IRBジュニアワールドラグビートロフィー2010
●5月22日(土)

午前中はコンディショニング調整で、しっかりと体の目を覚まし、午後の試合に備えます。ジンバブエは初戦、カナダに負けており、U20ジャパンとしてはなんとしてもこの試合は勝っておきたいところ。

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午前中のウォームアップのひとコマ 荒川トレーナーを中心にしっかりと体をほぐします

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蓮沼団長より選手たちへの激励の言葉 元木HCよりジャージの授与

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試合会場のフィリスタジアム

立ちあがり、U20ジャパンはPGを決め、3-0。その後しばらく、両チームともキックで様子をうかがいます。前半14分、不用意なペナルティからゴールを決められ3-3とされます。前半、ジンバブエは10番を中心にボールを良く動かす一方、U20ジャパンは低いタックルで応戦します。滑川の素早い球さばきとCTBバイフを起点として、ボールを繋いだU20ジャパンが前半20分にトライ。コンバージョンも決め、10-3と引き離しにかかります。しかし、U20ジャパンは、アタックの際のミスが多く、プレーをなかなか継続できず波に乗れません。ブレイクダウンでは、前試合に比べリアクションが遅く、フィジカルの強いジンバブエ相手に、テンポよい攻撃が徐々に減っていきます。前半、37分、ラインアウトから、大外に余られ、U20ジャパンはトライを許します。前半終わって、13-10での折り返し。

後半に入ってもエンジンのかからないジャパンは、ブレイクダウンでもリアクションが悪く、後手に回ります。一方ジンバブエは、10番を中心にボールを良く回し、タイミングのよいキックで陣地をとり、懐の深さを利用したオフロードを多用してきます。後半17分にオフロードからトライを許し、13-20と逆転されます。ラスト10分になって、形にこだわらず、前に出始めたジャパンは、CTBバイフを起点として、テンポよくボールを繋いで16番伊藤がトライをとり20-20の引き分けとなりました

試合の後のホテルでのミーティングでは元木HCから「テストマッチで勝つことがどれだけ難しいことか、一人一人が認識するように」と話がありました。高校の遠征とは異なる国際大会・テストマッチの重みをU20日本代表メンバーが再認識するよい機会となりました。
今回の試合で勝てなかった原因をしっかりと修正して、次回のカナダ戦では、日本らしさと日本の良さを見せられるようしっかりと準備していきたいと思います。

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日本人応援団も駆けつけてくれました。どうもありがとうございます 試合前、ロッカールーム

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「テストマッチの重み」について話す元木HC

●5月21日(金)

ジンバブエ戦を明日に控え、午前スパルタックで30分程チームランを行い、その後、個人個人での確認を行いました。午後は試合会場となるフィリスタジアムをキャプテン・キッカー数名とスタッフで見学を行い、スラヴァスタジアムとは違う芝の長さや硬さなどを入念にチェックしました。

その練習を見に、ロシア人の男の子が来ていました。彼は現在サッカーをしているそうですが、ラグビーをやってみたいということからJAPANの練習を見ていました。それに気づいた有水FWコーチがラグビーボールを使って、ラグビーの楽しさを教えていました。ほんのひと時ではありましたが、一人でも多くの子供たちに、ラグビーの楽しさを知ってもらえるようなプレーや活動をしていきたいというのが、JAPANの思いです。

夜のミーティングでは日本の理想とする形を映像クリップでみて、良いイメージの共有をはかりました。

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21日の練習 21日の練習

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キックを確認するBK陣 キャプテンズランの時間を利用して、キッカー陣は新しい会場の芝の状態を確かめます

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会場視察の合間に、現地の子供と接して、厳しい顔が自然とほころぶ有水コーチ

●5月20日(木)

モスクワに到着して1週間が経ち、順調に予定を消化しています。
午前はペローバ、午後はロコモーティブでセッションを行いました。前日にチーム全員でU20ジンバブエ代表対カナダ代表戦をチェックした上での練習、そして18日のロシア戦の反省と課題を含めてのチームランを行いました。テストマッチを経験した選手たちが1日1日成長しており、精神的なタフネスさも確実に付いてきていることが見て取れます。ロシアの環境にもようやく慣れてきている様子。

コーチングスタッフはロシア戦でのジャッジメントの解釈をIRBとすり合わせるために、昼過ぎにレフリーとのミーティングを行い、スクラムやオフサイドの定義について意見を交換しました。日本では当然のように行われているスクラムプレーが反則のジャッジメントを受けるということを指導されました。
当日のレフリングでのストレスを最小限におさえるため、こちらの解釈もできるだけ、伝えます。
明日はしっかりと調整をおこない、ジンバブエ戦に臨みたいと思います。

U20日本代表モスクワリポート   チームランで動きを再確認
3つある人工芝練習グラウンドの一つ、ペローバサッカー場 チームランで動きを再確認

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セッション後は荒川トレーナーを中心に入念なストレッチを 日差しが強く、日本の初夏を思わせるような天気が続いています

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2010-U20代表ロック陣4名。左からバイスキャプテン三上、工藤、鶴屋、黒木(中腰) チームトークで修正点を挙げ、次につなげる

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リエゾンのアントン君と大会後半のリエゾン、福島さん。サポートありがとうございます

●5月19日(水)

昨日のロシア戦が18時キックオフだったために8時30分からの朝食となりました。午前は約1時間ほどのプールリカバリーを行いました。
大会スケジュール上、本日の午後は日程的に余裕があるということで、急きょモスクワの観光名所であるクレムリンと赤の広場に行きました。生で見るクレムリンの存在感に舌を巻きつつ、約2時間かけて観光をし、30分という短い時間ではありましたが自由時間が割り当てられ、選手たちは思い思いの時間を満喫していました。

そして夜はモスクワ市内にある日本料理店でのチームディナー。うどんやカレーライス、鶏そぼろ丼、豚丼など、日本でしか味わえない料理でJAPANの選手・スタッフ全員が舌鼓を打っていました。副社長の坂東様には多大なるご協力を頂きまして、こころより御礼申し上げます。
メンタルとフィジカルの両面でリラックスできたU20代表チーム、残りの期間、一日一日を大切に過ごしていきます。

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大統領の住む建物へ 後ろの建物が大統領府

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今回ガイドをやっていただきました、かせさん、どうもありがとうございました 建物は15世紀から16世紀に建てられたもの

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立っているだけで、タイムスリップしたような感覚になりました

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建物の壮大さと荘厳さに選手・スタッフとも感嘆 2010-U20フロントロー。左から石原、伊藤、彦坂(圭)、榎、上田、鎌田

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途中でばったりと遭ったウルグアイの一団と 「うどんや」ここはまさに日本です

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お腹いっぱい食べました スタッフも

●5月18日(火)

前日の大雨が嘘のように、晴れ上がりました。モスクワの交通事情はかなり複雑で、渋滞もかなり激しいため、かなりの余裕をもって、プレマッチミールを食べて、出発、会場入りとなりました。
会場入りするも、雰囲気はアウェイ。地元開催のロシアにとっては負けられない一戦です。

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モスクワの日本食屋さんからおにぎりのデリバリーをして、プレマッチミール ジャージ授与

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18日、初戦はロシア代表との対戦

試合開始直後に、スクラムがあり、ディフェンスのコミュニケーションをとる間もなく、相手9番に走られ、トライ。しかしながら、U20ジャパンは動じることなく、相手のペナルティーをうまく利用し、得点を重ねます。12分に中鶴のトライで逆転すると、ロシア側のペナルティーが目立ち始め、相手のシンビンが2つ出る間に、山下主将のプレーが認定トライ。コンバージョンも決まり、15-7と引き離します。

ロシア側はフィジカル面が非常に強く、接点でなかなか前に出られない時間帯が続きますが、U20ジャパンは前に出る、速く低いディフェンスを繰り返して、ロシア側の攻撃の芽を奪います。
30分に、相手15番の思い切りの良いランにディフェンスが切り崩される以外は、終始安定したディフェンスを見せました。PG、コンバージョンとも、相手の大ブーイングのなか、小野が動じずに点数を重ね、前半は15-12で折り返します。

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後半に入っても、ロシア側は9番のテンポの良い球さばきとBK陣の巧みなキックによって、U20ジャパンの防御網を時折、混乱させます。ディフェンスはしっかりと前に出ているものの、セットピースの安定しないU20ジャパンはBK陣にしっかりとしたボールを供給することができず、こう着状態が続きます。
ロシア側のペナルティーの多さに助けられ、小野がしっかりとPGを決めて、点差を広げます。U20ジャパンは中鶴、バイフを中心として相手防御を突破し、ゲインを繰り返していましたが、最後はバイフの個人技からトライを奪い、31-17で勝利を挙げることができました

初戦に、しかも開催国相手に勝てたことは何より素晴らしいことです。一日一日を大切に、次のジンバブエ戦にむけてしっかりと準備していきたいと思います。

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●5月17日(月)

いよいよ明日に初戦を控えた選手たちは、気持ちの整理がついたのか、すっきりした顔で練習を行いました。
本日のセッションはスパルタックという所での練習で、メンバーはチームランを行い、今回メンバーから外れた選手はコンタクトフィットネスを30分行い、自分を追い込んでいました。昼からは突如として雷雲が立ち込め数分間ではありましたが、雹(ひょう)がものすごい勢いで降り出し食事会場にいた各国の選手達も驚いていました。

s午後はキッカーとスタッフで翌日に行われるスラバの試合会場へ。キッカーは芝生の感触を確かめ、ボールのバウンド、ゴールキックを確認しました。
その帰りの車中から一台のバスを見ましたが、そのバスはカナダのバス。立ち往生している様子なので近くから確認してみると、なんと事故に巻き込まれていました。
JAPANのバスは10人程しか乗っていなかったため、カナダのチームを全員ホテルまで乗せて帰りました。ライバルチームとはいえ、グラウンドの外ではもちろん、ノーサイドの精神です。

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前日練習の1コマ バックアップメンバーのフィットネストレーニング

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かなり激しく追い込みます メンバーはコンディショングも考慮して軽く調整

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午後はコンディショニングを考慮して、一部の選手・スタッフで明日の試合会場の視察確認 グラウンドの真ん中に動物の残したかなり大きな塊を発見

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夜のミーティングでは、今回の大会でのレフリングについて中竹氏からレクチャー

●5月16日(日)

本日のセッションも昨日と同じペローバで行われました。午前中のほとんどをチームアタックなどで、ポジショニングなどの動きを確認しました。午後は選手達のストレスを考え、軽めの練習に。大会期間中にはIRBによるプログラム、レガシープログラムというメニューがあり、地域の方々と交流を図る機会が設けられています。しかし、そのレガシープログラムで、本日の午後にロシアのラグビースクールの子供たちが、U20日本代表の見学に来る予定でしたが、1人の見学者も来ないというハプニングも。

今日は、夜のミーティングもなかったため、選手たちはそれぞれリラックスした時間を過ごすことができました。
ロシア戦まであと2日、1つも負けられない戦いへ、チームのモチベーションは高まっています。

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元木ヘッドコーチを中心に

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今回のリエゾンをやってもらっているアントン君。かなりの働き者です ロシア戦への「心構え」について、昨日のMTGでの内容をもう一度確認

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荒川トレーナーから「体調管理」についての説明を受ける選手達

●5月15日(土)

本日はペローバでセッションを行いました。
9時30分から11時の1時間30分のセッションは競技場入りから退出までの合計時間のため、練習時間は1時間強しかなく密度の濃いセッションが求められますが、日本と違った環境のせいかなかなかリズムが合わず、ミスが目立つ1日となりました。選手たちもいつもと違う感覚に戸惑っている様子。

午前・午後ともにチームでの動きの確認を中心とした練習メニューをこなし、ユニットごとに確認を行いました。午後のセッション終了後にはモスクワ日本人会によるチームディナーが韓国料理店で催されました。ホテルの食事では白米が食べられないため、選手は舌もお腹も満足させることができました。またチーム以外での、日本語による会話も久しぶりに感じられ、よいリフレッシュとなりました。

モスクワ日本人会の皆様、ありがとうございました。チーム一同、しっかり優勝という結果で、ご恩を返したいと思います。
異国の地でのこのようなサポートをしていただきました、モスクワ楕円球の会、吉迫祐司会長、森島弘光様、モスクワ楕円球の会の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

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練習の様子 練習の様子

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モスクワ楕円球の会、吉迫祐司会長より モスクワ日本人会の皆さんによるチームディナー

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元木ヘッドコーチのスピーチ

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●5月14日(金)

昨日の時差による疲れを見せずに、初めてみる、朝のモスクワの景色に笑顔も見える、午前となりました。このホテルではロシア・ウズベキスタン・イタリア料理が用意されており、一応、お米(ライス)も食べることができます。

午前のセッションはロコモーティブという室内練習場で90分のセッションで、30分ほど入念なストレッチとウォーミングアップを行ってから、フェイズアタックやフェイズディフェンスを行い、最後は強度が高めのコンタクトメニューを行いました。

午後は選手のコンディションを考慮して、ホテルの空きスペースで体を軽く、1時間ほど動かし汗をかきました。
今日から各チーム続々とホテルにチェックインしており、いよいよ大会が近付いていることを肌で感じるようになりました。

この日も紫外線が強いです   ロシア到着後初めてのセッションへ
この日も紫外線が強いです ロシア到着後初めてのセッションへ

この日は室内練習場でのセッション   練習後の有志によるトレーニング
この日は室内練習場でのセッション 練習後の有志によるトレーニング

●5月13日(木)(モスクワ時間)

流通経済大学を出発して約18時間に及ぶ長い移動を経て、JWRT2010(IRBジュニアワールドラグビートロフィー2010)が行われるモスクワに到着しました。そんな長い移動の間でも選手たちは弱音を吐くことなく、タフさも一段と成長している様子。

モスクワに到着すると、日本よりも暑い気候に驚き、また空港ターミナルでの車の往来、さらに約束など「時間」に対する曖昧さにカルチャーショックを受けていました。

現地時間の午後8時にイズマイロボベガホテルに到着し、すぐに全員で食事を取り、ミーティングはせずに本日のスケジュールを消化。不慣れな土地で遭遇する様々な問題に柔軟に対応して、ロシアの地で一日一日を悔いなく過ごしていきます。

ロシアの気候は予想以上に日本より暑く、湿度も高いです   バスを待つU20代表チーム
ロシアの気候は予想以上に日本より暑く、湿度も高いです バスを待つU20代表チーム

到着後ホテルでの初ミーティング   出発前からお世話になっている、ジャパンクラブの森島様より御挨拶を頂きました
到着後ホテルでの初ミーティング 出発前からお世話になっている、ジャパンクラブの森島様より御挨拶を頂きました