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フィリピン戦に続き、最強メンバーで香港へ
木津、ツイ、今村が先発。藤田はリザーブ入り

ジュニア・ジャパンでのプレーが認められて追加招集されたFB/WTB藤田がリザーブ入り
photo by Kenji Demura (RJP)

27日、HSBCアジア五カ国対抗2013(A5N)第2節、香港 - 日本戦が香港フットボールクラブ(香港)で行われる。
前節、福岡でフィリピン代表から計18トライを奪って121-0と快勝した日本代表にとっては、今季初のアウェー戦。
エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは初戦に続いて「現時点の最強メンバー」(エディー・ジョーンズヘッドコーチ)で香港に対峙することを公言。日本代表は24日までの福岡合宿を終え、25日午後に香港入りする予定となっている。

先発15人中、香港戦で新たに先発に加わるのはHO木津武士、FLヘンドリック・ツイ、WTB今村雄太の3人。
「湯原(祐希=HO)もコリー(ホラニ龍コリニアシ=NO8)も先週いいプレーをしてくれたが、木津のフィットネスが100%戻り、ヘンドリックも香港戦ではプレー時間が短かったので、先発として長い時間プレーするチャンスが与えられるのが相応しいと判断した」というのがFW勢のメンバー変更に関するジョーンズHCの説明だ。
一方、ヒザを負傷したWTB小野澤宏時の替わりはフィリピン戦で途中出場して、いきなり2トライを奪った福岡堅樹が埋める予定だったが、福岡も23日の練習中に太ももの裏側を痛めたため、今村が先発。そして、リザーブには22日に招集されたばかりの藤田慶和が入ることになった。
「福岡のケガは大したことはないようだが、将来のある若いプレーヤーだし、ここで無理をさせる必要はないので大事をとった。今村は合宿で一番いいパフォーマンスを続けているひとり。15、16日間ずっといい状態が続いているので、チャンスが与えられてしかるべき。藤田に関してはこの12ヵ月間の成長という意味ではやや停滞した感じはあったものの、ジュニア・ジャパンでの遠征を経て、ここ2週間の取り組みに関しては評価できるものだ」(ジョーンズHC)

足首を骨折したこともあり昨季の欧州遠征には参加しなかった木津にとっては、昨年のIRBパシフィック・ネーションズカップ(PNC)以来の代表復帰となる。
「合宿から体を大きくして、フィジカル面でも勝っていくという点にフォーカスを当ててチームを作り上げていると思うので、フィジカルでどこまで白人プレーヤーなどに通用するのか試したい」
27日の試合当日の香港は「97%の確率で雨らしいです」(FB五郎丸歩副将)と、天候が崩れることも予想されているが、「雨には苦手意識があったんですけど、先発起用される以上、どんな悪条件でもセットを安定させることは最低限の自分の仕事だし、フィジカルの強さを生かして、ボールもらうことも意識してどんどん前に出ていきたい」と、厳しい条件でのアウェー戦で存在感を示して、競争の激しいHOのポジション争いでのサバイバルを目指す。

福岡合宿では好調を維持し続けたWTB今村(写真は昨秋の欧州遠征バスク選抜戦時)
photo by Kenji Demura (RJP)
「基本スキルのところをしっかりしたい」(廣瀬主将)

木津のチームメイトで、逆に昨秋の欧州遠征で代表復帰した(テストマッチ出場はならなかったが、バスク選抜戦でプレー)WTB今村は、前述のジョーンズHCのコメントにもあるように、この春の代表合宿では好調をキープし続けている。
「去年の11月の欧州遠征の時はまだ馴染んでいない感じもあったんですけど、いまはだいぶ馴染んできた。調子も悪くないし、いいパフォーマンスを出していきたい」
 先週の福岡でセンセーショナルな代表デビューを果たした新人WTBのことも当然、意識はしている。
「速いテンポでボールが出てきて、スピードで振り切るラグビ―なので自分には合っている。トライを取り切るようにしたい」

途中出場を果たせば、いきなり6トライを奪う鮮烈な代表デビューとなった昨年のUAE戦以来の代表復帰となる藤田は、1ヵ月(3月9~4月9日)に渡るジュニア・ジャパンでの厳しい南半球遠征を経ての代表招集。
「ジュニア・ジャパンの遠征があったからこそ、代表にも呼ばれるくらいの状態に戻れた。(ジュニア・ジャパンで戦った6試合中5試合目の)ハイランダーズ戦からだんだん良くなってきて、いまは思い切ったステップが切れるようになったし、感覚も良くなってきている」
 ヒザのケガで棒に振った昨季のブランクを完全に取り戻し、さらにパワーアップした自覚もあるようだ。
「常に代表に選ばれることを意識してウェイトなどもやってきたし、体も大きくなって、意識も確実に変わった。自分の強みのスピードを生かして、どんどんボールもらって、ディフェンスではしっかり肩を当てて、ひたむきに体張ってがんばりたい」
 フィリピン戦でも福岡が途中出場して大活躍したように、今回もBKのリザーブは2人だけでもあり、香港で2個目のキャップを獲得する可能性はかなり高いと言っていいだろう。

香港戦のポイントに関して、ジョーンズHCは「121-0の後の試合なので、特別な課題を持って臨むということはない。とにかく、自分たちのラグビ―の精度を上げていくこと、フィリピン戦に続いて、しっかりブロックを積み上げていくことが重要になる」と語る。
 WTB廣瀬俊朗主将は、「アウェーでしっかりとした試合をするというのは大事なことだし、香港にはフィジカルに強い選手も何人かいる」と、「いいスタート」を切った後だけに、当然ながら気を引き締めて今季2戦目に臨むことを強調。
「まだ準備段階」とは言いつつも、「ブレイクダウンなど、基本のスキルのところをしっかりしたい。そうすれば勝手にボールは回ると思う」(同主将)と、前週同様、あるいはそれ以上に「ジャパンウェイ」を前面に出した戦いぶりで、内容を伴った勝利を敵地で挙げて、日本に戻ってくるつもりだ。

text by Kenji Demura


フィリピン戦で1トライ、14ゴール、1PGの36得点を記録した五郎丸副将も好調をキープ
photo by Kenji Demura (RJP)

フィリピン戦ではリザーブだったツイがFLで先発し、菊谷副将がNO8に回る
photo by Kenji Demura (RJP)
20日はSAKURA基金の募金活動に精を出していたHO木津もコンディションが戻り香港戦では先発に
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今季初戦のフィリピン戦で完璧なスタートを切った日本代表は香港とのアウェー戦に臨む
photo by Kenji Demura (RJP)
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