RWC2015前に国内で行われる最後の一戦で
3年4ヶ月のハードワーク集大成を披露する

29日、東京・秩父宮ラグビー場でリポビタンDチャレンジカップ2015第3戦、ウルグアイ代表との第2テストマッチが行われる。
泣いても笑っても、これがラグビーワールドカップ(RWC)2015前に日本国内で行われる最後の試合。
エディー・ジョーンズヘッドコーチ体制でスタートして3年4ヶ月。
RWCベスト8を目指して日々ハードなトレーニングを続けてきた日本代表は、国内のファンの前でしっかりと成長した姿を披露してくれるはずだ。

リーチ主将率いる日本代表はRWC前の国内最後の試合で進化した姿をファンにアピールする

リーチ主将率いる日本代表はRWC前の国内最後の試合で進化した姿をファンにアピールする
photo by Kenji Demura

「今季最強」

9月1日に世界最高峰の戦いの場であるイングランドへ向けて旅立つ日本代表を率いるジョーンズHCは、自身にとっても国内のファンの前で見せる最後の“エディー・ジャパン”の集大成となる重要な試合のメンバーをそう表現した。

もちろん、コンディションの問題による入れ替えはあるとはいえ、これが全試合ベストメンバーで臨むことを宣言しているRWC2015における日本代表の“原型”と言っていいだろう。

FW第1列ではPR三上正貴、HO堀江翔太、PR畠山健介という2週間前の世界選抜戦と同じ先発メンバー。

HO木津武士、PR山下裕史とともに、前週のウルグアイ代表との第1テストで途中出場して初キャップを獲得したPR渡邉隆之もリザーブ入り。

「渡邉はいつもとは違うサイドからのスクラムにも対応。ボールキャリーにも積極的でゲームへのアプローチがいい」と、ジョーンズHCに高く評価されての抜擢となった。

LO陣はトンプソン ルーク、大野均というベテランコンビが先発。
第1テストで先発し、「一番の収穫はチームが勝てたこと。自信を取り戻した」という大野に対して、ジョーンズHCは「37歳とは思えないパフォーマンス」の再現を期待する。

バックローFWでは、「オン・ザ・ボールでの強さがある」(同HC)マイケル・ブロードハーストがパシフィック・ネーションズカップ(PNC)のトンガ戦以来のオープンサイドFLへの復帰。
ブラインドサイドFLリーチ マイケルキャプテン、NO8ツイ ヘンドリックという第1テストで先発した2人とコンビを組む。

ハーフ団はSH田中史朗、SO小野晃征というPNCトンガ戦以来のコンビ。
そして、インサイドCTBは「ワールドカップでのキーマン」に指名するクレイグ・ウィングが13年11月のスコットランド戦以来となる先発。アウトサイドCTBのマレ・サウとコンビを組む。

FBはもちろん不動と言っていい五郎丸歩だが、両WTBは福岡堅樹、松島幸太朗という、今季初となる組み合わせ。
福岡は世界選抜戦以来、今季CTBでプレーすることの多かった松島にとっては昨秋のジョージア戦以来のWTBでの先発となる。

「(国内最後の試合で)ベストメンバーでどれだけできるかの挑戦になる。どうやってモチベーション上げるかとか、個人でやらないでチームでやるということをどれだけ意識してプレーできるか」
ベストメンバーでRWC2015前、日本最後の試合に臨む選手たちの気持ちを代弁するのはHO堀江。

”日本ラグビーの顔”LO大野(左)は2試合連続先発。1週間前に初キャップのPR渡邉もリザーブ入り

”日本ラグビーの顔”LO大野(左)は2試合連続先発。1週間前に初キャップのPR渡邉もリザーブ入り
photo by Kenji Demura

「4 年間応援してくれたファンに恩返しの
気持ちを持って戦いたい」(リーチ主将)

「1万人がワールドカップのように声援を送ってくれた。日本のラグビーにとっていい夜だった」(ジョーンズHC)
22日に福岡・レベルファイブスタジアムで行われたリポビタンD チャレンジカップ 2015第2戦、ウルグアイ代表とのテストマッチ。
日本代表は「PNC(パシフィック・ネーションズカップ)からの反省の部分である規律とブレイクダウンのところがよくなった」(FLリーチ マイケルキャプテン)という進化ぶりを見せて30—8で快勝。
ジョーンズHCは3トライを奪い、ウルグアイには1トライしか与えなかった試合内容とともに、福岡のファンの熱い声援の後押しが日本代表としての5試合ぶりの勝利につながったことを強調した。

「日本国内で最後の試合となる。ファンの皆さんの前で、ラグビーワールドカップで新しい歴史を作るために進化を続けている日本代表をお見せできるのを楽しみにしている。早い展開でボールを動かすようなラグビーをしたい」(ジョーンズHC)

「チームは課題を1つ1つクリア出来てきている。ラグビーワールドカップが近づいて来て、緊張感も少しずつ高まってきて、選手も集大成を迎えようという気持ちなので、チームの状態はとても良い。ワールドカップ前、最後の日本国内での試合なので、4年間応援してくれたファンに恩返しの気持ちを持って戦いたい」(リーチキャプテン)

チームは集大成へ向かって高まっているのは間違いない。
日本ラグビーを支えるファンとしても福岡に負けない熱を持って我らが日本代表を後押しして、世界8強への旅路を見送ろうではないか。

text by Kenji Demura

第1テストで2トライを奪ったNO8ツイ。ボールキャリアとしてアタックの起点になることが期待される

第1テストで2トライを奪ったNO8ツイ。ボールキャリアとしてアタックの起点になることが期待される
photo by Kenji Demura

ジョーンズHCが「ワールドカップのキーマン」に指名するCTBウィングにとっては13年秋以来の先発となる

ジョーンズHCが「ワールドカップのキーマン」に指名するCTBウィングにとっては13年秋以来の先発となる
photo by Kenji Demura
”エディージャパン”としてのどんな集大成を見せてくれるのか、期待は高まるばかりだ
”エディージャパン”としてのどんな集大成を見せてくれるのか、期待は高まるばかりだ
photo by Kenji Demura