マッチリポート 第50回 全国大学選手権大会

京都産業大学 31-24 大阪体育大学
【セカンドステージ 2013年12月22日(日) /大阪・花園ラグビー場 】
大学選手権では、すでにファイナルステージ進出の望みが絶たれた両チームではあるが、ともに古豪復活の評判が高く、シーズン最後の試合を勝利で飾りたい。関西大学リーグでの対戦は、20-17と京都産業大学が勝利はしているもののトライ数では逆に2-3と大阪体育大学が上回っている。また、大学選手権に入っても共に互角の戦績を残しており、今日も白熱した試合が期待される。応援に駆けつけたファンも来シーズンへの期待も込めて自ずと力がこもる。

晴れ間こそ見えるものの、厳しい北西の季節風が吹きつける中、試合は、風上に陣取った京都産業大学のキックオフで開始された。立ち上りから京産大は風を利して試合を優位に進める。まず8分、ゴール前30m左中間のラックから右に展開し、最後大外の[11]下良へとつなぎ、ディフェンスを振り切ってトライ、(G成功)7-0と先制する。しかし、今度は風下の大阪体育大学、ハーフウェイ付近で相手オフサイドのPKから、素早く右に展開し[8]福本がタッチ際を走りきって16分に右隅へトライし7-5と反撃。さらに22分には[11]沢良木のラインブレイクから[13]吉野へ繋ぎ中央にトライ(G成功)。7-12と点差を拡げそのままハーフタイムを迎えた。

後半に入り、風下となった京産大は、キックから今シーズン躍進の原動力となったBKの走力を活かす戦術に切り替え大きくゲインすると、ゴール前でラックを連取し7分[15]山下左中間に飛込みトライ(G成功)。14-12と逆転する。そして、12分には同じようにBKのランからチャンスを掴み、またも[15]山下がトライ、19-12と点差を拡げる。しかし、今度は風上の大体大がBK展開で大きくゲインし、堪りかねた京産大のハイタックルを誘う。PK後のラインアウトモールを強力にドライブし19分[2]長崎がトライを奪うと(19-17)、27分には自慢の強力FWがピック・アンド・ゴーを繰り返し、ラックサイドを衝いたSHが上手く[18]伊尾木に繋ぎ、左中間にトライ(G成功)して再逆転。19-24とリードを奪う。これで大体大がペースを掴むかと思われたが、京産大は、29分に攻め込んだ大体大BKのパスを[14]森田がインターセプト。一気に大体大のディフェンスライン裏に抜けだし、フォローした[9]梁に繋ぎ右隅トライ(24-24)。これで、試合を振り出しに戻した京産大は、その後も優勢に試合を続け、35分にはゴール前10mのポスト右ラックから[9]、[10]と左展開を経て[3]浅岡に繋いでトライ(G成功)。31-24と引き離し、この後ノーサイドまで続く大体大の執拗な反撃を振り切って勝利をもぎとった。

この試合は、両校の持てる力が正面からぶつかり合ったスリリングな展開だった。最後は、劣勢のスクラムを持ち応えかつ、スピードに一日の長がある京産大が大体大をリーグ戦に続いて退ける結果となったが、共に来シーズンの更なる成長に期待を持たせる好試合であった。

試合写真 試合写真 試合写真 試合写真
会見リポート
 

監督・キャプテン
京都産業大学の大西監督と三原キャプテン

京都産業大学

○大西健監督

「本当に良いゲームだったと思います。我々も大体大も最後の試合で良いゲームができたと思います。リーグ戦のグループ形式で消化試合にならない様に学生には、入替戦のつもりで戦うと言っていました。1点差でも勝って次の新しいチームでもう一つ上のステージで戦うと言って臨みました。大体大も本気で向かってくれたので、ファイトある良いゲームができて嬉しく思います」

──関東との差は感じたか?

「正直、感じていません。関東の早稲田大、中央大と戦って、関西のハードなゲームも体験しているので、感じていません。ただ、早稲田大はミスを突かれて、うまさを感じましたが、勝てないとは感じていません」

──関東を上回るには?

「振り出しに戻って本当に関東を倒すことを今年は思い出したかなと思います。関東を倒す為に戦ってきた歴史があるので、もう一度本気で関東を倒す元年になれば良いと思います」

○三原亮太キャプテン

「ハードなゲームで前半、大体大の大きなFWに圧倒され、BKでもスピードのあるラグビーで翻弄されていましたが、後半から気持ちで勝ちきりたい思いが大体大より上回っていたかなと思います。次のチームに繋げる試合だったと思うので本当に勝てて良かったです」

──関東との差は感じたか?

「コンタクトも、関東、関西比べても違いはないと思います。自分達のミスから攻めてくるうまさは、少し関東の方が上かなと思います」

──関東を上回るには?
「関東はミスが少ないと感じました。ミスを少なくすることによって良いゲームができると思います」

試合写真 試合写真 試合写真 試合写真
 

監督・キャプテン
大阪体育大学の中谷監督と竹内キャプテン

 

大阪体育大学

○中谷誠監督

「セカンドステージ第3戦を戦える機会を頂き本当に感謝しています。関西リーグで京産大が3位、大体大が5位でリーグのリベンジ戦で臨みました。今日こそ奮起してリベンジしたかったです。我々は京産大とは伝統の一戦として挑んみましたが、京産大の動きの速さと接点の強さでしっかり止められました。我々のイージーなミスから得点に繋がれたことが敗因です。80分間、選手達は切れることなく、最後まで戦ってくれたことを誇りに思います。特に今年は4回生が中心にやり切ってくれたことが嬉しいです」

──ラインアウトで優位だったが、セットプレイから攻めるプランだったか?

「我々の武器は、ラインアウトとスクラムで、起点を作って前へと考えていました。前半はチームとしてコントロールできましたが、後半は風を上手く使えず、攻めても、狭いサイドでターンオーバーされたところが致命傷でした」

──スクラムの優劣は?

「スクラムで勝負できましたが、この試合では京産大のスクラムが五分に近いスクラムで、大体大の勢いがなくなったと思う位に感じました。中央大に勝って、要所で力を発揮できる様になったと思います」

○竹内擁騎キャプテン

「今日の試合では、京産大の粘り強いデフェンスと激しいブレイクダウンにボールを前へ持って行こうとしましたが、ボールゲインすることができませんでした。自分達の思うラグビーをさせてもらえなかったです。2、3年生に勝利を残すことができず、申し訳ない気持ちです」