トヨタ 24-28 早稲田 トヨタ 24-28 早稲田 トヨタ 24-28 早稲田
 

トヨタ自動車ヴェルブリッツの朽木監督(右)、難波ゲームキャプテン
トヨタ自動車ヴェルブリッツの朽木監督(右)、難波ゲームキャプテン

 

◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○朽木英次監督

「昨年と同じカードとなり、昨年の教訓をしっかり踏まえて準備してきました。昨年は油断があったかと思いますが、今年は3週間準備し、選手のモチベーションもありました。正々堂々とやって正々堂々と負けたゲームで、素直に相手が強かったと思います。良い準備をして良いゲームをしました。
トップリーグ代表として学生に負けるのは、本当は許されないことかと思いますが、早稲田はしっかり準備して強いチームだと感じました。前半は風下でいかにチャレンジしながら背後のスペースを突くかというゲームプランでしたが、ディフェンスでは相手のやって来ることを研究し過ぎたかと思います。外に意識がいって、10番の曽我部君に抜かれるところがありました。もう少しBKでプレッシャーをかけられたらと思います。ハーフ団に目が行きがちですが、FWの強さは予想通りでした。ブレイクダウンではボールキャリアーに対するアライビングプレーヤーが入るのか引くのかを判断するよう指示しましたが、向こうのサポートプレーヤーに早く良い姿勢をとられてしまったと思います。また、昨年はティアティアを近めに当てて苦戦しましたので、ボールをもう一つ外のインサイドセンターまで運ぼうとしましたが、シーズン中のやり方と違い、ミスも起こったと思います」

○難波英樹ゲームキャプテン
「まず、はじめに大観衆の中、また、少数ですがヴェルブリッツファンの前でこのような試合ができて嬉しく思います。良い試合でしたが、完敗です。プレーに集中していたので、早稲田への大歓声はまったく気になりませんでした。
(終了間際のペナルティでFWが突っ込んだのは)早稲田さん用にスペシャルサインを決めてあったのですが、コミュニケーション不足でうまくいかなかったのが現実です。トヨタは風下を取って、前半は耐えて後半一気に行くプランで、前半は10点差以内ならと思っていましたので、ハーフタイムでは特に焦りはありませんでした。3年前、トップリーグ昇格を逃した試合のキャプテンをやりましたが、あの時と同じで、敗戦が来シーズンの始まりだと思います。2度やってしまったことは3度はやらないという覚悟でシーズンに入りたいと思います」

トヨタ 24-28 早稲田 トヨタ 24-28 早稲田 トヨタ 24-28 早稲田
 

早稲田大学の清宮監督(右)、佐々木キャプテン
早稲田大学の清宮監督(右)、佐々木キャプテン

 

◎早稲田大学
○清宮克幸監督

「1ヶ月以上、今日の日に向けて準備してきました。一言でいうと学生たちが期待に応えて良くやってくれた試合でした。
(目が赤いが、という質問に)最近、本を沢山書いているので、執筆疲れとしておきましょう(笑)。去年、一番差があったのがスクラム、ラインアウト、モールでした。この3つをチームづくりの柱にしてきました。ファーストスクラムでいけると確信しました。ラインアウトもスカウティングの成果と、インテリジェンスというか、相手の動きを読んで、ターンオーバーを半分以上できたのではないかと思います。トヨタのラインアウトは研究し尽くしてはいませんが、ほぼイメージどおりでした。風が吹いて向こうの後ろへキックしたボールも曲がって、天も我らに味方したという感じですね。

トヨタ 24-28 早稲田

トップリーグでトヨタがいちばん失点しているのがモールプレイでしたので、ここは絶対早稲田もいけるはずとプランを立てましたが、そのとおりいけました。しかし、何より、スクラムです。スクラムがいければ、モールもいけるんです。今日は早稲田FWの勝利だと思います。
今日のような雰囲気でゲームするのはスポーツ選手として至福の時だと思います。素晴らしい観衆だったと思います。東芝に対しても準備しています。トヨタ・東芝戦を分析し、トヨタに対してトップリーグの一番強いチームがどう戦うのかを参考にさせていただきましたから。
(キャプテンは木曜日、練習に不参加だったが)もちろん、出場させるつもりでした。お前が出ないんなら、俺も辞めるという感じです(笑)。去年まで早稲田の慎平(トヨタの内藤選手)が今日はベストパフォーマンスじゃないですか。お互い、力を引き出すというか、高め合うことができたと思います。90年代は社会人ラグビーが金、人、モノを得て右肩上がりで成長した10年でした。学生は停滞していたと思います。私が監督になって、その差を縮めた5年でした。昔、同じくらいの位置にいて、開いて、縮まってきた、やるだけやったことが返ってきたと思います。
勝って『やった』という気持ちはもちろんあるのですが、今日のテレビや新聞にどう報道されるか、気になります。トリノで大変だと思いますが、世の中、ラグビーでこういう素晴らしい感動もあるんだということをぜひPRして頂きたいですね」

○佐々木隆道キャプテン
「去年、この試合で負けて悔しい思いを引きずって1年間、このチームでやってきました。今日の試合は清宮さんが築いてくれた早稲田のラグビーを見せようと自分にいい聞かせて臨みました。トップリーグの上位チーム、オールブラックスの選手も居るチームに勝てて嬉しく思います。次の東芝府中にも借りがあるので、ぜひやってやりたいと思います。
すべて、スクラムもタックルも最初のコンタクトの部分で全員いけると感じたようです。スクラムも最初に1本組んだら前田が「今日はいける」といっていました。(今日だけかよ、と清宮監督の突っ込みが入る)僕もいけると思いました。うちは風上なので、最初から取れるだけ取って、後半粘っていこうと思っていました。東芝さんは日本代表が沢山いるチームですので、僕たちがどれだけできるのか楽しみでしょうがないです。
(来年、早稲田と当たったら)後輩たちとこういうゲームができたら本当に幸せです。試合があれば厳しさを教えてやりたいと思います(笑)。
(最後の攻防で守りきったのは)必死でした。とにかくターンオーバーしようと、それだけです。余裕はありませんでした。
(勝った瞬間は)みんな結集してすごく喜んでいるので、ああ良かったと。(他人事かよ、とまたまた清宮監督の突っ込み)今年ほど周りのみんなのためにと思ってプレーしたのは初めてです。僕らを動かす良い人間がいて、そういう人たちが泣く顔は見たくありませんし、清宮さんに、負けて辞めてもらうわけにいきません。来週もでっかいプレゼントをしたいと思います」