4月9日(土)

フランスは、このところ天気があまりよくありません。昨日は雨でしたが、今日は雹(ひょう)が降ってきました。「空から石が降ってきた」とは、クリスチャン選手の表現。以下は、テクニカルディレクター中山氏からの報告です。

◎中山テクニカルディレクター
「フランスに来て11日目。彼ら(フランス人コーチ)と我々との議論も日々ヒートアップし、睡眠時間が奪われる中、彼らの考えるラグビーは、決して我々日本人の考えと大きな差異はないとの確信を持った。その中でも彼らの持つ独特の理論は、世界的にみても体格で劣る日本人にとって非常に重要な要素であり、日本が世界と戦う際に身に付けるべきスキルであろう。簡単に述べると、『スペースを作ってそこを攻める、そのスペースを作るための"扉"を誰がこじ開けるのか』『こじ開けた扉に対するサポートプレイヤーの能動的な動き』『むやみなコンタクトを避ける。そのために接近場面"タックルの中"で如何に球を動かすか』『そしてそこには"スペースの管理"と"時間の管理"がある』といったことになるのかと思う。

非常にいい練習ができている。いままで蓄積してきた日本のラグビーに、フランスラグビーのエッセンスをしっかりと取り入れていきたい」

練習を見守る中山テクニカルディレクター  
練習を見守る中山テクニカルディレクター

4月8日(金)

天気はななか晴れません。日本の2月くらいの寒さです。雨と時折、雪も混じり、まるで冬のようです。しかし練習のほうには熱が入っています。キャプテン箕内選手、バイスキャプテンの大畑選手をはじめとして選手全員が積極的に声を出して活気にあふれています。

練習中何度も円陣を組み、やってきたことの確認、そしてまた次の練習とテンポよく時間は過ぎていき、全体練習終了後も熊谷選手が音頭をとってFWはラインアウトの練習を繰り返します。

フランス合宿が終わりに近づくとともに、南米での2つのテストマッチが間近に迫ってきています。チームのモードも徐々に変わってきました。ここでの寒さももう少し、これから暖かい南米に向けてエンジン全開です。

 

4月7日(木)

降りしきる雨のなか、午前・午後2回の練習を行いました。今回も初代表となったスクラムハーフ、後藤翔太選手のコメントをお伝えします。

◎後藤選手
「日本代表の中でプレーしていて、大学生の時とそんなに大きな差は感じていません。自分自身の思うプレーができればやっていけると思います。代表に選ばれたときは本当に嬉しかったです。日本選手権が終わってからセレクション合宿までずっと練習してきました。実際日本代表としてプレーしていて周りにはテレビでしか見たことのない人が多くて不思議な感じがします。今の宿舎では広瀬さんが同部屋なのですが、ラグビーの話も私的な話も本当に面白く話してくれます。私は日本人が小さくてもやることをやれば勝てると思っています。だからきちんと勝ってそれを証明したいと思います。これからも日本代表の応援をよろしくお願い致します」

後藤翔太選手とチームを支える田島ドクター(右)  
後藤翔太選手とチームを支える田島ドクター(右)

4月6日(水)

すでにお伝えしていますように、4月5日、地元リモージュ選抜との試合が行われ、55-14で勝利いたしました。練習試合であるにも関わらず有料試合となり、観客も小さなスタンドでしたが8割方埋まりました。

終始、日本代表がゲームを支配していましたが時折、リモージュ選抜が素晴らしいプレーを見せると大きな歓声が沸き、その時アウェイであることを改めて自覚しました。

フランスでの合宿も中盤にさしかかり、選手にも多少の疲労感はあるようにも見えますが、話をしていると非常にポジティブで、気持ちは元気なようです。新たに招集されたSHの村田亙選手も無事合流しました。

この日は午前中のリカバリートレーニング後、フリーとなりました。日頃の激しいトレーニングと試合の後ということもあり、しばしの休息です。選手、スタッフの数名はこの地方では有名なリモージュ焼きのお店に行きました。このお店は、古くから続く有名なところで、その昔工場であったことからかまどなどが現在も保存されており、リモージュ焼きの全工程を見学をすることもできます。我々もそのコースを回り、リモージュ焼きの概要を知ることができました。主にカップやお皿などが作られているようですが、世界中の有名ホテルで使われているとのことでした。

お皿や器を焼く工程も非常に興味深かったのですが、やはり出来上がりはとてもきれいでみなさまにもお勧めのスポットです。今日は良いリフレッシュとなりました。

4月5日(火)

リモージュ選抜との練習試合後、箕内キャプテンのコメントです。

「この試合ではアウェイであることを非常に強く感じました。ゲーム内容に関しては、前半と後半ではまったく違ったゲームになってしまいました。しかしこういった経験もこの時期にできて良かったと思います。特に若い選手や初めて代表に選ばれた選手にとっては、貴重なことではないでしょうか。
私自身、2つのテストマッチ前に体の大きな選手とできたこと、チームメイトとのゲーム中のコミュニケーションが取れたことはプラスになったと思います」

箕内キャプテン
箕内キャプテン

4月4日(月)

地元のクラブチーム「USA.LIMOGES」の練習場において、FW/BKに分かれての練習を行いました。このクラブはメインのスタジアム(5日、このスタジアムでリモージュ選抜と対戦)の他にラグビー場が2面、サッカー場、ラクロス場、テニスコートなどがあります。どのグラウンドも芝生の状態が非常によく、大切にされていることが良くわかります。

この時期リモージュ地方は夜7時でも非常に明るく、昼間と変わらないほどです。照明が無くても8時くらいまでなら十分プレーすることができそうです。私たちが宿泊している「CHEOPS87」もラグビー場のほかには、体育館やトレーニングジム、柔道場などがあるスポーツ施設ですが、会議室も豊富で毎日多くの人々で賑わっています。

選手たちは「ボンジュール」ではじまる朝にも慣れ、アドバイザーたちの声にも「ウイ・ムッシュ」と応えています。フランス語でのコミュニケーションも少しずつとれるようになってきました。

選手が宿泊している部屋   グラウンド
選手が宿泊している部屋 グラウンド

4月3日(日)

30歳で初代表となった高橋寛選手に話を聞きました。

◎高橋選手

「正直この歳になって代表に招集されるとは思っていませんでしたので非常に驚きました。周りの反応も大きかったですね。これもまた嬉しかったことです。自分が日本代表として海外のツアーに参加するなんて今までは想像もできませんでした。自分自身このことは本当に凄いことだと思っています。
初の参加でしかも南米遠征というのが、貴重な経験になりますね。この遠征ではキャップ1を絶対に取りたいと思っています。皆さん応援よろしくお願いします」

高橋寛選手  
高橋寛選手

4月2日(土)

フランスに到着して4日。本格的なトレーニングが始まり、徐々にチーム全体の集中力も高まってきています。今回は初代表となる高木選手のコメントをご紹介します。

◎高木選手
「日本代表に選ばれたことを非常に嬉しく思っています。高校時代オール兵庫に選ばれて以来の "代表" と名のつくチームになります。素直に嬉しいです。日頃から私に暖かい声援を送って頂いている方々にもとても応援してもらっています。これが励みになるんですよね。家族も心から喜んでくれています。

元木さんや剛臣さんは、私が高校時代から活躍しているヒーローですから、一緒にいて不思議な感じがします。

やはり日本代表は緊張感がありますね。そして、自分の着ているものに桜のマークがついているのを見るとオーっと思います。同時に使命感も沸いてきます。これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします」

話を聞いている間、表情が明るく本当に日本代表になれたことを誇りに思っているということが伝わってきました。今後も初代表となる選手のレポートをお送りしたいと思います。

高木選手  
高木選手

4月1日(土)

本日より、日本代表選手・スタッフの声を皆さまにお届けしたいと思います。今回は、新たに日本代表テクニカルアドバイザーに就任したJean-Pierre Elissalde(ジャンピエール エリサルド)氏とEdmond JORDA(エドモン ジョルダ)氏の日本代表チームのファーストインプレッションを語っていただきました。

◎Jean-Pierre Elissalde(ジャンピエール エリサルド)氏

「うそは言いません。このチームに合流できて非常に嬉しいです。他のスタッフとやらなければいけない事はたくさんありますが、必ず成功するでしょう。私は家族が好きで普通は家族のことを思い出すのだけれど、その家族を思い出さないくらい集中できている。本当にすばらしいことです」

◎Edmond JORDA(エドモン ジョルダ)氏

「非常に可能性のあるチームだと感じました。皆、理解したことを早く行動に移しています。基本的なことしかしていませんが、集中力がありますね。今回は非常に良い練習ができています。なぜなら選手スタッフが一体となっているからです。いいチームです」

3月31日(木)

3月31日、昨夜までの長時間によるフライトの後を受けて午前中は休みをとり、午後は守田フィットネスコーチによるリカバリートレーニングを行いました。

夜のミーティングでは、フランス人アドバイザーのJean-Pierre Elissalde(ジャンピエール エリサルド)氏とEdmond JORDA(エドモン ジョルダ)氏の二人が選手に紹介され、選手たちの気持ちもさらに引き締まったようにみえました。明日から本格的なグラウンドでのトレーニングが始まります。このレポートでは選手の声やスタッフが感じた現場の雰囲気をお伝えしたいと思います。お楽しみに。

3月30日(水)

3月30日、日本代表はフランス・リモージュへ到着しました。

29日早朝に日本を発った日本代表は、ドイツ・フランクフルトを経由し、約18時間のフライトでフランスへ。宿泊先に着いたのは、午後11:30頃ですので、疲労感は隠せませんでしたが、皆無事にたどり着きました。

明日から、いよいよトレーニングが始まります。異国フランスの地で、選手・スタッフ共に身の引き締まる思いで初日を迎えました。