マッチリポート 第50回 全国大学選手権大会

流通経済大学 43-7 日本大学
【セカンドステージ 2013年12月8日(日) /東京都・駒沢陸上競技場】
東京・駒沢陸上競技場で行われた全国大学ラグビーフットボール選手権大会セカンドステージ第1戦第2試合、関東大学リーグ戦1部同士の試合は、リーグ戦優勝の流通経済大学がリーグ戦5位の日本大学を43-7で退けた。流通経済大学は4トライ以上のボーナスポイントとアドバンテージポイントで総勝点を9とした。日本大学は勝点0。

1ヶ月前のリーグ戦では74-10と大差がついた流経大と日大の試合だったが、この日の大学選手権セカンドステージの前半は3-0とタイトな試合展開となった。
試合開始から攻めたのは日大。キックオフの折り返しから流経大の反則からペナルティーキックを得て、相手陣でマイボールラインアウトからモールを繰り返し試みるものの、最後は自らのオブストラクションで先制点のチャンスを逃す。さらに前半9分にはバックスに展開し、力強い突進で流経大ディフェンスとタックルを振りほどいたWTBマイケル・バー・トロケがインゴール中央に飛び込んだが、グラウンディングの直前にボールが手を離れてしまい、ノックオン。決定的なチャンスを逃してしまう。
両チームとも攻めながらも、反則やミスで相手にボールを渡してしまい得点機を得られないまま迎えた前半21分、流経大のSO合谷和弘がペナルティーゴールを決めて3-0となるが、前半の得点はこの3点のみ。どちらのチームも流れをつかみきれないままハーフタイムとなる。
後半に入ると試合を優位に進めたのは流経大。後半開始からミスはあるものの日大陣に留まり攻め続ける流経大は、後半8分、数的優位をついてインゴール目前までFB八文字雅和が走り込み、タックルされ出来たラックのボールをNO.8キャプテン高森一輝が素早く拾い上げインゴールへ。この試合最初のトライを決めた。ここからは流経大が攻め、日大がしのぐ展開に。日大も粘り強いディフェンスからボールをターンオーバーするなど敵陣に入る場面はあるものの、「ここから」というところで自らのミスや反則でボールを失うなど流れを変えることができない。
後半15分にはスクラムのサイドを突いて流経大高森キャプテンが連続トライ。この後高森キャプテンは2トライを挙げ、後半だけで4トライを決める活躍を見せた。
流経大は後半19分にWTB桑江健一郎、23分に途中出場のWTBジョセファ・リリダムがスピードと個人技でトライし、後半35分までに43-0とリードを広げた。
日大は後半37分、ペナルティーキックからの攻撃で、スピードをつけて走り込んだ19番、LOの辻悠がタイミングよくボールをもらい30mを走り切ってトライ。
試合は、最終スコア43-7で流通経済大学が勝利した。

相手をノートライに抑えることができなかったが、4トライ以上を挙げてボーナスポイントも獲得し、ファイナルステージ進出に向けて上々のスタートを切った流経大。日大は前半を最少得点差でしのぎ、リーグ戦からその差を約30点縮めて成長の跡を見せることはできたが、セカンドステージ勝利に向けてあと2試合さらなる進歩が期待される。

試合写真 試合写真 試合写真
会見リポート
 

監督・キャプテン
流通経済大学の内山監督と高森キャプテン

流通経済大学

○内山達二監督

「今回の試合はチャレンジということで、前の試合(東海大学戦)でできなかったことをもう一度チャレンジャーとしてやっていこうというのと、ノートライに抑えようというテーマだった。前半はもう一つ形にできなかったが前後半でチャレンジし続けることはできたと思う。ノートライに抑えられなかったのは、次への課題。セットプレーはかなり改善した」

○高森一輝(*)キャプテン

「東海大学戦でできなかった「チャレンジ」をしようと今回の試合に臨んだ。前半はトライを取れなかったが、後半はチャレンジをし続けた結果トライを重ねて勝つことができた。アタックはよかったが、ディフェンスはノートライで抑えられなかったことは課題」
(*) 高は正しくは「はしご高」

試合写真 試合写真
 

監督・キャプテン
日本大学の加藤監督と高野キャプテン

日本大学

○加藤尋久監督

「就任してから2回目の大学選手権ということで勝ちたいという気持ちと、リーグ戦で流経大にはやられていたので、借りを返したいと考えていた。点数が示す通りの力の差だと思う。選手たちも頑張ってくれたが、まだまだ覚えていかなければならない勝負のあやといった部分もあると思う。次の試合に向けて明日からいい準備をしていきたい」

○高野祐史(*)キャプテン

「リーグ戦の借りを返すために練習をしてきたが、前半取らなければならないところで点を取れず、後半も最初から点数を取っていこうと話していたが、流経大に取られてしまい、相手に流れがいってしまった。前半はリーグ戦に比べエリアを取る事はできたが、攻められた時にタックルが甘くなるなど相手の大きなフォワードにボールをつながれた。結局後半はリーグ戦と同じような点差になってしまった。自分たちのやりたいことができなかった」

(*) 高は正しくは「はしご高」