IRBジュニアワールドラグビートロフィー2010
●4月1日(木)

  ブレイクダウンの攻防
ブレイクダウンの攻防

U20日本代表セレクション合宿も5日目を迎え、いよいよ今合宿の山場となる、セレクションマッチが行われました。
3チームに分かれ、40分ハーフを各チームが2本ずつ試合をする変則マッチ。これまでの練習の成果を発揮するチャンスです。

まずは、昨年のU20日本代表経験者、早稲田大学の山下選手がゲームキャプテンを務める「ホワイト」チームと、同じく昨年のメンバーである、東海大学の鶴ヶ崎(崎の「大」は「立」)選手がキャプテン、「ブラック」チームが対戦。
開始3分でホワイトチームの中鶴(鶴は「雨かんむり」に「鶴」)選手がトライ。その後立て続けにホワイトが2本トライ。一方、ブラックもキャプテンの鶴ヶ崎選手がトライを返したものの、ホワイトが3本スコアを重ね、トライ数6-2で終了。

続いてはブラックと、明治大学の秦選手がキャプテン、レッドが対戦。
試合開始早々、またもやブラックの鶴ヶ崎選手がトライをすれば、レッドのロック、大阪体育大学の山口選手がトライを返し、拮抗した試合展開に。最終的には5-4でブラックがリードで、セカンドハーフを終えました。

そして、最後の40分は、レッド対ホワイト。
レッドCTBの松延選手がトライを奪い、幸先のよいスタート。しかし、その後ホワイトがゲームキャプテン山下選手の2トライなどで、6-1でリードし、セレクションマッチは終了しました。

強風が吹く中、難しい場面もあり、キックや細かいプレーの精度に課題が見えましたが、「セレクション」の言葉の効果もあり、低いタックルや体を張った、選手それぞれ気持ちの入ったプレーが随所に見られました。
「練習でしてきたプレーがまだできていない。明日からもまた、実戦を意識してやっていこう」と、試合後の円陣で元木ヘッドコーチ。
「低いプレーを意識して、もっとアピールしてください」(有水FWコーチ)
「ゲームを通じて気持ちは伝わってきた。引き続き見させてもらいます」(中瀬BKコーチ)
第一次セレクション合宿は、明日2日の午前中の練習で、一旦解散。9日から始まる予定の、第二次セレクション合宿を経て、いよいよ今年のU20日本代表が選ばれることになります。

◎ホワイト 山下ゲームキャプテン
「試合じゃないと、わからないことが多いので、選手などの特徴がよくわかってよかった。世界のU20代表レベルで戦うには、もう一ランク上を見ていかないといけない。一日一日、成長して、試合で力を発揮していきたい」

◎ブラック 鶴ヶ崎ゲームキャプテン
「初めての編成チームの割には、よくできたと思う。声も出ていたし連携も悪くなかった。昨年に比べても、アタックはよいのではないでしょうか。ただ、ディフェンスはまだまだ。もし、今年も代表に選ばれたなら、経験を活かしチームを引っ張れるように頑張っていきたい」

◎レッド 秦ゲームキャプテン
「低く、早く、そして走り勝つ…そしていつもより前に出るディフェンスをしようと思っていたが、最後まで続かなかった。個人的には、ボールを停滞させてしまっていたことが反省点。今回のセレクションで集まったこのメンバーは雰囲気もよく、メリハリがあってやりやすい。最後まで、頑張りたい」

選考の視線が熱いコーチ陣。左から中瀬コーチ・元木ヘッドコーチ・有水コーチ   昨年の監督 薫田氏と元木ヘッドコーチ
選考の視線が熱いコーチ陣。左から中瀬コーチ・元木ヘッドコーチ・有水コーチ 昨年の監督 薫田氏と元木ヘッドコーチ

試合前 ホワイトチームの円陣   セレクションマッチ3ハーフの笛を吹いた平林レフリー
試合前 ホワイトチームの円陣 セレクションマッチ3ハーフの笛を吹いた平林レフリー

試合後全員に向けて元木ヘッドコーチがコメント
試合後全員に向けて元木ヘッドコーチがコメント

●3月29日(月)

  薫田・日本A代表監督からの熱のこもった指導
薫田・日本A代表監督からの熱のこもった指導

朝から生憎の雨となり、気温も最低気温が2度とコンディション的には恵まれないスタートとなりましたが、短い期間で結果を出そうとする選手たちには、そういったコンディションの悪さは関係ありません。

選手たちは、リアクションスピードを意識したウォームアップから、ベーシックなハンドリング・サポート・コンタクトのドリルをこなしていきます。
昨日のミーティングでコーチ陣から提案のあった"基本姿勢"「真っ向勝負」「メンタル・フィジカルフィットネスの習得」「自律性・積極性の重要性」の3本柱をしっかりと、意識してドリルをこなしていきます。

午後はユニット練習に時間を割き、個々の選手の持っているスキルをみていきます。スポットコーチとして薫田真広・日本A代表監督にも参加していただきました。スクラムを中心に、いかにして世界の強豪国と渡り合えるスキルを習得していくか、薫田氏からの的確な説明が続きました。
一日の最後はコンタクトフィットネスを行って終了。

夜のミーティングでは、中竹コーチングディレクターから、なぜミーティングをするのかという問いからはじまり、チームの中での、よいプレー、悪いプレーをしっかりと決めていき、チームの中での曖昧さをできるだけなくすような提案がありました。
ジュニアワールドトロフィーまで2カ月を切り、短時間でいかに意志の統一ができるかが鍵となります。選手・スタッフの一体感、信頼関係をしっかりとつくっていきたいと思います。

中瀬BKコーチ   タックルは基本の徹底から
中瀬BKコーチ タックルは基本の徹底から

コンタクトについての元木ヘッドコーチからの説明   「低く」、「早く」を徹底
コンタクトについての元木ヘッドコーチからの説明 「低く」、「早く」を徹底

前に出る   まずは1対1で
前に出る まずは1対1で

足の位置を入念にチェック   ミーティングの意義を説明する中竹コーチングディレクター
足の位置を入念にチェック ミーティングの意義を説明する中竹コーチングディレクター

●3月28日(日)

  ミーティングの様子
ミーティングの様子

5月18日より開幕する、IRBジュニアワールドラグビートロフィー2010,ロシア(IRB JUNIOR WORLD RUGBY TROPHY 2010, RUSSIA)に向けた、U20日本代表第一次セレクション合宿が、3月28日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターにて開始されました。

第一次に呼ばれた選手51名から、7名がコンディション不良で不参加、そして3名が追加され、初日の今日は、昨年のU20日本代表経験者、早稲田大学の山下選手や、東海大学の三上選手、鶴ヶ崎(崎の「大」は「立」)など計47名が参加しました。
誰一人遅刻することなく、各地から選手が集合。まず、選手とスタッフによる、ファーストミーティングが集まったばかりのまだぎこちない空気の中、会議室で行われました。

中竹コーチングディレクター、元木ヘッドコーチをはじめスタッフ陣の紹介の後、中竹コーチングディレクターより、今回のU20日本代表の方針などを選手たちに説明。前回大会の映像を交えながら、大会まで残り2ヶ月を切り、危機感をあおりながらも、選手・スタッフの意思統一、一体感、信頼関係を築いていくこと、また「真っ向勝負=逃げない」というチームの基本姿勢が確認されました。

フィットネステストの説明を聞く選手たち   30m走の測定
フィットネステストの説明を聞く選手たち 30m走の測定

ミーティングのあとは、場所を移動して、フィットネステスト。立ち幅跳び、30m走、マルチテストを実施。
所属する大学によって、練習状況が異なり、シーズンオフで練習がまだ本格化していないチームが多い中、コーチ陣の期待に沿える数字には、いくぶん足りない選手が多かったようですが、今合宿、そしてこれからの合宿でどこまで選手が伸びていくのか、期待されます。
いよいよ明日からは、グラウンドでの練習が行われ、本格的な合宿が始まります。そして4月1日にはセレクションマッチが行われる予定です。
今日集まった選手たちが切磋琢磨しあう中、どのような「チーム」として成熟していくのか、これからU20日本代表の戦いが始まります。

◎中竹コーチングディレクター
「このU20日本代表が、2019年へのファーストステップであることを選手たちには話した。短期間で意思統一していかなければ。真っ向勝負で、逃げない、という方針を伝えている」

◎元木ヘッドコーチ
「いい緊張感がある。時間がなくて厳しい中、選手たちが自分たちで考えて動かなければ間に合わない。スタッフ、選手でチーム一丸となってやっていきたい」。

中竹コーチングディレクター、元木HCを中心にスタッフミーティング 中竹コーチングディレクター、元木HCを中心にスタッフミーティング