アルゼンチン・ブエノスアイレスで現地時間9月7日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の総会に於いて、2020年の第32回オリンピック競技大会の開催都市に東京都が選ばれましたので、この決定に関する弊協会会長と、同オリンピックで実施される7人制を含むすべての代表チームの強化責任者である日本代表ゼネラルマネジャーのコメントを、以下の通りお知らせします。

■ 公益財団法人日本ラグビーフットボール協会 会長 森喜朗

2020年の第32回オリンピック競技大会の開催都市に決まった東京都と都民の皆様に、日本のラグビー界を代表してお喜び申し上げます。
世界最高のスポーツの祭典を首都の東京で56年ぶりに開催できることは、日本のスポーツ界にとって極めて意義深く、価値のあることです。1964年の東京オリンピックをはじめ、過去に日本国内で開かれた夏冬の計3回のオリンピックは、毎回、スポーツ文化の発展と競技力の向上に大きく寄与してきました。これから2020年に向けて、各競技団体が切磋琢磨して強化に取り組んでいかなければなりません。
また、オリンピックの開催はスポーツ界に留まらず、日本国全体に大きな活力を与えてくれるでしょう。東京都を含む東日本地域は2011年3月11日に発生した大震災から未だ復興の途にありますが、今から7年後に開かれる東京オリンピックが、未曾有の災害から見事に立ち直った日本人の底力を世界に示す格好の機会になることを願っています。
ラグビー界にとっては、東京オリンピックは2016年のリオデジャネイロオリンピックに続いてラグビー(男女7人制)が実施される大会であります。オリンピックという世界最高の舞台で、しかも母国のファンの目の前で戦うことにより、ラグビーという競技の魅力を広く発信できる絶好機ととらえています。同時に、国民の皆様の期待に応えられるような強い日本代表を作り上げる責任も強く感じています。
さらに、東京オリンピックの前年となる2019年には、ラグビーにとってアジアで初開催となるワールドカップが日本で開かれます。東京オリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場はこのラグビーワールドカップ2019で世界にお披露目され、開幕戦や決勝など主要試合の会場として使われます。ラグビーワールドカップはオリンピック、FIFA ワールドカップと並ぶ世界3大スポーツイベントの一つであり、この3大イベントのうち2つの大会を2年連続で開催する名誉を与えられた国、都市は世界中で日本、そして、東京だけであります。
日本ラグビーフットボール協会では広く日本のスポーツ界や政財界、自治体、民間の方々と手を携えながら、2020年の東京オリンピックとの相乗効果でラグビーワールドカップ2019の準備を加速し、これまでの日本のスポーツ界が経験したことのない規模となるラグビーワールドカップ2019を成功させる決意です。そして、それが東京オリンピックの成功の大きな後押しになると確信しています。

■ 公益財団法人日本ラグビーフットボール協会日本代表ゼネラルマネジャー 岩渕健輔

2020年の第32回オリンピック競技大会の東京都開催決定により、これから2020年までのわずか7年の間に、日本のラグビー界は世界最高のイベントを二つも迎えることになりました。それは、2019年に日本で開かれるラグビーワールドカップ2019、そして、2016年リオデジャネイロオリンピックから正式競技になる7人制ラグビーが実施される2020年東京オリンピックです。この二つの大会は、日本国内のみならず、アジア、そして世界に向けて、ラグビーというスポーツが持つ魅力や価値を強く訴える大きな機会となります。その際は、ホストである日本の代表チームが高いパフォーマンスを発揮して大きな役割を担うことが求められます。東京オリンピックでのメダル獲得に向け、強化体制の更なる充実を図ると共に、競技力を世界レベルに高められるような強化の実現のため、強い決意を持って構造的な改革に早期に着手する覚悟です。