全国クラブ大会準決勝2試合が行われた。熊谷ラグビー場のお隣の熊谷ドームでは、この日「成人式」が開かれ、会場へ向かうバスの中は、若い新成人でいっぱいとなり、まるで七五三のようだ。熊谷ラグビー場のスタンドの上からは、うっすらと雪化粧した日光連山(男体山)が遠望できる絶好の快晴ながら、赤城おろしの寒風が吹きすさぶ寒さの中での開催となった。 試合は、常勝タマリバが敗れ、決勝戦へは駒場WMMと六甲クラブが進出することになった。試合の戦評は、以下もしくは東日本トップクラブのブログでご確認を。 この結果、2月7日から始まる日本選手権には、駒場WMMと六甲クラブ戦の勝者が出場することになり、2004年に日本選手権にクラブ枠が認められて以来、初めてタマリバ以外のチームが出場することになった。 ・第17回全国クラブ大会準決勝 ・1月10日(日) ・熊谷ラグビー場 (第1試合) ・11:00KO ・駒場WMM 22-19 タマリバ ・Ref 藤内有己(関東) (第2試合) ・12:45KO ・六甲クラブ 32-10 北海道バーバリアンズ ・Ref 堀江学(日本A1) (試合記録) なお、この試合は、東日本トップクラブの戸田オーバーザトップの メンバーが大会補助員として大会を支えた。 みなさん、寒い中ありがとうございました。 ■準決勝 六甲ファイティングブル 32-10 北海道バーバリアンズ(1月10日) 準決勝での対戦は6回目となる東西の強豪。「秩父宮行きチケット」を手にするためには互いに越えなければならない大きな壁である。 前半、風上に立ったバーバリアンズは、キックオフ直後から六甲陣に猛ラッシュ。ラックを連取してFL橋本が、試合開始1分もたたぬうちに先制のトライを奪った。その後も強風を味方につけ、22m陣内で有利に試合を運ぶが、六甲も必死のディフェンスでこれに対抗する。何度も敵陣に攻め込みながらトライに結びつけられないバーバリアンズは次第にいら立ちが見え始め、ミスが目立ち始めた。 逆に六甲は30分、ゴール前ラインアウトのトリックプレーで5点を返し、32分にはSO由良のトライで逆転に成功、続く39分には山下と、数少ないチャンスを得点に結びつけ、前半を17-7で折り返した。 後半、今度は風上に替わった六甲が敵陣になだれ込む。前半とは真逆の試合展開の中、7分にWTB内山、17分には由良のトライで突き放しにかかる。バーバリアンズも、FLカフトル、CTBコリンズの豪快な突進から活路を見出そうとするが、昨年の雪辱に燃える六甲の激しいディフェンスに、1PGにとどまった。 逆に38分、六甲WTB藤原のトライで勝負あり。2年ぶりの決勝進出を決めた。 アフターマッチファンクションでは、六甲・由良、バーバリアンズ・コリンズがそれぞれマン・オブ・ザ・マッチに選出され、コリンズからは「(六甲の)前5人の圧力、SOのゲームメイクが素晴しかった。優勝目指して頑張ってください」とエールが送られた。 タマリバが駒場WMMに敗れたことで、初めてタマリバ以外のチームが日本選手権にクラブ代表として挑むことになる。駒場の初優勝か、六甲の10年ぶり日本一か──。 決勝戦は1月24日秩父宮で、トップリーグプレーオフ「サントリーvs東芝」の前座試合として行われる。(高鷲浩介) 相手ボールではスクラムを押す六甲(白) こぼれたボールに素早く反応する ゴール前スクラムから左オープンへ 幾度か見られたハイパントも確実にキャッチ 2人がかりでのタックル インゴール内から風下でのタッチキック 決勝では兄弟対決が見られる(内山選手)