技、スピードに勝る日本代表は、最後までコントロールされたプレーを展開、アラビアンガルフ代表に攻撃のチャンスを与えず、114-6と快勝した。得点のパターンは明確で、個人技でディフェンスを振り切り強引なトライを望むのではなく、チームプレーによるパスを重視し接点を少なくした展開が大量得点につながった。 SOからCTB、WTBへのコンビネーションが良く、飛ばしパス、CTBが内に切れ込みモールを形成、すばやく出して2、3次攻撃を行う継続的なタイミングの良いパスによる得点が多かった。 開始1分、相手PKからこぼれたボールをつなぎラックを形成、10番アレジのパスキックを8番箕内がキャッチ、そのままトライするなど全般を通してキックは正確で、10番がWTBを走らせ前方に落とし陣地を拡大する攻撃、スクラム・セットプレーから9番がハイパントキックをしてフォワードの前方に落とす攻撃が効果的あった。フォワードプレーではゴール前ラインアウトからモールで獲得したトライが4本あった。スクラムは安定せずフォイールする場面もあったが、フランカー陣の動きがよく相手スクラムから出るボールを良く見て得点につなげたケースもあった。(後半31分のトライは、No8篠塚19番) 試合の継続性も意識され、前半39分のアラビアンのペナルティゴールの不成功からも積極的に攻め、相手ゴール前のラインアウトに持ち込むまで、一気に走りきり前半最後のトライに結びつけた。このような積極的な展開が後半にも維持され、交替選手の好プレーにも反映された。 前半11分には最初のウォータブレイクがあり、前半だけでも3回、プレー中断中の水分補給回数は多かった。それだけ日本代表選手は良く走り消耗はしたが、小刻みに得点を重ね、前半だけで8トライを奪った。アラビアン代表は、ディフェンスが甘く日本のバックスラインの動きを最後まで捕らえることができなかった。 HSBC アジア五カ国対抗 2008 第2戦 日本代表 vs アラビアンガルフ代表 ジョン・カーワン ヘッドコーチ(右)、箕内キャプテン 日本代表 114-6 アラビアンガルフ代表（5月3日(土)13:00 at大阪・近鉄花園ラグビー場） ◎日本代表 ○ジョン・カーワン ヘッドコーチ「先週の試合の後半は自らのミスで思うようにいかなかったが、今日はゲームプランどおりプレーするという気持ちで臨んだ。80分間自分たちのプレーができてよかった」 「私たちは日本ラグビーに誇りを持っている。先週世界ランキングも18位から16位に上がり喜ばしいことと思っている」 「ワールドカップの後、我々はアタック面の修正が必要だと認識してきた。今日の試合の最初の25分間でその課題であったアタックラインのところでタックルができたことはスキル面で成長をしたと言える。レフリーの解釈もあって若干スクラムのところではダメージになった。IRBのルール改正も含めて勉強していく」 ○箕内拓郎キャプテン 「今日は自分たちのパフォーマンスができた。レフリングで乱れるところもあったが選手がしっかり立て直して跳ね返してくれた」 C:2008, JRFU(Photo by A. HASEGAWA) マスターズヘッドコーチ(右)、オマレイキャプテン ◎アラビアンガルフ代表 ○ウェイン・マスターズヘッドコーチ「新しいチームで試合に臨んだがまとまりがなく日本には敵わなかった。しかし新しいチームにしては力を尽くしたと思っている。次のホームで行う韓国戦では頑張っていきたい」 ○ダイアームド・オマレイキャプテン 「ご覧のとおり結果は、日本のバックスのスピードについて行けず完敗でした。次週はホームで戦うので良いプレーをしたい」
