■準決勝 タマリバクラブ 19-22 駒場WMM(1月10日)

マッチリポート
昨年の全国大会決勝と同じ顔合わせとなった準決勝第1試合。7年連続8回目の優勝を目指すタマリバクラブ(東日本トップクラブリーグ1位)が、東日本トップクラブリーグ4位の駒場WMMに敗退。駒場は2003年の創部以来の悲願である対タマリバ公式戦初勝利となった。

前半、駒場は風下ながらSO宮崎のキックを中心に敵陣でゲームを進める。14分、タマリバ陣22m周辺の連続攻撃から、SO宮崎が右サイドのライン際にキックパス。これを宮崎と同じ日川高校出身のWTB黒川がインゴールで押さえ、先制トライ(ゴール失敗)。駒場は20分にもゴール正面のPGのチャンスを得るが、SO宮崎がゴール失敗。その後、タマリバが、SO竹山のハイパントを起点に連続攻撃をしかけ、徐々にペースをつかんでいく。33分、タマリバは、駒場のペナルティによりゴール前ラインアウトのチャンスを獲得。ラインアウトからモールを形成し、最後はPR小川が押さえ、トライ。SO竹山のゴールキックも決まり、7-5と逆転し、前半はタマリバの2点リードで折り返した。

後半に入り、風上の駒場は、SO宮崎のロングキックで敵陣に入り、相手バックスリーがキック処理をもたついたこぼれ球をCTB阿部がセービング。このボールをフォローしていたFL酒井が拾い、そのままゴール下にトライ、ゴールも決まり、後半開始1分で、12-7と逆転する。勢いに乗る駒場は5分にも、タマリバ陣10m付近の密集からLO岡崎が抜け出し、WTB黒川につなぐと、そのまま走りきりトライ(ゴール成功)し、19-7とリードを広げる。さらに、9分にはタマリバ陣10m付近中央でPGを得、これをSO宮崎が決め、22-7とさらにリードを広げる。

しかし、ここから王者タマリバが反撃開始。SO竹山を中心にテンポを上げると、前半よく前に出ていた駒場のディフェンスも後手に回り始める。14分、タマリバは自陣深くから連続攻撃をしかけ、駒場陣10m付近までゲインしたところでNO8井戸が抜け出し、最後はフォローしていたFL小山につないで中央にトライ、ゴールも決まり、14-22と追い上げる。更に、駒場FWに疲れが見え始めた20分、SO竹山を中心とした連続攻撃からあっという間に駒場陣奥深くまで攻め込み、最後はCTB羽田が左隅にトライ(ゴール失敗)し、19-22。この後もタマリバの猛攻は続き、何度も駒場のゴールに迫るが、駒場のディフェンスの前にハンドリングエラーが重なり、なかなかトライがとれない展開。39分には、駒場陣22m付近のマイボールスクラムのチャンスを得るが、最後は、BKのサインプレーで痛恨のノックオン。続くスクラムからのボールを宮崎から代わった駒場SO森山が確実にけり出し、ノーサイドとなった。

試合後のファンクションでは、「今日は完敗でした。来年に向けてまた明日からやっていきます」と、タマリバクラブ井戸主将はコメントし、マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)には、再三の好タックルを魅せたFL山崎真二朗選手を指名。駒場WMM酒井主将も「フィットネス、フィジカル共にタマリバさんのほうが上でした。タマリバさんの想いも背負って決勝を戦います」と話し、再三のカウンターアタックを魅せたFB若野選手をMOMに選出した。その後、駒場水上コーチから、お互いのチームに多くの教え子がいること、タマリバ高橋代表から、駒場は7年前に当時タマリバに在籍していた佐藤新選手がつくったチームであることについて話があり、落ち着いた雰囲気の中にも暖かい感情のあふれる会となった。

決勝では、これまでタマリバクラブが背負ってきたクラブチームの代表としての責任・日本選手権出場に向けた想いを受けた駒場WMMのさらなる奮闘を期待したい。(片山良太)

ラックサイドを攻めるタマリバに低いタックルの駒場
ラックサイドを攻めるタマリバに低いタックルの駒場

 

SO竹山から右に左に
SO竹山選手から右に左に

 

お互いラインアウトのミスは少なかった
お互いラインアウトのミスは少なかった

 

前半14分のゴールキックははずしてしまう
前半14分のゴールキックははずしてしまう