マッチリポート 第50回 全国大学選手権大会

中央大学 28-29 京都産業大学
【セカンドステージ 2013年12月8日(日) /愛知県・名古屋市瑞穂公園ラグビー場】
前半は中央のキックオフで開始した。両チームともキックを効果的に使いエリアの獲得を目指す。風上の京産大が有利な展開になると思われたが、中央大はグラバーキックを多用し上手に敵陣で試合を行う。京産大は低く鋭いタックルで中央大の突破を許さず、前半は得点の動かない引き締まった展開が続く。前半19分に試合が動き出した。中央大は敵陣22m左中間のラックからBKに展開すると、走り込んだ11番の高がインゴールに飛び込み先制トライをあげた。その後も中央大学が攻め込む時間が多いが、京産大が意地のタックルを繰り返し得点することができない。すると、我慢を続けてきた京産大は前半35分に15番山下がPGを成功させ3点を返した。しかし直後の前半37分に中央大1番檜山がトライをあげ前半は14-3で中央大がリードした。

後半は開始早々、京産大がFW、BKが一体となって連続攻撃を仕掛ける。すると後半6分に京産大10番三原がゴール中央に飛び込み追い上げを始める。さらに後半14分に京産大FWがスクラムでプレッシャーをかけ前に出ると9番の梁がインゴールに飛び込み京産大が逆転した。勢いに乗った京産大はキックカウンターから15番山下がビッグゲインすると最後は14番森田慎也がトライし差を広げる。一方、中央大は後半23分に15番羽野がタックラーを引きずりながらインゴールに飛び込み、21-22とお互いに譲らない展開が続く。そして後半30分に中央大は敵陣10m付近左ラインアウトから右に大きく展開すると14番藤崎が中央に回り込み28-22と再逆転をする。このままノーサイドかと思われたが、京産大はラストチャンスからチーム一丸となって果敢に攻め続ける。すると後半40分に15番山下が右中間にトライをし、28-27とする。さらに後半41分に同じく15番山下がゴールを成功させ28-29と京産大が逆転サヨナラ勝利をおさめた。

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会見リポート
 

監督・キャプテン
中央大学の松田監督(左)と山北キャプテン

中央大学

○松田雄監督

「大勢の観客に見に来てもらい、すばらしい場所で試合ができたことに感謝しています。リーグ戦2位のプライドを持って戦いたかったが、結果が出せず反省しています。しかし、残り2戦あるのでしっかり戦いたいです」

○山北純嗣キャプテン

「『ノーペナルティ』が今日の試合の合言葉でしたが、ペナルティで自滅してしまいました。次の試合はノーペナルティで、勝って笑って終わりたいです」

──ペナルティが多かった原因は? また,その修正はできなかった?

「心のスキだと思います。また,前後半1つずつシンビンが出てしまったということは、全員の心の統一ができなかったということです」

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監督・キャプテン
京都産業の大西監督(左)と三原キャプテン

京都産業大学

○大西健監督

「まずは(選手たちに)ありがとうと言いたいです。久しぶりの大学選手権出場で、さらに勝てたことがうれしいです。前半は全体的に緊張していたようですが、後半はFWがスクラム・モールを押しBKがそれをサポートするという形を最後まで貫いてくれて、それが最後にいい形で出てくれました」

──ミスが目立ったが、本当はもっと自分たちの形で試合をしてほしかったのでは?

「前半は相手のペースに合わせて試合をしてしまいましたが、後半は修正してくれたので、その点はよかったです」

──次への課題は?

「課題だらけです。次は早稲田ですから、挑戦者の意識を持って、セットプレーでプレッシャーをかけることをもう一度確認したいです。FWはひたむきにプレッシャーをかけ、BKはそれに応えるというスタイルを貫けるようにしたいです」

○三原亮太キャプテン

「本当にうれしいです。前半はキックゲームで負けていたので、後半は自分たちの形でいこうと修正しました。春からフィットネスに重点をおいてやってきた成果が、最後の最後に成果として出てよかったです」

──後半,再逆転された時に、チームにどういう声をかけた?

「時間もまだあるし、もう一度統一感を持って、継続して攻撃していこうという話をしました」

──自分自身がピッチを出た後の気持ちは?
「とにかく取ってくれ、という気持ちでした」

──次への課題は?
「前半のようなミスが多い試合では勝てない。反則やミスを減らし、1つ1つのプレーを大切にしたいです」