ラグビーワールドカップ2023フランス大会の代表33人に入るのは誰か? その最終選考とも言える5連戦『リポビタンDチャレンジカップ2023』の初戦、7月8日に秩父宮ラグビー場で行われるAll Blacks XV戦のメンバー23人が6日、発表された。

注目は、代表キャップを持っていない選手が5人も名を連ねたこと。NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23シーズンの新人賞に輝いた埼玉パナソニックワイルドナイツのセンター、長田智希もその一人だ。その狙いについて、日本代表ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチはこう語る。

「長田選手はリーグワンを通じて一貫性のあるプレーをしていました。彼が今回のような試合を経験してどこまでステップアップできるか。そこを見てみたい」

長田本人は代表初選出が決まった5月末、こんな意気込みを語っていた。

「代表チームに参加するのは初めてなので、まずは日本代表が目指すラグビーを理解すること。その中で自分がどう貢献できるのかをしっかり考え、自分の強みを合宿でアピールしていきたい」

長田の強みといえば、高い戦術理解度と縦への突破力。そして、そのプレーを可能にするフィジカルだ。

「センターですし、海外の選手たちとの“フィジカルバトル”で戦えることを見せていくのは大事です。あとは“自信”を持ってプレーできるか。代表の先輩たちからは、『俺は強いんだと』いう自信を感じます。そういったメンタルの部分でもアピールできれば、最終メンバーに近づけるかなと思います」

ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが期待するのもまさに「フィジカル」と「メンタル」の強さだと述べつつ、選考理由についてこう付け加えている。

「最も重要なのはメンタリティーの部分。相手はオールブラックスに入ったことのある選手もいる強いメンバーですし、『いい試合をしたい』というモチベーションは高いはず。彼らが見せるフィジカリティーに日本の選手がどれだけ対応できるのか。この試合ではそこを楽しみにしたいです」

今回のメンバーで未キャップなのは長田だけでなく、アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京)、福井翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、シオネ・ハラシリ(横浜キヤノンイーグルス)、ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)の4人も。また、ケガでの出遅れもあって今回はメンバー外となった初選出組の一人、木田晴斗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)についても、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは「まだまだチャンスはあるので機会を設けたい」と期待を寄せる。

誰が選ばれても遜色ない候補メンバーのうち、左胸に桜を咲かせることができるのは誰なのか? 2カ月後のラグビーワールドカップ本大会も楽しみだが、ここから1カ月のラストサバイバルも目が離せない。

(オグマナオト)



メンバー入りした長田。NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23シーズンの新人賞を受賞