公益財団法人日本ラグビーフットボール協会は、外務省が推進する日本・ASEAN友好協力50周年記念認定事業「JENESYS日本・ASEANスポーツ(ラグビー)×SDGs交流」に協力し、「アジアンスクラムプロジェクト」の一環として、同プログラムで来日するASEAN諸国及び東ティモールの青年を対象に2024年2月20日(火)~22日(木)の3日間にわたりラグビーを通じた国際交流事業を実施しました。
同プログラム(以下JENESYS)に参加したMark Villamoraさんは、その後、東南アジア競技大会(SEA)でフィリピン女子7人制ラグビーチームのマネージャーになりました。JENESYSを通じて初めてラグビーに触れた経験や、ナショナルチームのマネージャーになるまでの経緯をMarkさんに伺いました。
JENESYSに参加するまでにラグビーの経験はありましたか?
いいえ、JENESYSが私にとって初めてラグビーボールに触れる機会でした。プログラムに参加するために日本へ行くことが決まったのが12月だったので、私にとって人生最高のクリスマスプレゼントになりました。ラグビーへの興味が本格的に芽生えたのもその時です。クリスマス休暇中、私はほぼ毎日ラグビーについて調べたり試合を観たりしていました。
▲東京での報告会終了後、フィリピン共和国大使館メアリー ジョイB.ラミレス一等書記官兼領事との記念撮影と、福岡での交流の様子
JENESYSのプログラムで他の国のチームメイトとタグラグビーをプレーする際、大切にしていたことはどのようなことでしたか?
試合はフレンドリーマッチだったので、勝ち負けよりも楽しんで友達を作ることに焦点を当てていました。また、他のJENESYS参加者と多く話し、彼らについて学ぶ機会を常に探していました。出会った人の中で最も印象に残っているのは、シンガポールのコーチ、Izzy Kadirさんです。JENESYSのプログラム中、私たちは同じチームだったのですが、帰国後、フィリピン女子7人制代表チームのマネージャーとしてシンガポールに行った時に、再会した時は本当に驚きました。チームマネージャー会議の会議室を開けたとき、最初に見たのが彼でした。前のデスクに座っていた彼を見て、二人とも驚いたことを今でも覚えています。あの瞬間は決して忘れません。
▲JENESYSに参加していたシンガポールの Izzy Kadirコーチとシンガポールで再会
JENESYSに参加してラグビーを通じて、どのようなライフスキルを学びましたか?また、どのようにして女子代表チームのマネージャーになったのでしょうか?
常に一歩先を行き、努力をすることを学びました。JENESYSでは、ラグビーをする時も、文化体験をする時も、その他の活動をする時も、いつも一歩先の努力をするよう、心がけて行動していました。これらの姿勢があったからこそ、JENESYSプログラムに同行したコーチのJane Franciscoさんから連絡をもらえたのだと思います。フィリピンに帰国後、彼女から代表チームのマネージャーを探していると連絡を受けました。女子7人制代表チームでも、JENESYSの時と同じ姿勢で、同じことを続けました。マネージャーとしての経験はありませんでしたが、フィリピンラグビー協会の人たちが助けてくれました。そのことにはとても感謝しています。
ラグビーについて、JENESYSを通して学んだ中で、最も印象的だったことは何ですか?
自分がどうなるかは本当にわからないということです。JENESYSに参加したわずか1か月後に代表チームのマネージャーになるなんて、想像できませんでした。人生で何かを決めるとき、「これに応募したい」とか「これをやってみたい」と思う気持ちに従うことは、何もしないよりも正しい決断だと信じています。私はJENESYSに応募する時、とにかく試してみて、できるかどうかを見てみようと自分に言い聞かせました。そして、それが今に繋がっているのです。
▲シンガポールで開催されたSEA7sのジャージ・プレゼンテーションで
次の目標は何ですか?
私の最終的な目標は、ラグビーのようなマイナースポーツもフィリピン代表として活動するときにはもっと注目され、経済的なサポートが得られるようにすることです。国際大会に出場するすべてのフィリピン人アスリートが、経済的な不安を感じることなく、自分のベストを尽くしフィリピンに誇りをもたらすことに集中できるようになるといいなと思っています。大学ではスポーツ科学について学んでいるので、卒業後は、Philippine Sports Commissionやフィリピンオリンピック委員会で働き、フィリピンのアスリートの支援に関わる仕事がしたいです。
最後に一言おねがいします!
JRFUは、ラグビーでの私の成長に大きな影響を与えました。JRFUの皆さんがいなければ、私はこれほどラグビーと関わることはなかったと思います。JRFUのスタッフの皆さんの、チーム力と時間通り物事を進めていくところがすごく印象的でした。この学びは、フィリピンにも学びとして持ち帰ったことです。