7月4日(水)。茨城県ラグビーフットボール協会は、常総学院高校 石塚武生監督と共に初等、中等少年院「水府学院」でタグラグビーの指導をしました。
この事業は、子どもから高齢者まで多くの県民を対象にさまざまな事業を展開し、学習機会や活動場所の提供を行っている茨城県水戸生涯学習センターが、昨年末の教育基本法の改正を受け、平成19年度の提案事業として「生涯学習移動講座(矯正施設編)」を計画し、実施したものです。

この日は、雨模様のために体育館での実施となりましたが、指導者も生徒も熱気を帯びた講座となりました。2時間の講座は、石塚監督による約30分間の講演から始まりました。石塚監督とラグビーの出会いや大きな怪我をした時から復帰までの話、そして指導者として自信を無くし、単身渡英しての実体験。「学校では得られないものが社会にはあるものだ」と、自らの経験をもとに熱く語りかけました。

そしていよいよ実技指導。ゲームをしながらの細かいルールの説明。少年たちの運動能力の高さに驚く石塚監督。トライを取るごとに、少年たちからは温かい大きな拍手があり、心に熱いものが流れました。
石塚監督は、トライをとった少年よりもラストパスを出した少年を誉め、ミスをした少年には、そのことを責めず「一生懸命のプレーに謝ることはない」と、チームワークの強調。少年たちは、自然にラグビー精神を体得した講座となりました。

その後石塚監督は、94名の少年全員と体当たり体験。身体はあざだらけになりましたが、本物のラグビーの楽しさを伝えました。
最後には、少年たちと出会えたことへの感謝の言葉を涙ながらに訴え、熱いタグラグビー講座が終了しました。少年たちの目からも、光るものが流れていた感動的な全国初の試みでした。
(茨城県ラグビーフットボール協会普及育成委員長 小沼公道)

  講演する石塚氏
 
講演する石塚氏