■3月5日 第1戦 7人制日本代表● 5-26 ○7人制南アフリカ代表

現地入りしてからの練習試合でホールドとはいえ、フィジーやNZと互角の戦いを繰り広げて、本番に臨んだ村田ジャパン。
大会開幕前に鈴木主将が「成長した実感があるし、勝つ手応えを感じている」と、自信のほどを語っていたとおり、金星の予感も漂っていた初戦の南ア戦。
日本はそんな状態の良さを裏付けるかのように、「一番の課題」(村田監督)であるキックオフでいきなりリーチが競り合いながらボールキープ。
そのまま、試合開始から1分半ほどは日本が攻め続ける展開となった。
この立ち上がりの時間帯にトライを奪えば、日本が一気にペースをつかむことになったはずだが、南アの激しいコンタクトに松下がノックオン。そのままボールをつながれ、先制トライを許してしまう(1分、0-7)。

4分過ぎには単独で持ち込んだ岩本がノット・リリース・ザ・ボールの反則。PKからそのまま攻められて、南アの快足スターであるアプロンのスピードについていけず、走り切られてしまう(0-14)。
さらに、前半終了間際にも相手のシンビンで日本が1人多い状況だったにも関わらず、ジャパンボールをブレイクダウンでターンオーバーされて、そのままトライを奪われ、0-19でハーフタイムを迎えることになってしまった。

南ア戦でグラウンドに入場する鈴木貴士主将   突破をはかる岩本健一朗。日本が上位進出を果たすためには、いかにフォローを分厚くできるかが鍵となりそうだ   コンタクトの強い南アに対して、接点の部分では後手に回った   立ち上がりは攻める時間もあった日本だが、次第にDFの時間が多くなっていった(写真はタックルにいく横山伸一)
南ア戦でグラウンドに入場する鈴木貴士主将   突破をはかる岩本健一朗。日本が上位進出を果たすためには、いかにフォローを分厚くできるかが鍵となりそうだ   コンタクトの強い南アに対して、接点の部分では後手に回った   立ち上がりは攻める時間もあった日本だが、次第にDFの時間が多くなっていった(写真はタックルにいく横山伸一)

確かに、課題だったキックオフはリーチの奮闘もあって、完璧にキープ。
ただ、せっかく確保できたボールを生かし、「世界一のDF」(村田監督)を誇る南アの守りを打ち破るまでには至らなかった。
フィジカルな強さでは世界トップの南アに対して、孤立したかたちでボールを持ち込んで、ターンオーバーされたり、反則を犯したりケースが目立った。
前半取られた3トライも、いずれもが攻めながら最後のミスをターンオーバーされて奪われたもの。
フィジカルな強さを誇る南アに対して、「コンタクトが多すぎた」(村田監督)のも事実だろう。
「最終的にはコンタクトしないわけにはいけないんですけど、パワーで負ける分、真っ正面からいくんじゃなく、半ズレしたり、もっと工夫が必要だった」(鈴木主将)

それでも、修正点を生かして、南アのアタックを1トライのみに抑えて、終了間際には鈴木のブレークから松下、トゥプアイレイとつないで、1トライを返した。
「ミスも出たけど、勝ちにいった結果。ひとりひとりのタックルミスやサポートの部分を修正して、スコットランド戦、カナダ戦に臨みたい」(村田監督)
敗れはしたものの、課題だったセットプレーが安定していたことは大きな収穫。最後はトライも奪って終われだけに、残りの試合にポジティブになれる部分もあったのは確か。
上位進出のためには、サポートと守りでのコミュニケションが鍵になりそうだ。

決死のタックルでピンチを防ぐマイケル・リーチ。キックオフも完璧にキープするなど攻守に存在感を示した   自分たちのミスから失点を重ねてしまった   優勝候補の南アに対して、主導権を握る場面もあったジャパン(写真は徐吉嶺)   試合終了間際にアリシ・トゥプアイレイが一矢を報いた
決死のタックルでピンチを防ぐマイケル・リーチ。キックオフも完璧にキープするなど攻守に存在感を示した   自分たちのミスから失点を重ねてしまった   優勝候補の南アに対して、主導権を握る場面もあったジャパン(写真は徐吉嶺)   試合終了間際にアリシ・トゥプアイレイが一矢を報いた