サモアを破り、アルゼンチンと引き分けて8強入り
カップ準々決勝で昨年の覇者フィジーと対戦

4日、東京セブンズ2015が開幕。
プールBでアルゼンチン、サモア、フランスと対戦した日本は1勝1分1敗で1日目を終了。
同プールで2位となり、念願のカップトーナメント進出を果たし、5日の同準々決勝でフィジーと対戦することになった。

(text by Kenji Demura)

後半5分のレメキのトライなどで初戦のアルゼンチン戦は14ー14で引き分け
photo by RJP Kenji Demura
松井の2本など、計4トライを重ねた日本はサモアに26ー12で快勝
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プール戦初戦の相手はアルゼンチン。
「アタックではキックの使い方が修正点のひとつだった」
大会開幕前にそう語っていた坂井克行主将が自陣から蹴り出したボールをトゥキリ ロテ ダウラアコがキープ。藤田慶和、吉田大樹とつながったボールが再び坂井に渡り先制。
前半終了間際にアルゼンチンにトライを返されたものの、後半2分に相手がノックオンしたボールをカウンター。
藤田、松井千士、坂井主将などが右サイドを攻めた後、レメキ ロマノ ラヴァが縦にアルゼンチンDFを振り切って勝ち越し。
いきなり幸先いい勝利への期待が高まったが、4分にアルゼンチンにトライを返され、14―14の同点のまま初戦を終えた。

勝利こそものにできなかったものの、今季のHSBCセブンズワールドシリーズ(SWS)で6位につけるアルゼンチンに対して常に先行しながらの引き分けで勢いに乗った日本は続くサモア戦でベストパフォーマンスを見せる。
キックオフからレメキが相手DFを翻弄して開始39秒で先制。
4分には再びレメキの突破から松井が右隅に飛び込んで2トライ目。
直後の5分、そして後半2分といずれもPKからの速攻でサモアに連続トライを許して、いったんは12対12の同点となるが、同4分にまたもレメキが外側のスペースを走り抜けて勝ち越し。
終了間際に松井がダメ押しトライを決めて、1週間前の香港大会で4強のサモアに完璧な勝利を収めてみせた。
「まずはディフェンスが良くなったこと」と瀬川智広ヘッドコーチは守りの充実が勝利につながったとの見解を示す一方、サモアDFをズタズタにしたレメキは「ボールがよく回るようになったからトライが取れるようになった」と回りの働きが自分のトライにつながっていることを強調していた。

この日の最終戦として組まれたプール戦3試合目の相手はフランス。
直前の試合でサモアがアルゼンチンと引き分けたため、実は試合前の時点で日本のカップトーナメント進出は決まっていたのだが、多くの選手はその事実を知らずにフランスに勝つことに集中して臨んだ一戦。

キックオフからいきなりフランスにノーホイッスルトライを奪われて、今大会初の先制を許した後、3分にも連続トライを奪われて早くも12点のビハインドを背負う最悪の立ち上がりとなってしまう。

それでも、日本は5分に自陣から積極的に攻めて、トゥキリ、藤田とつないだ後レメキが外のスペースを駆け抜け、内にフォローした藤田に返して5点差にした後、6分にもレメキが自らキックしたボールを拾って中央にとライ。
坂井主将が2本のコンバージョンを決めて、14―12と逆転して折り返した。

このまま勝つか引き分けでもプールD首位通過だった日本だが、後半2分、7分とフランスにトライを重ねられ、終了間際に途中出場の豊島翔平がトライを返したものの、最後のワンプレーで攻め込みながらのミスが出て逆転できず24―19で敗れた。

惜しくも勝ち点でフランスを上回れずにプールDで2位となった日本は大会2日目のカップ準々決勝でフィジーと対戦する。

フランス戦(19ー14)でトライを挙げる藤田。積極的な走りでチームを引っ張った
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