日本代表 15-34 サモア代表   日本代表 15-34 サモア代表   日本代表 15-34 サモア代表   日本代表 15-34 サモア代表

2009 IRBパ
シフィック・ネーションズカップ 6月18日(木)、フィジーのシガトカ・ラワカパークで行われた「2009 IRBパシフィック・ネーションズカップ 日本代表 対 サモア代表」戦は、以下の結果となりました。

日本代表 15-34 サモア代表

アジア五カ国対抗(A5N)、そしてフィジー入りする前の豪州合宿での対レッズ戦を経て、若いチームは確かな成長の実感を持っていた。
「3勝を狙っている」
過去2年間、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)では1勝ずつしかしていない日本だが、NO.8菊谷崇主将がそんな大きな目標を掲げるほど、充実したチーム状態でサモア戦を迎えていたことは間違いなかった。実際、世界ランキング11位のサモアに対して、日本は立ち上がりから優勢に試合を進めた。

開始10分には、SOショーン・ウェブがパスダミーから大きくゲイン。自ら敵陣深くに蹴り込んだボールはサモアDFにキープされたものの、そのままキャリーバックに追い込んだ。直後のゴール前スクラムから、再びウェブがチップキックを転がすが、一瞬早くサモアDFに戻られてドロップアウト。15分には、またもウェブが転がしたチップキックをCTBライアン・ニコラスが押さえたが、オフサイドの判定でまたもトライならず。

間違いなくテリトリーでもボールキープ率でも上回っていた日本だったが、チャンスはつくるもののトライを奪うことはできず、逆にサモアに先制を許してしまう。

前半24分。自陣から攻め始めたサモアBKが、日本のDFラインのギャップをついて大きくゲイン。何とか日本ゴール前で食い止めたものの、密集で反則。ここで、何とサモアはスクラムを選択する。
1年前の対戦では、ペナルティからスクラムを選択してトライにつなげた日本だったが、今回はサモアのクセのある組み方に対応できずに反則を繰り返すかっこうとなり、痛恨のペナルティトライを宣告されてしまう。「サモアは3番が内側に入ってきて、日本だったらペナルティになるような組み方をしてきた。でも、それをレフリーが取らないということは、反則じゃないということだから、トライを取られる前に修正しておかないといけなかった」(PR山下裕史)

まさしくワンチャンスをものにされて、先制トライを許したジャパンだったが、試合自体はその後も日本ペースで推移する。
27分にはCTBライアン・ニコラスがPGを決めて3-7。その後もジャパンがほぼ一方的に攻め続ける展開が続くが、肝心な場面でのミスやターンオーバーが重なり、トライには結びつかない。逆に、終了間際にまたもサモアにワンチャンスをものにされるかたちでモールからトライを許し、3-12で前半を折り返すことになってしまった。

日本代表 15-34 サモア代表   日本代表 15-34 サモア代表   日本代表 15-34 サモア代表   日本代表 15-34 サモア代表

「前半だけで、4、5回はトライチャンスがあった」そんなJKの感想は、この試合を見た人すべてに共通するものだっただろう。ジャパンの先発メンバーのうち6人は、この日、初めてパシフィック・ネーションズカップでプレーする選手だった。あるいは、前半、攻め込みながら取り切れなかったあたりにも、経験値の少なさは影響していたのかもしれない。

それでも、ハーフタイムで「自信を持っていこう」(カーワンHC)と送り出された後半、ようやく日本がサモアゴールのトライラインを越えるシーンが立て続けに見られることになる。後半8分。FKからの素早い仕掛けからNO.8菊谷主将、CTB平浩二がタテをついてチャンスを広げた後、ラックから左展開。ニコラス、WTB小野澤宏時とつないだ後、FBジャック・タラントが左隅に飛び込み(ニコラスのゴール成功)、10-12と追い上げた。
12分にも、敵陣深く蹴り込んだボールを小野澤が拾って連続トライ。15-12と逆転に成功する。

「60分間は意図した戦術で戦うことができた」試合後、菊谷主将がそう振り返ったとおり、この連続トライで逆転した日本は、1999年以来となるサモア戦勝利に大きく近づいたかに思われた。ところが、試合はこの後、一気にサモアぺースになってしまう。

自陣からでもどんどん攻め始めたサモアに対して、日本はワン・オン・ワンタックルを外され、カバーDFも追いつかないシーンが目立つようになり、最後の23分間で失4トライ。最終的には昨年、一昨年を大きく上回る19点差をつけられて、15-34で敗れた。
「前半、トライチャンスで取り切れなかったこと、そして後半リードした後、集中力を失ったことが敗因。内容自体は悪くないので、悲観することはないし、肝心なところでミスが出ないように80分間集中して次の試合に臨みたい」(カーワンHC)

最終的に点差は開いたものの、テリトリーでも、ボールキープでも、日本が上回っていた時間帯は多かった。実際、昨年までのジャパンを知るシニアメンバーも、若いチームの成長に手応えを感じている。「インパクトプレーヤーが少ないのに、チームとしていい形で攻めることができるようになってきている」(LO北川俊澄)

残念ながら、PNC初戦のサモア戦では、経験の少なさゆえの、ゲームコントロールの稚拙さが出たのは紛れもない事実だろう。この先、ジュニア・オールブラックス、トンガ、フィジーと続く厳しい戦いを経験しながら、ゲームコントロール能力をいかに高めていくかが、この大会自体はもちろん、2年後に控える11年W杯に向けての成長の鍵になる。

日本代表 15-34 サモア代表   日本代表 15-34 サモア代表

◎日本代表 ジョン・カーワン ヘッドコーチ
「前半のトライチャンスで取りきることができなかったことが敗因の一つ。また、トライを取った後の集中力も課題である。ただ、チームの方向性は間違っていない。これから続く厳しい試合に向け、自信を持ち、チーム一丸となってトレーニングを重ねていく」

◎日本代表 菊谷崇キャプテン
「60分間は、日本代表の意図する戦術で戦うことができた。残り20分で相手にギャップを突かれてチームディフェンスが崩れてしまった。試合を通じてフィットネスに関しては、我々が上回っていいたが、いいリズムで攻撃していた後のディフェンスの切り替えの部分で相手にトライを許してしまった。
次に向けては、攻守の切り替え時の集中力と、自分たちのミスも多かったので、その部分はしっかり修正してジュニア・オールブラックス(23日)にチャレンジしたい」

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