2月5日(土)

チャンピオンシップ当日。Japanはボウルトーナメント準々決勝でトンガと対戦しました。立ち上がり0分でいきなりトライを奪われ出鼻をくじかれたJapanは、その後も大きな相手に食らいつくも組織でプレッシャーを掛けられず、前半4分までに3トライを献上しました。しかし前半7分にボールをつないで、ルーキー篠塚が初トライ。後半にも今大会大活躍のアシュレイ選手のトライで15対12とワンチャンスの射程圏内に迫りましたが、終了間際に力尽き惜しい敗戦を喫しました。

この結果シールドトーナメントに進出したJapanは準決勝でUSAと対戦しました。練習試合も組んでお互い手の内を知っている間柄ですが、4分の蠣崎のトライを皮切りに篠塚、山田、山口、アシュレイ選手らが次々と相手ゴールラインを駆け抜けて、29対12と快勝しました。

決勝の相手はニウエ。聞き慣れない方も多いと思いますが、トンガの隣に位置するNZ領の島国で、何人かはNZでプレーするなかなかの強豪です。Final Time ということもあり3万人以上の大観衆の中で果敢に挑んだJapanは、蠣崎、小吹、アシュレイと3つのトライを奪いましたが、ディフェンスのミスから5トライを奪われ、残念ながら19対29で敗れました。

カップトーナメントでは若手で臨んだNZが地元声援の後押しを受けて、圧倒的な力で優勝カップを手にしました。決勝まで進んだのは進境著しいアルゼンチン。体格の差をスピードで補うスタイルは、今後のJapanにお手本となる戦いぶりでした。また南アの切れのある動き、Fijiの底力、オーストラリアの個人技など、世界のトップ7に入る常連国の仕上がりも順調にきているようでした。

Japanのワールドカップ本選での目標はベスト8ですが、その最後の座を争うことが予想されるスコットランド、フランス、トンガとの対戦では、常に手ごたえを感じながらも得点で上回ることは一度もできませんでした。この届きそうで届かない差をどう埋めるのか。また未知数であったケニヤや新メンバーで来たカナダ、そして今大会は不参加の韓国を含め、ライバル国に立ち向かっていくためにやらなければいけないことがたくさんあります。

いよいよワールドカップ本選まで残り1ヶ月半。来週の韓国合宿を経て最終メンバーを決定し、3月上旬に香港に乗り込む予定です。今後ともご声援のほど、よろしくお願いいたします。
(コーチ兼チームマネージャー/佐野 順)

チームMVPのネイサン・アシュレイ選手のアタック
チームMVPのネイサン・アシュレイ選手のアタック

シールド決勝戦 "チーム一丸"

NZ協会会長タネ・ノートンによる表彰式プレゼンテーション
NZ協会会長タネ・ノートンによる表彰式プレゼンテーション

大観衆にお別れのパフォーマンス/土俵入り
大観衆にお別れのパフォーマンス/土俵入り

2月4日(金)

ウエリントン・セブンズ1日目。結果は予想以上に厳しいものとなりました。

予選プールC組のJapanは初戦でまずフランスと対戦しました。立ち上がりから単純なミスタックルによってトライを奪われた後、アシュレイ選手の惜しみないプレーによって1トライを返しましたが、大事な時間帯である前半終了間際にもトライを奪われ、流れを掴みきれないままハーフタイムを向かえました。後半に入ると途中出場の柏原選手が相手をスピードで振り切ってトライを返しましたが、時すでに遅し。内容的には手応えを感じながらも12対21で敗れました。

続く南ア戦は若いメンバーの経験不足とベテラン勢のフィットネス不足が露呈し、前半だけで5トライ、後半にも3トライを奪われ、セブンズでは大敗にあたる50点をとられてしまいました。世界のベスト4に位置する南アに完璧にやられましたが、このような中でも今大会初参加の篠塚選手のダイナミックなプレーは、今後に向けて充分期待を持たせるものでした。

第3戦の相手はスコットランド。一人一人のタックルを課題として臨みましたが、効果的なコミュニケーションがとれないので、組織立って相手にプレッシャーを掛けられません。結果5トライを奪われ12対31というスコアで敗れ、残念ながら3戦全敗で初日を終えました。この結果グループCの4位となり、5日はグループD3位のトンガとボウル・トーナメントの初戦で顔を合わせることになりました。

大きな相手に目指すディフェンスができるかどうか。Japanの挑戦は続きます。

初日のスタンド

南アフリカ戦
南アフリカ戦

ハーフタイム
ハーフタイム

スコットランド戦
スコットランド戦

2月3日(木)

今日は昨日とうって変わって暑い一日となりました。午前中は最後の仕上げとしてコンビネーションを中心に、1時間半近くの練習をこなしました。とにかく世界の強豪相手に目指すディフェンスができるかどうかが鍵となるので、今日を含めてしっかりと肩を当ててタックルすることに重点を置いてきました。

パレード
パレード

午後は全チームが車の荷台にそれぞれ分乗して、市内の中心をパレードしました。沿道には多くの子供たちや勤務中のビジネスマンたちが集まり、大変な盛り上がりをみせています。選手は小さなチョコレートを餅投げのように配り、観衆の声援に応えていました。昨日の空港閉鎖の影響で到着が遅れていたフィジーやケニアも揃い、市庁舎前の歓迎セレモニーでは16チームの選手全員が顔を合わせました。壇上では各チームのキャプテンが呼ばれ、山本主将もMCからの質問に英語で答え、特にJapanチームのメンバーから拍手喝采を浴びていました。

さて今回リエゾンとしてJapanチームに付いてくれているMike、そして日本人の桜井さんにはとてもお世話になっています。彼らのパーフェクトな仕事ぶりは、選手・スタッフにとって心強い支えとなっています。またその他にも現地在住の鬼虎さんと法政OBの山田さんにも練習等を手伝っていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

最後に今大会が初参加となる篠塚選手(法政大)と柏原選手に、意気込み等を語ってもらいました。

◎篠塚選手

「セブンズは慣れていないので分からないことばかりですが、ここまで一生懸命やりました。明日は勝ちたいです」

◎柏原選手
「初めてで分からないことばかりでしたが、やることをやってきましたので、明日は自分の持てるもの全てを出し切りたいと思います」

スタッフとリエゾン/上段中央がマイク、同右端が鬼虎さん、下段中央が桜井さん、同右が山田さん
スタッフとリエゾン/上段中央がマイク、同右端が記虎さん、下段中央が桜井さん、同右が山田さん

篠塚選手と柏原選手
篠塚選手と柏原選手

スタジアム視察
スタジアム視察

2月2日(水)

" Windy Wellington" と呼ばれるほど風の強いことで有名なこの地。今日はその名に相応しく、強風が吹き荒れる一日となりました。とばっちりを受けたのは本日合流予定であった山口選手。ウエリントン空港が風と濃霧のため閉鎖となり、昼過ぎに搭乗予定だった飛行機も、南島のクライストチャーチで足止めを食ったままという連絡が入りました。IRBの大会本部を通じて空港でアナウンスをしてもらったり、今晩の宿泊の手配をしてもらったりと様々な対策を立てましたが、本人とは依然として連絡が取れないまま。

山口選手、無事到着
山口選手、無事到着

しかしそこはさすがに国際大会経験豊富な山口選手だけあって、ウエリントンから180km程離れたパーマストン・ノースへ飛び、そこからバスを乗り継いで見事に自力でたどり着きました。クライストチャーチでさぞや途方に暮れているだろうと想像していただけに、すっかり株を上げた山口選手でした。

さて今日の午後はUSAとの練習試合。疲労もピークに近いなか、7分を4本行いました。まだまだ課題は多いものの、後半から随所にトライが見られ、段々とチームらしくなってきました。3日は試合前日のため、午前中に最後の仕上げをする予定です。また午後からは大会主催のストリート・パレードに全チームが参加します。

濃霧の中の練習試合
濃霧の中の練習試合

マイボールラインアウト、ん?
マイボールラインアウト、ん?

アイシングで歯をくいしばる篠塚選手
アイシングで歯をくいしばる篠塚選手

2月1日(火)

前日、Japan Sevens Team は無事ニュージーランドの首都ウェリントンに到着しました。さっそく空港ではマオリによるハカの出迎えを受け、早くもニュージーランドに来た実感が沸きました。鼻と鼻を付けて挨拶を交わすマオリ独特の風習を体験した後、一行は一路ホテルに向かいました。

今回は前週のダーウィン・セブンズとは異なり、ワールドサーキットの大会なので、全チームが同じホテルで寝食を共にします。中には他チームの顔見知りとの再会もあって、セブンズならではの親近感を持ちながら滞在しています。

ミーティング
ミーティング

今回は経験者に加え、初遠征組の篠塚選手(法政大)と柏原選手(帝京大)も初日から15人制とは違うセブンズの理解に意欲的に取り組んでいます。金曜日に行われる予選プールは南アフリカ、フランス、そしてスコットランドという厳しい組み合わせですが、山本主将を中心に練習中から厳しさを追求しながら準備を進めています。

なお当初メンバーに予定していたナロリ選手(日野自動車)が怪我のため遠征を辞退し、代わりに昨年の主将である山口選手(コカ・コーラウエストジャパン)が水曜日に合流する予定です。

ハカの出迎え
ハカの出迎え

鼻と鼻で挨拶する山田選手
鼻と鼻で挨拶する山田選手

食事風景
食事風景