■第8回近畿地区「女子セブンズブロックアカデミー」練習会
日時:2012年1月29日(日) 12:00-15:00
場所:神戸製鋼灘浜グラウンド人工芝

「最後まで諦めず、一生懸命に」
この日の課題が今村コーチから提示されると、練習生たちは「はい」と引き締まった顔で頷きました。体力がなければパフォーマンスが落ちるのは必定です。コーチ陣には、ハードな練習をこなしていくことで、体力と精神面の両方を向上させてほしいという願いがあります。
いつもは、徐々に遅れる選手が出て列が長く伸びてしまうランニングでも、「先頭はどんどんスピードを上げて、後ろもそれについて最後まで固まって走るように」と指示されると、これまでは遅れがちだったメンバーもなんとか最後までペースを落とすことなく走り切っていました。

 

その後、腕立て、腹筋、スクワットジャンプやプッシュ・プル、ダッシュなどのウォーミングアップの後、6つのタックルバックを連続して飛び越える、瞬発力を養うトレーニングを実施しました。6つ目を飛び越えたらすぐに10mのスプリントになります。連続してジャンプをする時は、地面に「グッ」と吸収されるように着地するのではなく、地面をバウンドするように、連続して飛び跳ねるように行います。最後のスプリントはラインを越えるまで全力疾走します。次にジャンプの向きを横向きに変え、最後にディフェンスをかわしてダッシュするなどあらゆる状況に対応できるようなトレーニングを行いました。ディフェンスをかわした後、油断してスピードを緩めがちな練習生たちに、「相手をかわしてから最後のスピードを上げるように」と檄が飛んでいました。

次に、5分ハーフのタッチフットを行い、アタックについての課題をコーチ陣から挙げられ、課題を修正する為の練習を行いました。アタックでの課題は、(1)アタックのラインが常に浅い事 (2)スペースを見つける・つくる意識が薄いこと の2点です。

まずは、(1)の課題について、ディフェンスとの接点となるタックルラインを意識しながら、ラインメイクして走りながらパスを繋いでいく練習を行いました。相手のディフェンスを想定し、ラインにしっかり「ため」を作って良いスピードで走りながらパスが放れるよう何度も練習を繰り返しました。
次にスペースを意識した練習をしました。2対1、3対2の練習で、スペースを見つけて、そのスペースに仕掛ける練習です。過去に何度もコーチから注意されてきたことですが、攻撃をしかけるときに重要なことは、ディフェンスの動きに合わせるのではなく、自分からスペースをつくるように仕掛けて相手ディフェンスを動かすことです。このとき、良いスピードで仕掛けないとディフェンスを引きつけることができないので、良いスピードのままスペースに抜きにかかり、ディフェンスを引きつけたらパスを出すようにと指示があり、繰り返し練習するうちに仕掛ける体勢、パスを出すタイミングなどを体得している様子でした。

 

次は、オフェンス・ディフェンス半分に分かれて1列に向き合って並び、オフェンス側はボールを持ってトライを決めに行く練習。オフェンスはどこに動いても構いませんが、ディフェンスは横にしか動けません。そのため、ディフェンスは誰が誰をマークするかなどお互いに声をかけ合わなければスペースを潰すことができません。つまり、この練習の目的は、「ディフェンスがコミュニケーションを取ること」。初参加のメンバーもいて、最初はなかなか声をかけ合うことができませんでしたが、コーチから「勝ち負け」を意識させられると徐々に必死になって自然と声が出はじめていました。

その後、4チームに分かれ、半面を使ってのタッチフットと、残りの2チームはフィットネスを行って練習が終了しました。

タッチフットは、課題修正の練習を実戦で出せるよう、意識して取り組むよう指示がありました。フィットネスでは、ダッシュや腹筋、腕立てなどこれまでの練習で疲れた体にはきついものでしたが、「最後まで一生懸命」の課題に忠実であろうとするかのように、みな精一杯取り組んでいました。

試合後は、みんなで反省点や課題を話し合うなど、積極的な姿勢も見られました。

この日は、甲北高校から、シーズン制で体育館が使えない時期はラグビー部に属するというバレー部員が初参加しました。彼女たちを含め、全員が最後まで元気に汗を流し、全員での練習が終わった後も各自でパスの練習をするなどセブンズ代表入りに対する思いのようなものが伝わってきました。