硬さもとれ、練習でやってきたことが発揮されるようになってきました。その後、JAPANは3本のトライを取り、最終スコアは46対9でノーサイドとなりました。

初戦に勝利することができましたが、いくつか修正点が明確になりました。明日の練習で修正し、第2戦に臨みたいと思います。大きな怪我もなく、選手23名みんな元気に生活しております。今後も応援のほど、よろしくお願いいたします。

12月11日(土) 遠征2日目

初戦に向けての最後の練習日です。試合開始時間が10時30分ということもあり、午前7時に起床し散歩をしました。こちらは、7時でもまだ夜が明けてないため、薄暗い中の散歩から一日がスタートします。

ホテルでの食事はすべてバイキング形式で、当然、本場の中華料理です。事前情報では、日本の中華料理とはだいぶ味付けが異なるとのことでした。そのため、日本から『ふりかけ』『しょうゆ』『梅干』などを用意してきましたが、それに反して、宿泊先の食事はとてもおいしく、選手たちは大変満足しています。

練習は試合の開始時間に合わせて9時30分からスタートしました。練習開始前に石塚監督から明日の試合のメンバーが発表され、選手の顔つきも一気に本番ムードに高まりました。梶原コーチのウォーミングアップから大きい声でコミュニケーションをとり、一つ一つのプレーの精度を高めることを意識して行いました。

夜のミーティングでは、石塚監督よりジャージーの贈呈式が行われ、キャプテンの猿田選手より力強い決意表明がありました。

アジア大会は短期決戦のため、明日の初戦が非常に重要な意味を持ちます。JAPANらしい攻撃的なタックルから活路を見出し、必ずや「ノートライ」に抑えて完勝できるように選手・スタッフが一丸となって初戦に臨みたいと思います。

12月10日(金) 遠征1日目

昆明に来て本格的な練習がスタートしました。ここ昆明は陸上長距離の高地トレーニングにも頻繁に使われています。そのため、午前中の練習では高地の環境に慣れることと、ディフェンス練習がメインとなりました。

ディフェンス練習では梶原コーチの指導のもと、ポジショニング、コミュニケーション、ダブルタックルなどのドリルが行われました。選手は激しいロータックルを繰り返し、とても激しく実戦に近い練習をすることができました。その後、練習の最後には高地の環境に慣れるためにフィットネストレーニングを行いました。選手全員がすべての練習を真剣に取り組んでくれたおかげで、初戦に向けて最高の準備をすることができました。中国に来て、初めての本格的な練習でしたが、長旅の疲れもみせず、全員が元気に生活しております。

明日は初戦前最後の練習となります。初戦から、今までの練習の成果が発揮できるように集中した練習をしていきたいと思います。