キャプテンズランでの一コマ。ジャパンはより一つになって大会前最後のテストマッチに挑む


ラグビーワールドカップ2023フランス大会開幕まで、あと2週間。日本代表は事前合宿地のイタリア・トレヴィーゾで、ラグビーワールドカップ出場国のイタリア代表と本番前最後のテストマッチに挑む。8月26日(土)18:30(日本時間翌27日1:30)キックオフだ。

 

ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは24日に行われた会見で「今週はすごく大事な試合」と語り、さらにこう続けた。

 

「日本での5連戦は2試合でレッドカードが出るなど、チームにフラストレーションも出ましたが、バッド・ラック(不運)はすべて置いてきました。代表選考を終えたことで、自分がメンバーに残れるかどうかといった不安から解消され、選手は試合に集中できている。メンタル、フィジカルともに、チームはいい状態です」

 

その言葉どおり、1カ月に及んだラストサバイバル『リポビタンDチャレンジカップ2023』5連戦を終え、ついに決まった代表33人がここからどんなプレーを見せてくれるのか、興味は尽きない。

 

そして、代表メンバー以外にもうひとつ決まったことがある。今大会に挑むキャプテンが姫野和樹に託されたことだ。『リポビタンDチャレンジカップ2023』2戦目のAll Blacks XV戦で初めて日本代表ゲームキャプテンを経験した姫野は、直近の3試合でもゲームキャプテンを担当。桜の勇者たちを引っ張る準備はできているはずだ。

 

代表キャプテンは初めてでも、所属先のトヨタヴェルブリッツでは入団1年目からキャプテンを務めてきた姫野。彼がチームを引っ張る上で信条とするのは常に「パッション=情熱」だ。ジャパンラグビー リーグワンの試合後、「チームを率いる上で意識したことは何か」と尋ねると、こんな答えが返ってきたことがある。

 

「一人ひとりのパッションやエナジー、愛情の部分に火をつける。それが僕の役割」

 

姫野にとっては帝京大学の先輩であり、普段から「ユタカ」と呼ぶほど関係性の深い流大が副キャプテンとして支えてくれることも心強いはず。さらに、リーチ マイケルや坂手淳史ら、代表キャプテン経験者も彼の脇を固める。ある意味、これまで以上に強固なリーダー集団を抱えるのが今回の代表チームなのだ。

 

国内5連戦では1勝4敗と結果は出なかったかもしれない。だが、それはあくまでも過去のこと。姫野は自著でこんな言葉を綴っている。

 

「過去は変えられないが、未来はどのようにも変えることができる」

 

未来志向のキャプテンのもと、ラグビーワールドカップ本番へチームがさらにまとまることを期待したい。

 

(オグマナオト)


ラグビーワールドカップで日本代表のキャプテンを務めることになった姫野和樹。熱を伝える