ATQ海外派遣選手として、オーストラリアNSW協会に派遣されていたサントリーサンゴリアス所属の前田航平選手が、3ヶ月の派遣期間を終え、去る7月13日に無事帰国しました。その後、帰国早々日本代表スコッドの中標津合宿に追加召集され、先日帰国した金選手と共に代表にチャレンジしました。

残念ながら先日発表された日本代表ワールドカップスコッドには選出されませんでしたが、オーストラリアでの経験を生かし、前田選手が今シーズンどのような活躍を見せてくれるかご注目ください。

◎前田選手

帰国した前田選手
帰国した前田選手

「4月16日から7月13日までの3ヶ月間、オーストラリアでのATQ活動を怪我なく無事に送ることができました。今回の活動は自分のラグビー人生においてとても重要なものになりました。はじめはプロップとしてスクラムのことを学びに行ったのですが、スクラムだけでなくフットボーラーとしてのスキルの重要性を教えられました。練習もとにかく基本スキルの徹底で、一つ一つのプレーを、基本を理解しながら、ひたすら練習しました。

活動を通して特に感じたことは、現地のプレイヤーのコンタクトゾーンでの身のこなし方のうまさです。コンタクトする直前にいかにずらすか、腕や手を使ってDFと戦い、いかに有利な体制でボールをキープするかというテクニックが体のサイズに関係なく特にうまく、そういったところでのスキルの差が試合の運び方に大きな影響をもたらしているのではないかと感じました。それを可能にするものは体幹の強さで、自分にとっての今後の課題であると感じます。

ひとつ面白い話があって、クラブチームで自分のチームがどうやって攻めたいのかわからないとアカデミーのコーチに相談したところ、「そんなものは1対1で勝てば2フェイズ以上いらないだろ、だから難しい攻め方なんてほとんどない。それに、ボールもって走ると楽しいだろ。ボールもってプレーするためにラグビーしてるんだろ」といわれ、オーストラリア(NSW)では子供のころから1対1のスキルを重視しており、そこで強い人間がプロになってチームプレーをするから強いチームになるんだということを教えられました。トライネーションズをみてもフロントローがボールを持って走る場面もかなり見るし、全員が高いレベルの基本スキルを持っていてこのレベルに勝つにはもっと強く、うまく、走れるようにならなければと思いました。

今回ワールドカップのスコッドからはもれてしまいましたが、4年後のワールドカップに出場できるようこの留学での経験を生かし、がんばっていこうと思います。

最後になりましたが、この合宿を計画してくれた協会の皆様、3ヶ月の長期にわたり送り出してくれたサントリーの皆様、受け入れてくれたNSW協会の皆様、ホームステイの家族に心から感謝を申し上げます」