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JICA海外協力隊によるカメルーン共和国・南部州サンメリマ市におけるラグビー体験会レポート

カメルーンにおけるJICA海外協力隊の活動にJRFUからラグビーボールを提供しました。
ラグビーボールを活用した体験会の開催レポートをご紹介します。
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JICA海外協力隊 2021年度3次隊(体育) 服部航平

カメルーン南部の街、サンメリマ市の小学校において、2023年11月1日(水)に第1回の開催を皮切りに、全4回のラグビー体験会を開催しました。

日本では2002年の日韓サッカーワールドカップでカメルーン代表が話題になりましたが、ここカメルーンではサッカーは国民的スポーツであり、子供から大人まで至る所でサッカーを行っている姿が毎日見られ、強く根付いていることが伺えます。
しかしながらラグビーに関しては、私が暮らすサンメリマ市では一切行われておらず、フランスの衛星テレビ番組を通じてラグビーの放送がされ、スポーツ名は知っているという程度でした。

そのような環境下で、子供たちに新たな体の動きの経験や、新たなスポーツの選択肢としてラグビーに触れてもらうことを目標に、私の配属先であるジャ・ロボ県初等教育事務所主催でラグビー体験会を開催しました。
その結果、計3校、小学5、6年生約200名の子供たちに向けてラグビー指導を実施しました。また、そのうち2校は日本の政府開発援助で建設された小学校であり、日本と縁の深い小学校です。

 

ラグビー体験会はそれぞれ2日間の日程で行い、1日目はラグビーについて簡単に知ってもらい、ラグビーボールに慣れることを目標として、クイズやボール送りゲーム、パスを活用したリレーを行いました。クイズでは「ラグビーワールドカップで優勝したことのあるアフリカの国はどこ?」「ラグビーは何人でプレーするでしょうか?」などラグビーについて楽しく学びながら正解、不正解に関わらず子供たちの大きな盛り上がりを見ることができました。ボール送りゲーム、リレーでは、はじめて触れる楕円球に興味を持ちながら友達と協力してプレーし、ラグビーボールに親しんでいる様子が見受けられました。

2日目にはパス、相手を抜く、捕まえるなどラグビーの動きを実際に経験することを目標に、ラグビーのパスやしっぽ取り、1対1を布で作成したタグを使用し、タグラグビーの形式で行いました。子供達は、ボールを前に投げることができないというラグビーのルールに苦戦しながらも走りながらパスをするという体験をしました。また、しっぽ取り、1対1ではボールを持って全力で走る姿や、ボールを持った人を追いかける姿が見られました。さらに1対1ではトライするためにゴールラインに向かって飛び込む子供たちが多く、それらの姿からスポーツの持つ素晴らしさを改めて認識することができました。

体験会を通じて、全力でプレーを楽しむ姿や、たくさんの”笑顔”を見ることができて何よりも嬉しかったです。そして体験した子供たちから「とても良かった、楽しかった‼」、「ラグビーに興味を持てた‼」など嬉しい言葉を聞けたことで、本プロジェクトを企画・開催した目標を達成することができたと思っています。

今回日本ラグビーフットボール協会からいただいたラグビーボールや空気入れは、小学校の体育の授業や、継続的なラグビー体験会の実施を通じて活用していき、引き続きラグビーを多くの子供たちに経験してもらう予定となっています。

今回の経験が何らかの形で子供たちに残り、どこかの街で再びラグビーに関わり、将来カメルーンのラグビーを盛り上げていく力になることを願っています。