2009 IRBパシフィック・ネーションズカップ 7月3日(金)、フィジー・スバ・ナショナルスタジアムで行われた「2009 IRBパシフィック・ネーションズカップ フィジー代表 対 日本代表」戦の結果は以下のとおりです。日本代表は1勝3敗、4位で大会を終えました


フィジー代表 40-39 日本代表

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ちょうど7月1日に予定されていた、13日間を過ごしたナンディからスバへの移動直前に飛び込んで来たのが、「ラグビー・ワールドカップ・リミテッド(RWCL)が2019年開催地に日本を推薦」というニュースだった。
その4日前にトンガを破ったことにより、日本の世界ランキングが15位から14位に上がっていたことがRWCLの推薦決定への追い風になったことは間違いなかった。
パシフィック・ネーションズカップ(PNC)最終戦の対フィジー戦は、この流れを決定的なものにして、「ワールドカップ日本開催を確実なものにするため、勝たなければならない試合」(カーワンHC)という意味合いを持つ試合となった。

過去の対戦では2勝8敗。現在、7連敗中で、日本が最後に勝ったのは1994年。

「歴史に名を刻む」(PR畠山)つもりで臨んだ一戦。
日本は立ち上がりから世界9位のフィジーに対して一方的に攻めまくり、敵陣にくぎ付けにする。

開始1分。いきなりモールでフィジーゴールになだれ込むが、ノックオンの判定でノートライ。さらにフィジーゴール前での敵ボールのスクラムにプレッシャーをかけて、LOトンプソンがインゴール内で相手のタッチキックをチャージ。キャリーバックとなるが、今度はマイボールスクラムが安定せず、逆にボールを失い、チャンスを逃してしまう。

試合開始からほぼ敵陣でプレーし続けた日本に先制トライが生まれたのは6分。ゴール前スクラムからCTBニコラスが強引にブレークした後、SH田中、PR畠山がサイドを突いてチャンスを広げ、最後はラックからFLタウファが飛び込んだ。
11分にフィジーにPGを返され7-3とされた後、17分にはSOアレジのキックで敵陣深く入り、敵ボールのラインアウトにプレッシャーをかけてターンオーバー。流れるようなライン攻撃から最後はWTBタラントがトライ。

「キックをうまく使ってエリアマネジメントをしっかり行い、セットピースでプレッシャーをかけていく」
立ち上がりにマイボールスクラムを失う場面もあったものの、立ち上がりの日本はカーワンHCが思い描いていたとおりのゲームプランを実行するかたちで、前半20分までに14-3とリードする願ってもない展開となった。

しかし、この後、ジャパンはここまでのPNC3試合でもそうだったように、自らのミスからフィジーに連続トライを許してしまい、14-20と逆に6点のビハインドを背負うかたちでハーフタイムを迎えることになってしまう。21分にはダイレクトタッチから。さらに1PGを加えられた後、前半終了間際には敵陣深くまで攻めながらボールを失い、一気のカウンターで。

悪い流れで前半を終了することになったが、「いいリズムで攻めることができていたし、しっかりボールキープして敵陣に入れば、トライは取れる」(NO.8菊谷主将)ことを確認して後半に臨んだジャパンは、後半開始早々からまたもペースをつかむことに成功する。

後半2分、敵陣に攻め込んでPKのチャンスを得た日本は、PGを狙わず、敵陣深くへタッチキック。ラインアウトをしっかりキープして、モールからHO青木がトライ(SOアレジのゴールも決まり21-20と逆転)。

さらに8分にも、同じようにPGで点差を広げるチャンスに再びタッチへ。またもモールから青木が飛び込むパターンで26-20。
この後、お互いにPGを重ね合い(日本1、フィジー2)、29-26で迎えた29分には、三たびPKからのラインアウトのチャンスをつかみ、今度はモールサイドを菊谷主将が飛び込んで、点差は10点にまで広がった(アレジのゴール成功で36-26)。

残り10分間で、この10点差を守り切れれば、歴史的な1勝がカーワンジャパンに転がり込むところだったが、終盤にフィジーに世界ランク9位の集中力と勝負強さを見せつけられてしまう。

33分に、またもダイレクトタッチによるラインアウトからボールをつながれ、途中出場のHOレドゥアにトライを奪われて3点差(ゴール成功)。

35分にアレジのPGで再度リードを6点に広げたものの、試合終了間際のラストプレーでPKから攻められ、NO.8タレイにトライを奪われ1点差。直後のゴールを決められ、まさかの逆転負け。

「信じられない」
「悔しすぎる」
試合後、ジャパンの選手たちの口から出たのは、そんな嗚咽にも近い叫び声ばかり。
「タクティカルな部分で日本がフィジーに劣っている部分はなかった。ゲームマネージメントの部分、ただそれだけ」(カーワンHC)という悲痛な敗戦を喫して、ジャパンの面々は昨年と同じくトンガに対する1勝とい う結果を残して、帰国の途につくことになった。

フィジー代表 40-39 日本代表   フィジー代表 40-39 日本代表   フィジー代表 40-39 日本代表   フィジー代表 40-39 日本代表

◎日本代表 ジョン・カーワン ヘッドコーチ

「今日の選手たちのパフォーマンスを称えたい。良いメンバーに恵まれ、誇りに思う。結果的に小さなエラーが命取りになってしまった。世界ランキング9位のフィジー代表に対し、接戦を経験できたことでチームはさらに成長できるだろう。我々が目指したゲームプランもチームにフィットしているので自信を持っていいと思う」

◎日本代表 菊谷崇キャプテン

「結果的には残念だったが、日本代表にとってチームとして成長できた大会だった。まだまだ修正しなければならない点は多いが、強豪チームとの試合を通して、少しずつステップアップできたことで、世界への道は開けて来たと思うので、その道をもっと踏み出せるように、一つのチームになって挑戦して行きたい。

最後に、今大会をオーガナイズしてくれたフィジー協会の関係者の皆さんに感謝したい」

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