10月23日、日本協会において、ラグビーワールドカップ2007 アジア地区最終予選に向けての日本代表のメンバー26名の発表会見が行われました。会見の要旨をご紹介します。

  太田ジェネラルマネージャー兼ヘッドコーチ
記者の質問に答える太田ジェネラルマネージャー兼ヘッドコーチ

◎太田GMコメント
このアジア地区最終予選は、今シーズンの代表活動における最重要ターゲットとして位置づけており、来年フランスで開催される「ラグビーワールドカップ2007」の出場権を獲得すべくまい進して参ります。

我々のテーマは「プレッシャーをかけ続ける」こと。全ての局面においてプレッシャーをかけ続け相手を圧倒します。

また、チームのキーワードは「スピード&プレッシャー」としました。スピードに関しては、時間的な速さと物質的な早さの両方をおいています。選手選考においては、このキーワードに基づき

  • アタック、ディフェンスへの動き出しの速さ
  • パスの速さ
  • 判断の速さ

等を選手選考の柱として選手を見極めました。

さらに、各ポジション共に、ジャパンスタンダードに求められるポジションスキルを設定し、この点も選考基準としています。

なお、今回のメンバー選考については、春シーズンの日本代表活動と夏合宿、そして9月から行われているトップリーグを総合的に評価して選出しました。トップリーグに関しては、私・太田と永田・中山のコーチングスタッフで前半節全試合のスカウティングを行いました。

アジア最終予選は、来年のワールドカップの出場権を獲得することはもちろん、内容にもこだわり、世界で通用するものを追及したいと思います。

ケガ等もあり呼びたくても呼べなかった選手もいましたが、このメンバーが現時点で、日本を代表するに相応しい26名だと思っております。

なお、このチームのキャプテンは、大畑選手にお願いすることにしました。彼のリーダーシップ、実績・存在感、グラウンド外での姿勢など、このチームを任せられるのは彼しかいませんでした。彼と共にワールドカップ出場権を獲得したいと思います。

選手たちのコンディションに関しては、夏合宿からトップリーグと試合をこなしていますので、試合勘については問題ありません。トップリーグでの疲労を取り除きながら、まずは、30日からの国内合宿と4日のオーストラリア首相フィフティーン、10日のレッズ戦でチーム力を高めて最終予選を迎えたいと思います。

我々の強みは、バック3の決定力。いかに彼らにボールを集めることができるかという部分を詰めて行きたいと思います。もちろん、それには、FWのセットプレーの安定が不可欠ですし、BKについては、1stフェーズでいかに前に出られるかが勝負になります。そういった意味でSO、CTBには、前に出られて足でもパスでも勝負できるメンバーを入れています。

私としては、FW陣にはスクラムトライを狙って欲しいと思っています。そういうスクラムを日本は組めると思っています。

■記者の質問に答えて

――春のメンバー中心と話していましたが、余り多くありません。その理由は?

「先に述べましたとおり、春シーズンの日本代表活動と夏合宿、そして9月から行われているトップリーグを総合的に評価して選出しました。春のメンバーの中でケガ等の理由で試合に出ていない選手もいますし、トップリーグ現在のパフォーマンスを選考材料として決定しました」

――SOとCTBの選出理由は?

「先に申し上げておりますとおり、今シーズンのトップリーグのパフォーマンスを見た結果、現在、日本においてトップの選手であるからです。我々が目指すのは、勝負できるバック3にいかにボールを渡すか。そのためにFWには安定したセットプレーを望みますし、SH、SO、CTBには前に出る力とボールを運べる力を望んでいます」

――呼びたくても呼べなかった選手は?

「ケガ等により呼べなかったのは、PR長谷川、LO熊谷、SO廣瀬、CTB今村、WTB遠藤、FB立川。廣瀬・今村を除く4名は負傷です。

その他、SO廣瀬とは、彼本人に再度意思確認をしましたがやはり、『一度(日本代表の)引退を表明している』ということで本人の意思を尊重し外しました。

今村については、卒業に関わる授業を残しているということで彼の将来も考えた上で今回は選出しませんでした」

――ケガをした場合のバックアップメンバーは考えていますか?

「もちろん、考えています。既にチームには伝えています」