■2014年6月30日(月)

26日に始まったキャンプも、いよいよ最終日となりました。キャンプ最後の練習テーマは「REVIEW」。昨日29日のセレクションマッチで出てきた課題を昨晩のチームミーティングで明確にし、ひとつひとつ課題を克服するドリルを行いました。
日本の生命線である低いプレーやアタックシェイプ、インディビデュアルスキルに重点を置いた内容となりました。

最後はホールドゲームでのアタックディフェンスを行い、動きの再確認を行いました。雨が降りしきる中、集中したミスの少ない練習となりました。
チームトークでは選手同士で積極的に話し合う習慣がついてきました。

1時間半ほどの練習でしたが、初日とはまったく別のチームのような練習内容でした。
大きな声で、「楽しんでいるか」「下向くな」といった、ポジティブな言葉かけが多く聞こえました。
キャンプ最後の練習を惜しむかのように、選手たちは雨の中、ずぶ濡れになりながら走り回っていました。

練習後、会場の準備や洗濯等で大変お世話になった岩手県高体連の先生方に対し、選手を代表して、外岡選手が感謝の言葉を述べました。
2019年のワールドカップに向け、更なる精進を宣誓していました。選手たちで練習会場の後片付けを済ませ、ホテルへ戻りました。チーム荷物も、自ら進んで運ぶ選手が多く、普段チームでの指導が徹底されていることが感じられます。
ホテルでは朝食・清掃を済ませた後、「ノーサイドミーティング」に臨みました。
前田全国高体連顧問、菊池東北高体連部長のご挨拶のあと、薫田RWC2019日本代表戦略室 室長・村上S&Cコーチ・大石トレーナーから、次回までの宿題が提示されました。
特に村上S&Cコーチからは、今回取り組んだ内容の再確認と、今後取り組むべきストレングスの内容が示されました。

次回のTIDユースキャンプは、9月の開催となります。夏合宿を乗り越え、一回りも二回りも成長した選手たちに会えることを楽しみにしています。
最後に、今キャンプの開催にあたり大変ご尽力いただきました岩手県ラグビー協会の皆様をはじめ、東北・岩手県高体連、北上市体育協会、宿泊ホテル他、関係者の皆々様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

■2014年6月29日(日)

毎朝4時起きが続いていますが、誰一人遅刻することなく、逆に集合時間が日に日に早くなってきています。
今日はヘッドスタートのあと、そのまま体育館に残って軽食を摂りました。7時からのセッションでは、午後からのセレクションマッチをイメージし、JAPANと同様のウォーミングアップを行いました。
セルフアップの後、分刻みのスケジュールでテンポよくトレーニングが行われ、身体と気持ちを高めていきました。途中から雨の降るあいにくの天候でしたが、選手・コーチともに雨を感じさせない熱い練習を行うことができました。

一旦ホテルへ戻ってプレマッチミールを摂り、1時間ほど休憩してから試合会場の紫波町運動公園へ向かいました。
きれいな芝生のグランドで、メインの試合は釜石シーウェーブス対秋田ノーザンブレッツということで、近隣の高校生や一般の方々も数多く観戦に訪れていました。
この競技場は観客や運営の方々と選手の距離が近く、良いプレーには自然と歓声が起こり、ラグビーに詳しい方々が多い地域だと感じました。

場内アナウンスでメンバーが紹介され、公認レフリーの笛で公式戦さながらの雰囲気の中キックオフを迎えました。
小雨の降る中での試合で、序盤はハンドリングミスが目立ちました。今回のキャンプで取り組んできたアタックシェイプやディフェンスに対し、積極的にチャレンジしようとする姿勢が見られ、取り組んできた練習の成果を随所に見ることができました。

■2014年6月28日(土)

今朝も5時のヘッドスタートから始まりました。
村上S&CコーチのトレーニングとFW・BKそれぞれのスキルトレーニングを行いました。FWは大野選手の指導のもと、ラインアウトセッション。
ひとつひとつ丁寧に指導していただき、選手達も意欲的に取り組んでいました。

午前中のテーマは「Fast」。あらゆる局面で速さを追及する練習が繰り返されました。
昨晩の大野選手の話しに刺激を受けたのか、大きな声を出しながら気持ちの入ったセッションとなりました。きつい練習も声を出しながら全員で妥協することなく乗り越え、コーチの指示がなくても、選手同士で積極的に自然に話しはじめるなど、意識の高さがうかがえました。
練習の終わりに、2日間指導していただいた大野選手からお話がありました。
力を出し切ることの大切さ、仲間を信じることの素晴らしさを教えてもらいました。
JAPANの活動が終わったばかりにもかかわらず、指導のため岩手まで足を運んでいただきありがとうございました。

そして午後からは、釜石市根浜海岸へ、復興支援ボランティア活動に向かいました。
バスに乗り、釜石シーウェーブスのグラウンドを横目に見ながら、2時間ほどで海岸に到着しました。
途中、海が見えたあたりから、3年以上が経った今でも津波の影響を感じさせる建物が、あちらこちらにありました。根浜海岸の近くの鵜住居(うのすまい)地区では、校舎の3階まで到達する巨大津波に襲われながら、小中学生が即座に避難、生存率99.8%という成果を上げ「釜石の奇跡」と呼ばれました。
ボランティアガイドの三浦達夫さん(新日鉄釜石ラグビー部初代キャプテン)から、「津波てんでんこ」のお話をお聞きし、選手達も何かを感じとっていたようです。
ボランティア活動は、根浜海岸の草刈りを行いました。釜石市長 野田武則様からご挨拶いただき、地元社協の方々やトライアスロン協会の方々と一緒に行いました。
終了後、宝来館の女将さんからスイカの差し入れをいただきました。暑い中での作業の後で、選手たちは2つ3つと食べていました。

■2014年6月27日(金)

選手は4時起床。体重の測定を行ってから、コンディショニングチェックシートに自己の体調を記入し、バスへ乗り込みます。
ヘッドスタートは早朝より北上総合運動公園の体育館をお借りして行いました。
岩手県では8月23日から、日・韓・中 ジュニア交流競技会が行われます。ここ北上市では、陸上競技とバドミントン競技、ソフトテニス競技の3競技が行われるそうです。
ラグビー競技も盛岡市で行われます。開催国の日本は、U17以下の選手で日本代表チームを編成し、中国・韓国・岩手県選抜チームと対戦します。

村上S&Cコーチからストレングス、FWは高橋コーチからのスクラムルーティン、今田コーチのラインアウトオプション、BKは薬師寺・伊藤コーチからのキャッチングスキルを、ローテーションを組んで行いました。
朝5時からのセッションでしたが、選手は意欲的に取り組んでいました。

一旦ホテルへ戻り、朝食を摂った後に2時間程度の睡眠をとります。リフレッシュした状態で午前のセッションに臨みました。
快晴の中、午前のセッションテーマは「Physical(フィジカル)」。非常にハードなセッションとなりました。
リロードを取り入れたタッチフットから、ブレイクダウンスキル、JAPANも取り組んでいるユーロフィットからゲーム形式のチャレンジゲーム。そして再びブレイクダウンスキルと、タイムキーパーを置いて分刻みのセッションプランが進められていきました。
選手の意識も高く、お互い声を出し励まし合いながら取り組んでいました。

練習後、北上市よりヤクルト5日分の差し入れをいただきました。
選手を代表して、西川壮一選手が巨大ヤクルトを受け取りました。ありがとうございました。

今日の練習から、リカバリーもJAPANスタイル。
キンキンに冷えたアイスバスで一気に下半身を冷やします。初めての選手もいて、苦痛に満ちた表情で我慢していました。

 

午後はストレングスとスキル練習に取り組みました。
午後から、日本代表最多キャップホルダーの、大野 均 選手がスポットコーチとして参加しました。
ラインアウトセッションでは積極的にコーチングをしていただき、ブレイクダウンスキルでは、選手と一緒になって練習に参加していただきました。
世界レベルの選手と体をぶつけ合うことで、少しでも世界を感じてくれることを願っています。

夜のミーティングも、大野選手から自身の経験を話していただきました。「覚悟と本気と感謝」。
大野選手は常にベクトルが自分に向いています。「チームのために何ができるのか」。「自分へのチームの信頼を裏切りたくない」。
日本歴代最多キャップの選手の言葉には重みがあり、選手から質問も出るなど大変有意義な時間となりました。

明日も5時のヘッドスタートから始まります。

■2014年6月26日(木)

本日より、岩手県北上市で「U18 TIDユースキャンプ」が始まりました。
30日(月)までの5日間、朝5時スタートの、通称「ヘッドスタート」から始まり、1日3回の練習を繰り返します。非常にハードな合宿となりますが、JAPANスタイルと同様、世界一の練習量を目指してトレーニングをしていきます。
午後3時にホテルへ集合した選手たちは、早速キックオフミーティングに臨みました。薫田戦略室長より、今キャンプのゴールが示されました。「マインドセット」。今回のキャンプで自己の意識を変えることを目標に、意識を高く取り組んで欲しいと思います。

テーピングを済ませ、グラウンドに移動しました。練習会場の北上総合運動公園は、陸上競技場や野球場、立派な体育館があり、大変充実した施設です。
岩手県高体連ラグビー専門部・北上市ラグビー協会の方々に多くのサポートをしていただき、ラグビーに集中できる環境を作っていただいています。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。

快晴の中、素晴らしい環境でラグビーができています。

薫田室長よりアタックシェイプについて、細かくレクチャーが行われます。選手達も一つでも多くの事を吸収しようと、真剣な眼差しで聞いています。

練習終了後、東北高体連ラグビー専門部長の菊池先生から、TIDキャンプ特製Tシャツと、きぼう郷岩手国体のタオルを、参加者一人一人に頂きました。

夕食後、チームミーティングが行われました。村上コーチからS&Cについてのレクチャー、ユースプログラムパートナーとしてサポートしていただいている株式会社明治から栄養講習会をしていただきました。
大石トレーナーから水分補給の話の後、全員でペアストレッチを行いました。

翌朝5時スタートのヘッドスタートに備え、9時半に就寝。明日27日は分刻みのタイトなスケジュールとなります。