photo by RJP H.Nagaoka
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「今日はキン(LO大野均)が79キャップになる試合なので、それをお祝いできる試合にしよう」
共に最高のパフォーマンスを見せることこそ、10年にわたって日本代表を支えてきたベテランへの最高の祝福になる。
試合前にリーチ マイケルキャプテンがメンバーを鼓舞して意思統一をはかった好影響もあっただろう。
今季トップファイブへの復帰を果たしたスリランカを迎えてのA5Nホーム初戦。
「こんなに集中したジャパンは久しぶり」
後半16分までプレーした大野自身が試合後そう振り返ったとおり、日本代表は冒頭のリーチキャプテンの言葉を具現化するプレーを80分間続けた。
前半3分に前週のフィリピン戦で途中出場して「ボールキャリーの部分など、勢いをつけられた部分もあった」と手応えをつかみ、この日はスタメン起用されていたCTB林泰基がFW陣の突破の後、右隅に飛び込んで先制したのを皮切りに計20トライ。
「いままで見たことないようなDF」(林)というスリランカのスタイルに戸惑った部分もあったものの、エディー・ジョーンズヘッドコーチも「タクティカル面でフレキシビリティがあった。タイトに戦えた一方で、スマートでもあった」と高く評価した適応力を見せて、FWが計13回、BKが計7回トライラインを越えた。
「今日は本当に全員が凄くいい集中力を見せてくれて、エディーさんが『前半20分で試合を決めろ』と言っていたとおりの試合ができた」
試合後、そう語った大野も後半4分に敵陣22m内での相手ボールをターンオーバーした後、タイミング良くパスコースに走り込んで自らの大記録を自ら祝ってみせた。
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20本中16本のコンバージョンを決めて、1試合でのコンバージョン数日本代表記録を塗り替えたFB五郎丸バイスキャプテンも「試合の中でしっかりコミュニケーションをとって、問題を解決できているというのは去年にはなかった。スリランカの不規則なDFに混乱している部分もあったが、外側行かなくても、内側でしっかりゲイン取れたし、コミュニケーションとりながらゲームを優位に運べた」と、自らの記録よりもチームの成長に手応えを感じていることを強調。
「毎週、毎週レベルアップしようという話をしていて、今日はレベルアップできたと思う」と胸を張ったリーチキャプテンだが、完勝の中にも自分たちがさらに進化していくためには、まだまだ課題があることもしっかり認識している。
「SOからのシェイプを狭くしようとしていたのはできたし、モール、スクラムでも相手にプレッシャーかけられた。
修正点はラインブレークした後、リンクしようとした時にふたりのFWが広くなったり、浅くなり過ぎたりしたところ」
林同様、代表初トライ(2トライ)を記録したWTB山田章仁が「もっと積極的にボールをもらいに行く場面も必要。真ん中でブレークした場合には、それに合わせてポジショニング考えてサポートしていかないといけない」と語るなど、個々人が大勝の中でさらに成長するための課題を感じているのも確かだ。
昨季4位のフィリピン、そして昇格組のスリランカ相手に大勝を続ける日本代表だが、次戦の韓国とのアウェー戦、そして現・国立競技場でのラストマッチとなる5月25日の香港戦では、ここまでとは比較にならないタフな戦いが待ち受けているのは間違いないところだ。
「ワールドカップ予選を勝ち抜くために50%はできたが、あと50%を残り2週間でレベルアップする必要がある」というのが、ジョーンズHCの日本代表に関する現状分析。
残り50%のレベルアップを達成し、今季の最大目標であるRWC出場権獲得を確実なものにするため、韓国戦、香港戦とも「再び最初の20分で相手スマッシュすることが重要。そのために最強のチームで臨む」(同HC)ことになる。
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