プール戦ではジャマイカ、オランダ、中国と対戦
「動き出しの三歩で加速」を磨きコアチーム復帰へ
4月6、7日、香港でHSBC ワールドラグビー女子セブンズシリーズ 2017 − 2018 コアチーム予選大会が行われる。
2015 − 2016シーズンはコアチームとして同シリーズに参戦していた日本は「動き出しの三歩で加速していく」(稲田仁ヘッドコーチ代行=以下HC)、磨き上げた日本らしいスタイルで再び世界トップステージへの復帰を目指す。
12チームが参加する予選大会。日本は初日のプール戦(プールA)でジャマイカ、オランダ、中国と戦う。
プール戦で3位までに入れば準々決勝進出の可能性があるが(各プール1、2位と、同3位の中で成績のいい2チームが準々決勝に進む)、山中美緒キャプテンが「一戦、一戦、勝つことが先につながる」と語るとおり、まずは初日のプール戦をしっかり勝ち切って、いい流れで2日目のノックアウトステージに臨みたいところだ。
初戦(日本時間6日12:06)で対戦するジャマイカは未知なる相手だ。
「ジャマイカとは過去の対戦もなく、映像も少ししかなくて、分析という意味では少ししかできていない」
稲田HCも情報が少ないことを認めるが、陸上競技等のイメージからスピードのある選手が揃うアスレティックなチームであることは想像に難くない。そういう、一発でトライを取り切る脚力のある選手がいる可能性のある相手に対して、「DFでしっかりプレッシャーをかけて、ボール奪うということをやっていく」というのが初戦の入り方となる。
2戦目(同14:28)の相手はオランダ。こちらもイメージ通り「フィジカルで体が大きくて、どんどん前に来る」(稲田HC)。2月18、19日に行われた沖縄セブンズや2年前の東京セブンズ時に来日しているので、日本のファンにも馴染みのある存在かもしれない。
大きな相手に対して、「低く入って、ふたりで止める」(山中キャプテン)ことができるかがポイントか。
プール最終戦はアジアのライバル中国。元々は、日本より早く2014−2015シーズンに女子セブンズシリーズのコアチーム入りを果たしていたこともあり、侮れない存在。日本選抜として参加した昨秋の女子アジアセブンズシリーズ韓国大会ではカップファイナルで敗れている(香港、スリランカ大会では日本がカップ優勝)。
「中国はスピードがあるので、スピードに乗る前にDFで止める」(同キャプテン)
いずれにしても、「アタックは心配していなくて、DFでしっかりプレッシャーがかけられるか」(稲田HC)がプール戦を勝ち抜くための鍵となる。
リオ組5人に10代5人で香港スタジアムへ
「ワンチームで楽しみたい」(山中主将)
大会2日目のノックアウトステージでは、前述のプール戦でのライバルに加えて、若手メンバーで臨んだ昨年の香港女子セブンズのカップ準決勝で敗れた南アフリカなどが、破らなければいけない相手となりそうだ。
「去年も香港セブンズでは南アフリカに負けている。若いメンバーで来ていたが、その中には今回選ばれた選手もいる。そのリベンジ。絶対、勝たないといけないが、そういう大舞台でできるチャンスはそうはないので、そこでパフォーマンス出して、そこで楽しむことも大事にしたい」
最年少の高校生、平野もノビノビとプレーし、
稲田HCがそう語るとおり、順当に勝ち上がった場合、準決勝(日本時間7日15:12, 15:34)、決勝(同18:12)は男子の香港セブンズが行われている香港スタジアムでの試合となる。
「走り勝つ、アクションのスピードで勝つといった大事にしてきたところはそのまま。アタックでラインブレイクする、DFを突破していける選手が何人か出てきた。それを軸に、立ってボールを積極的に動かしていく方向がチームに浸透してきた」
昨年の11月に就任以来、それまでのサクラセブンズの戦い方を継承しつつ、新しい才能も試しながら、新たなアタッキングスタイルを落とし込んできた稲田HCはチームの仕上がり具合に手応えを感じている。
「いい緊張感があるし、体の方もいい感じで疲労が取れて、大会当日にピークになるのではないか」
「若手はノビノビとプレーできているし、ベテランも引っ張ってくれている。雰囲気的にもいい状態だし、ワンチームで楽しみたい」という山中キャプテンをはじめリオデジャネイロ五輪を経験したメンバー5人に、10代の選手5人も含めた若手がミックスされた選手構成で、セブンズの聖地とも言える香港スタジアムでの歓喜を目指すことになる。
リオ組のベテランと若手をミックスした選手構成でコアチーム復帰
text by Kenji Demura